おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

新 青春うたものがたりシリーズ「風のある町」8 / A town with the wind

2013-08-17 21:24:24 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

2013年の新年を迎え、すべての有名サイトでNO1に輝いた当ブログ人気作品─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─が、Googleサイトにおいて約115,000,000 件中1位を獲得するという大快挙を成し遂げました。それを記念して新シリーズとして─新青春うたものがたりシリーズ『風のある町』─を 再スタートさせて頂くことにしました。前回の連載同様どうぞよろしくお願い致します。

ピアノ企画 / 下家 猪誠
作 / 猪 寿

第8話/ 最後の肌の温もり
~愛の突然の死~

アメージンググレイス・・・
いつも僕のために 歌ってくれてた
君の歌が もう聞こえない
あの大空に 君が旅立ってから
だけどこの瞳(め)を 閉じれば
いつも僕のそばには 君がいる

◎前回のあらすじ


TOKIOスカイダイビングクラブに到着後、約三十分ほどの簡単なレクチャーを受けた大輝と愛は、オーナー兼スカイダイビングのインストラクターでもある谷口自身が操縦桿を握るセスナ機で、遊覧飛行も兼ねたて主治医の堂本誠や、担当看護師の吉田由美子らと一緒に四千メートルの上空へと向かって飛び立って行った。
大輝と愛が“夢を見ているのではないかと・・・”と思うほど驚いたのは、彼女が望んでいた結婚衣装を身に着けて、スカイダイビングを行うことだけではなく、みんながセスナ機の中で二人のために結婚式を挙げてくれたことだった。
主治医の堂本誠が神父代わりになって、愛が自分の命を賭けてまで望んでいた、大輝との空の上での結婚式が行われた。
「その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい、誓います。」
「はい、誓います。」

