林檎日記

日々の事、考えた事など
無責任に書いてます

『土佐日記』 堀江敏幸訳

2024-12-27 17:30:00 | 
「おのこもすなるにっきというものを おんなもせんとてすなり」
という文章を、学生時代に習った覚えはあって、なるほど、平安時代にかな文字ができて、女性も文章を書くようになった転換点として、大事だから習ったんだな。
って、思ってた。

『土佐日記』の冒頭だった。土佐日記の著者、紀貫之じゃーーん!!男じゃーん!!
ってのが、最初の衝撃。

続いて、本編に入る前に、紀貫之による序文がある。私が理解したのはこんな感じ。

世の中は漢語ができる男が重宝されている。私も漢語ができなくはないけど、漢語ができる男は溢れかえっているから、得意としているやまとことばや和歌を磨いてきた。でも、やまとことばの地位はあがらない。和歌に親しんでくれる天皇や、和歌に親しむ自分を盛り立ててくれる友達もいたけど、亡くなってしまった。ちなみに、土佐に赴任になったのは、おそらくその友達のおかげだろう。任官されるだけでありがたいことだ。
私は漢詩を書くことももちろんできるけれども、普段使っていることばではないから、どうしても、気持ちの全てを漢詩で表す事ができない。そこで、仮名文字で、気持ちを表すことを考えた。仮名文字で書くのは女性である。だから、女性の身になって、土佐からの船旅を、日記として書こうと思う。
船には沢山の人が乗っていた。色々な人の事を書くけれど、それは、「だれ」ということはない。また、書いている「わたし」も誰かに固定しているわけではない。だから、女性として書くと言ったけれど、その時その時で、男性として書いていることもあるかもしれない。

ほうほう、自分の気持ちをあらわすのに、しっくりくる言語があるとかないとか、この時代の人でもこんな事を考えていたんだなぁ。  と、感心した。

さて、本編にはいると、
「船の長(である私)がこう詠んだ。」
「男の人なら漢語がわかるからこういう時漢語で書くのでしょうが、わたしは漢語が分からないから、きいた音をひろって書いている(しかし、書いている私は男であるから、本当は漢語で書けるけれども、おんなの設定で書いてるから、かなでかくのだ)」
「ある人(じつは私だ)がこう詠んだ」
「嫗女がこう詠んだ(じつは私だ)ので、歳をとっていても上手に読むものだと、みんなでほめそやした」
「この船の長は風流など解さない人だが(そんなこともないのだが、文章の中で自分のことを貶めておくのも必要だろう)」
とか、()書きで本人による注釈が入りまくるので、ツッコミどころ満載である。
序文で書いてるんだから、本編では書かなくていーじゃーん。

こんな設定がしっかりしていない文章でも、読み継がれる名作なのか。最古の日記小説だから?いや、当時はこういう手法が浸透していなかったから、本文中でも、こういう設定ですよと、伝える必要があったのか?
と、いうか、「これは他者が詠んだ歌ではないですよ。私が詠んだ歌ですよ」と、念をおしておきたいようにしか見えない。この素敵な歌の手柄を手放したくないように感じる。
でも、そうか。土佐の任を解かれて都に戻っても、自分の才能をわかってくれる天皇も友達ももういない。これからの、自分の人生を考えると、自分の才能を誇示せずにはいられなかったのか。

なんて、色々考えながら読んだんですけどね。

訳者後書きまで読んだらですね、

序文も、本編中の()書きも、訳者が作ったっていうじゃありませんか。

ナーーーーヌーーーー????
やっちまったなぁ!!!

やめてよー、そういうの。
なら、訳者の注としてつけてよー。

いろいろむだに考えちゃったじゃーーーーん!
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人生はあはれなり『紫式部日記』

2024-12-23 23:22:00 | 
図書館にあった!!良かった!!

そして、面白かった〜😆

『光るきみへ』のまひろとは、ぜんぜん違うなー

私、紫式部的だもの。
人生大変な感じとかさ。
分かり味が深すぎる。

訳本はね、図書館にはなさそうだったけど。読みたいね〜。おもしろーい、ひとの日記。
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胸はしる更級日記

2024-12-22 08:25:00 | 
面白かった。
ざっと、なんだろうけど。
この「ざっと」だから読めたんだろう。
そして、本編の現代語訳を読みたくなったよね。
これを読んでからなら、わかりやすいんじゃないかなー。
しかし、これの本編が、果たして図書館にあるかな…。なさそう〜〜。

ところで、このシリーズ
『枕草子』と『紫式部日記』もあるらしい。
読みたい〜〜。とくに『紫式部日記』。大河で『光る君へ』みたばっかだしさー。
図書館にあるかなー?


コレをおくなら、他のも置いといてほしーよねー。
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婦人科受診

2024-12-18 17:17:00 | 診察記録
半年ぶりの婦人科受診

半年前に効くかどうか怪しいって言われながら中量ピルを処方してもらい(効いたけど)

その後、更年期障害が始まって、生理周期も乱れてきたので、

問診で色々聞かれるかと思ってたら、あっさり終わった。
更年期症状はどんなのがあるのか、とかさ、経血の量はどうか、とかさ、更年期障害の薬を処方するかどうか、とかさ、聞かれなかった。

でも、今日はよかったよー。今日は女性の若い先生だった。よその病院からきてくれた先生だね、きっと。まず、待合室で呼ばれるときから「〇〇様」だもの。ていねいー。他の診察室はふつうに「〇〇さん」だったからね。いいの、〇〇さんで。でも普段、地元医師の上から目線の発言を聞いてる身としてはさ〜、それだけで「おお!」となるよね。

ピルの話はされなかった。「お腹は変わらないですか?」って聞かれて「更年期障害が始まって、生理も不順になりました」って言ったら「閉経周期に入ったんですね」って。なるほど、そう言うのか。
「すっかり閉経してしまうと、筋腫も小さくなっていくんですけど、まだ閉経していないので、半年ごとの検診が必要ですね。6cmくらいの大きさのがあるので、今日また大きさを計って、大きくなっていたら血液検査とかをまたしてもらうことになります」と、そのくらい。
そのあと、超音波検査して「6cmくらいのがあります。大きくはなってないから大丈夫。」で「お腹さわりますよー」って言われて触られて「この固いのが筋腫です。豆に触ってみて、大きくなってきたとかあってら次の受診の時に教えてください」って、初めて言われたー。そうだったのか。

いや、寝っ転がってお腹見た時、左側だけちょっと膨らんでるなって思ってたのよ。病気か?でも、この間大腸検査した時にも何も言われてないし、その前に婦人科受診した時にも何も言われてないし、大丈夫なんだろう。もしかして、筋腫なのかなー?って思ってたの。そうだった!

とりあえず、優しい女性の婦人科医、いいわ〜❤️いつも、この先生にあたればいいのにな。
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『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』

2024-12-18 17:01:00 | 
これは良作。
この人さ、なんとかヘルツのクジラたちの作者の人よね。
なるほど、そう、わかる。

私はこっちの方が好き。

短編集だけど、どのお話も、登場人物が良い。良い人ばかりじゃないけど、愛おしい。魅力的。そして、登場人物が少しずつ被っているのも、うれしい。たのしい。
何編か「あ、騙されてた」って、仕掛けがあるのも良い。

これは良作です!
『ブルーリボン』行ってみたい。芙美さん、見てみたーい(会ってみたい、というよりはね)
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