おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

青春うたものがたりシリーズ1「風のある町」/ A town with the wind 総集編 6

2008-04-09 21:52:42 | Weblog

bellあなたは、青春うたものがたりシリーズ1「風のある町」/ A town with the wind  総集編 6を見なければ、一生後悔するかもしれません。それは、本作品が、“愛する人”の死のために、真実の涙を流したり真実の心の痛みを感じたりする、人としての本当の優しさや温もりを、あなたに間違いなく教えてくれるからです。

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第8話/ 永遠の別れ
~ひとりぼっちの通夜~


アメージンググレイス・・・
もう泣くのはやめて 愛しき我が子よ
眠りなさい このみ胸で
その涙と 傷の痛みが
心やすらぎ 消えるまで
天子の子守唄 聞きながら



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――♪ただ、キミを愛してる・・・・・――


大学のゼミの授業中に、大輝の携帯電話の着信音(着歌/中島美嘉の「雪の華」)が教室中に鳴り響き、百合子から愛の症状に急激な異変が起こり、彼女の死を知らせる電話が入ったのは、彼が“風のある町”に帰ってから三日後のことだった。
「か、亀梨さん、あ、愛が今日の十三時二十五分に亡くなりました・・・」
「えっ!えっ!!えっ!!!」



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「い、いったい、あ、愛ちゃんに何があったんですか?」
「亀梨さんには申し訳ありませんが、“いくら愛の望みを叶えてあげる”ことだとはいえ、やはりあの日スカイダイビングに行ったことが、愛の外部の雑菌に対する抵抗力がない躰には、かなり負担だったようで・・・」
「あの日、あなたが帰った後からすぐに高熱が出してしまい、その後もずっとそのまま熱が下がらなくなって・・・」
「す、すみません。ぼ、僕が愛ちゃんの“大空を飛んでみたい・・・”という望みを叶えてあげたいなどと、余計なことを言ったばかりに・・・」
「もういいのよ・・・今さらどんなことを言ってお互いに反省してみたところで、愛が生き返ることはないのだから・・・」
「それに、愛の命がけの訴えに負けて、私たち家族もそうだけど主治医の堂本先生だって、あの子の望みを叶えてあげることには賛成したのだし・・・」
「そういう意味では、決してあなただけのせいじゃありませんから・・・そんなに自分だけを責めて、気にしないくださいね・・・」
そう言葉では言いながらも、電話口の向こうからは愛の死を悲しんですすり泣く、百合子の声が聞こえて来た。
さらに、その後百合子に話を詳しく聞くと、やはり結果的に愛の死を早めたのは、普通の人のように正常の血液細胞が造れない躰のために、無菌室に入って治療を続けているのにも拘わらず、今回無理をして外出してしまったことが、まったく外部の雑菌に対して抵抗力のない彼女の躰に、彼女の主治医である堂本ですら想定外の、予想以上に負担を掛かったのが原因だったようだ。
逆の見方をすると、愛は自分の命と引き換えにしてまでも、「大空を飛んでみたいと・・・」という望みと、「大輝と結婚式を挙げたい・・・」という、ふたつの望みを叶えたかったことになる。
否、愛が亡くなった今となっては、その真相は誰にも分からないことだが、もしかしたら彼女の気持ちの中の本心は、「大空を飛んでみたいと・・・」という望みは、あくまでも“大輝と結婚式を挙げる”ためのひとつの口実で、泰三や百合子、それに主治医の堂本を説得するためには、それが一番いい方法だという彼女なりの計算があったのかも知れない。
ただ、その真相はともかく、それだけ“愛が大輝を本気で愛していた”ということだけは真実であろう。
「あのう・・・これから僕、愛ちゃんに最後の別れを言うために、会いに行こうと思いますがいいですか?」
「いや、それだけは止めてください。おそらく来て貰っても、愛には会えないと思いますので・・・」
「それはまた、どうしてですか?」
「石坂が、あなたの口車に乗ったために、愛を早死にさせてしまったとカンカンに怒っているからです・・」
「石坂はそう言っていますけど、私には決してそうではないということは分かっていますから・・・」
『愛自身も息を引き取る前に、「今回のことは愛が望んでやったことだから、今回のことであなたを責めるのだけはしないで・・・」と、そう私に言っていましたから・・・』
「あ、愛ちゃんが、息を引き取る前に、そ、そんなことを・・・」
「そうです・・・」
百合子のその言葉を聞き、大輝は愛のために何もしてやれない今の自分が腹立たしくて、手のひらでは拭い切れないほどの悔し涙が、いつまでも止むことなくボロボロ落ちて来た。
「や、やっぱり会いに行っては駄目ですか?」
「はい、そうお願いします。その代わりに愛から預かったあなた宛の手紙を送らせて貰いますから・・・」
「それで、あなたに最後にひとつお願いがあるのですが、聞いていただけないでしょうか・・・」
「愛ちゃんに会うことも出来ずに、最後の別れも言えない僕に願いごとって、それは一体なんですか?」
大輝は、自分が愛に会えないという悔しさを、まだ我慢することが出来ないという未熟な部分が残っているからだろうが、自分自身の中ではどうしても抑えきることが出来なくなり、その気持ちを言葉にして遠まわしに百合子にぶつた。
だが、逆に彼女は彼と愛のとの関係を一番よく知り、彼の気持ちの苦しみを十分に理解していただけに、もしも彼が愛に会いに来て彼女に会えずにこれ以上傷つかないようにするためにも、あえてその場では彼の言葉に何の反応も見せることもなく聞き流し、自分の気持ちを淡々と伝えた。
「今日は、学校の授業やアルバイトなどでお忙しいとは思いますが、愛が天国に無事に旅立てるように弔ってやっていただけませんか・・・」
「そ、それは当たり前のことじゃあありませんか・・・」
「じゃ、お願いしますね・・・」



THE BODY SHOP



百合子はそう言って電話を切ったが、まだ大輝の気持ちの中には、もんもんとして迷いがあった。
それは、今、愛に会いに行かないと、もう彼女と永久に会えるのがないことを、大輝自身自分で分かっていたからである。
しかし、その一方では今回の百合子の気持ちや、愛が亡くなった原因などを考えたりすると、そういつも子供じみた自分勝手な行動ばかり取り、百合子に迷惑かけるわけにも行かないという気持ちも強くあった。
結局、大輝は悩みに悩んだあげく、自分ひとりで愛の弔いをやることにした。
そして、コンビニに行って蝋燭と線香を買ってくると、いつも机の上に飾っている二人が写っている結婚式の写真の前に、蝋燭と線香に火をつけて燻焼具の代用の灰皿の中に立てると、愛が無事に天国に辿り着けることを心から祈って、蝋燭や線香の火を一晩中絶やすことなく夜伽を行った。


「愛、ごめんね。僕が馬鹿なことを言い出したばかりに、君を早く死なせることになってしまって・・・」
「・・・・・」
「今度、君が生まれ変わって“風のある町”にやって来たら、また僕たちめぐり逢えるかなあ・・・」
「・・・・・」
大輝がどんなに話し掛けても、ただ愛は写真の中で笑っているだけで、大輝の問い掛けに何も答えることはなかった。



当関連ブログ
OCNブログ「おとぎのお家」
http://wildboar.blog.ocn.ne.jp/blog/



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