これは、2回読みましたな。
顛末を知った上で、確認しながら読みたくて。
でも、2度目の前半はほぼムダだったし、
前編読み直しても分からないことがあって、わからないままにして、読者に考えさせようという作者の意図なのか、私が読み取れないだけなのか、説明が足りなすぎるのか、なんとも分からん。
主人公が1年生の時に3年生の姉が行方不明になって、主人公が3年生、姉が5年生の時に戻ってくる。姉は誘拐されていた時の記憶は無くしているけど、その前の記憶は維持されている。
でも、主人公には違和感がある。姉に似ていないと思う。しかし両親は娘だと認めている。DNA鑑定でも親子だと診断された。
違和感を持ったまま、大学生になった主人公は、帰省した際に、姉が、行方不明になった姉にそっくりな女性と一緒にいるのを目撃する。主人公は、祖母の残した記録をみながら事件を推敲しなおして……真実にきづく。
いなくなった姉と、帰ってきた姉は別人。赤ちゃんの頃取り違えがあって、子どもの頃一緒にいた姉は血のつながりがなく、戻ってきた姉が血のつながりがある姉だという。
ややこしいので、子どもの頃一緒にいた姉を姉、戻ってきた姉を偽姉としよう。
『豆の上に眠る』は、その小さな違和感の事。小さいけれど、消えない違和感。
これは、主人公と姉の姉妹の話だけれど、実は、取り違えを企てた犯人側も姉妹。ややこしいから、犯人側の姉妹を親姉、親妹としよう。
心臓が弱く、病弱な親姉を守るようにと育てられた親妹。両親は早逝してしまった。保護施設でも親姉を守った。親姉には結婚を約束する人ができたけど、その相手も事故で亡くなってしまった。親姉は妊娠をしていた。産まれてくる子どもにも、心臓の病の心配があった。病弱な親姉と自分とで産まれてくる子を育てる自信がない。そう思った親妹は、自分の勤めている病院で、赤ちゃんの入れ替えを決行する。
親姉に打ち明けたのはいつだったか、なんでだったか。親姉はある時、自分の夫となる人にそっくりな女の子を見つける。自分の子どもだと確信する。車に乗せて、彼女の親に相談に行こうと思う。ただ、その時同情していた、育ててきた娘の具合が悪くなって、そのまま自宅に連れ帰ってしまう。
親姉妹の家には、入れ違いになった2人の3年生女児がいることになる。2人とも、そこに居たいという。育てられた娘はそりゃそうでしょうが、つれさられた娘は「母がなきながら父の名前を呼んで自分にすがりつくのをみて、離れられなかった。ここにいなくてはならないと思った」んだという。
〜3年生だよ?そんな事、あるだろうか?いやー、ないでしょー。っていう、不信が一点〜
で、2年後、行方不明だった姉は、当時の服を着て、痩せた姿でみつかったんだけど、それは、親姉妹に育てられた偽姉なわけ。
〜痩せて?その為に、ダイエットしたんだろうか?小学5年生に、そんな事をさせたのか?って疑問が一点〜
読み返した理由の一番は、主人公の両親がいつ、取り違えの事を知ったのか、を確認したかったの。その後の両親の言動は全てそれを踏まえてってことになるからさ。
それは、偽姉が帰ってくる直前だった。2人でどこかに出かけてた。
そこで、親姉妹と偽姉と姉と両親で、話をしてんだろうか。そこのところは書かれていない。話し合いをして、偽姉を戻すってことで、決着したってことなんだろう。そして、偽姉だということは、祖父母にも妹(主人公)にも知らさず、いなくなってた期間の記憶だけないことにして、(痩せさせて?)戻すことにしたんだろう。
〜なんで祖父母や妹に真実を伝えない選択をしたんだろう?そうだとしても、なんで、せめて、全ての記憶を無くした設定にしなかったんだろう?というか、小学5年生に、それをやらせますか???〜
真実を知った妹は怒ります。姉に対して。育ての両親のことはどうでもよかったのか?姉が病弱だった為に、母も父も、姉に尽くしてきた。姉がいなくなって、どんなに動転したか。悲しんだか。直前まで知らなかった産みの母がそんなに大事か。
〜ねぇ、わたしもそう思う〜
偽姉も怒る。怒る?がっかりする。姉として戻ってきて以来、妹の良き姉であるように勤めてきた。優しくしてきた。でもいつまでたっても、自分に疑いの目を向けてくる。たぶん戻ってきて10年以上経ってんだよ。だから、姉と一緒にいた時間よりも、偽姉と一緒にいる時間の方が長くなっているはずなのに、自分はいつまでたっても偽物なのか。
〜そう、そりゃ、そうでしょうねぇ。難しい問題よ〜
子どものころに、きちんと真実を告げていられれば、どちらも姉になったんだろうな、って思うんだけどね。
と、いうように、読み直しても納得のいかない作品でした。
その偽姉の違和感を『豆の上で眠る』としたのは言い得て妙だとは思いますがね。そんなアンデルセン童話があるんだって。
いやー、だって、小学校3年生とか5年生とかですよ?ちょっと、あり得ないかなーって思っちゃうなー