その後、二人は結婚式の儀式がひととおり終わると、谷口の指導の下防寒具を身に付けインストラクターと体を固定しジャンプするための、ハーネス(パラシュートを装着するための器具)と呼ばれるベルトを背負った。
大輝は相葉と、愛は稲垣と、それぞれにパートナーを組むことになった。
二人が感激したのは、谷口の粋な計らいで大輝と愛が空中で話が出来るように、ヘッドホンマイクを用意してくれていたことだった。
ただ、大輝は乗降口が開かれたそのとたん、さっきまで大はしゃぎして張り切っていたにも拘わらず、これまで体験したことがない上空での風圧の凄さと、直接肌に感じる空気の冷たさにすっかり恐れをなして、思わず後ずさりして腰が砕けたようその場に座り込んでしまった。
「アッハッハハハ・・・」
愛は、それでも必死で子供のように言い訳して、なんとか自分の面子を保とうとしている大輝の姿を見て、思わず大笑いした。
「うわーっ!たすけて~」
「耳が痛いよ~」
「神様、僕はまだ死にたくないよ~」
もう大輝は自分が気付いた時には、相葉に気持ちを落ち着かせるために深呼吸させられている最中の、彼が気を抜いた一瞬の隙に半ば強制的に背中を押されて、機内の外に飛び出していた。
「大輝、大丈夫よ。隣を見て私も一緒だから・・・」
突然、愛の声がヘッドホンを通じて聞こえて来たのには、さすがに大輝もビックリしたが、彼女が隣にいることが分かると、人って気持ちって不思議なもので、だんだんと大輝の不安も消えていった。
だが、それとは逆に愛のこの行動が、自分の死を早めることになろうとは、この時の彼女自身はもちろんだが、大輝を含め彼女に係わっている周囲の者も誰一人として気付いていなかった。
「それにしても、私たちが現実に空を飛んでいるって、考えてみると凄いことだよね・・・」
「そうだね、頬はブルブル震えて痙攣を起こしだそうだし、躰全体も海老反っていてかなり痛いけどね(笑う)」
大輝と愛が、なんだかんだと話し込んでいるうちに、四人の躰は地上1500メートルほどの距離まで降下していて、相葉と稲垣の合図ともにパラグライダー(パラシュート)が開かれた。
さすがに、パラグライダーを開く瞬間は、もの凄い衝撃が躰全体に走ったがフリーフォールのうつ伏せから本来の縦の状態になると、随分と身体も安定し楽になった。
そして、落下速度がゆっくりになったぶん、それほど風圧も感じられなくなると同時に、地上の景色がよく眺められるようになった。
インストラクターの相葉と稲垣が、大輝と愛にパラグライダーの操作をしてみるかと聞いて来たので、二人はすごく興味があったのでふたつ返事でOKし、大空の散歩を心の底から楽しんだ。
『大輝、私の「空を飛んでみたい・・・」という望みを叶えてくれて、本当にありがとう・・・』
『僕は、何もしていないよ、愛の「空を飛んでみたい・・・」という情熱が、みんなの心を動かしたんじゃないか・・・』
「そんなことはないわよ。もし大輝に私の望みを叶えてあげたいという強い信念がなかったら、きっとこんなふうに私の望みは実現してなかったと思うわよ・・・」
「愛、ありがとう・・・愛にそう言って貰えるだけで、僕は嬉しいよ・・・」
「私の望みは叶えてもらったから、今度は大輝の望みが叶うといいね・・・」
「僕の望み?もう叶っているじゃないか、こうして君と結婚式が挙げられたんだから・・・」
「本当にそう思ってくれいるの・・・」
「もちろんだよ・・・」
大輝のその言葉を聞いた瞬間、愛の目は自然に涙でいっぱいになっていた。
ただ、そんな幸せのひとときも長くは続かなかった。
それは、すぐ眼下に最初4000メートルの大空に向かって飛び立った、TOKIOスカイダイビングクラブの滑走路がハッキリと見えるよになり、だんだん目的地の着地場所に向かって高度を下げて近づいて行く度に、「大空を飛んでみたい・・・」という、愛が命がけで訴たえた大輝との空の上での結婚式の旅も、もうじき終わろうとしているからだった。
四人の乗ったパラグライダーは、大輝と愛にはかなりゆっくりとしたスピードで、目的の着地場所に向かって高度を下げているように感じたが、二人の空の上での結婚式の旅が終わりに近付いて名残り惜しいと思う気持ちとは裏腹に、わずか十分ほどでもう地上にいる人たち姿がハッキリと見える、200メートルか150メートルくらいの距離まで降下していた。
そして、地上までの距離が25メートルほどの所くらいまで来ると、最初は大輝がインストラクターの相葉に言われて、着地時の用意のために両足を前方に投げ出すような格好で、ランディング(上半身と下半身が直角になるような形を取り、尻で滑るようにして着地すること。)する準備をとった。
すぐに、愛も大輝に続いてインストラクターの稲垣に言われて、同じようなポーズを取った。
着地時に多少の衝撃があったり、慣れてないせいで前方につんのめりそうになったりした場面はあったものの、無事に二人とも無傷で目的の着地場所に降りることが出来た。
地上に着き、大輝と愛がジャンプスーツを脱いでみんなが待っている場所に向かうと、泰三と百合子を始めに今日の結婚式に出席してくれた親戚や、TOKIOスカイダイビングクラブのスタッフたちが、大きな拍手で二人を出迎えてくれた。
その中には、さっきまでセスナ機を自ら操縦していた、このTOKIOスカイダイビングクラブのオーナー兼インストラクターの谷口の姿もあった。
その後、TOKIOスカイダイビングクラブの事務所に行くと、ホテル披露宴時のようにはいかないが、それなりの大輝と愛の二人のために、祝宴の料理や飲み物などが用意されていた。
まず結婚披露宴を始める前に、“祝 亀梨大輝・石坂愛様ご結婚おめでとう”書かれた看板の前で、みんなで記念撮影を行うことになったが、大輝と愛が一緒に並んで写真を撮ることに対して、泰三は相変わらず不愉快な顔を見せたが、みんながいる手前もあったからだろう。
そのことを口に出して、それ以上の何か小言などを言うことはなかった。
泰三が、愛の父親として今日二人の結婚式に出席してくれたみんなに礼を言うと、泰三と百合子の関係の親戚代表や、TOKIOスカイダイビングクラブのオーナーの谷口ら何人かの祝辞が述べられる後に、最後は愛の主治医であり今日セスナ機の機内で、大輝と愛が仮の結婚式を挙げるときに神父の代役を引き受けてくれた、堂本誠が乾杯の音頭で結婚披露宴が始まった
ただ、愛本人はみんなに悪い気がしたからだろうが、一言も疲れたなんて口には出さなかったが、なんとなく彼女に疲れた様子が見られるようになったこともあり、披露宴は短時間の一時間ほどで打ち切られた。
その後、大輝は今日世話になった谷口や、TOKIOスカイダイビングクラブのスタッフの連中に礼を言うと、愛を泰三や百合子らと一緒に慶都病院まで送ると、その日の夜行列車で風のある町に帰った。
愛は、大輝と別れるその瞬間まで、絶対に片時も彼の手を握ったまま離そうとしなかった。
きっと、愛にはこれが大輝の温もりを肌で感じる、最後の時間(とき)だと分かっていただからかも知れない。

―♪瞳を閉じて・・・・・―
大輝の携帯電話の着歌が鳴り響き、百合子から愛に急激な体調の異変が起こり、彼女の死を知らせる電話が入ったのは、彼が風のある町に帰ってから三日後のことだった。
「か、亀梨さん、あ、愛が今日の十三時二十五分に亡くなりました・・・」
「え、え、えっ!!」



 中西友紀

◎紹介コメント
この地球上で一番美しいと言われている顔の表情が、燦燦と輝く太陽の中で大地に向かって働き、その顔が汗まみれになって輝きを放っている表情だと言われています。その表情と同じような輝きと美しさを持っているのが、友紀さんの笑顔です。だから、僕にとって友紀さんイメージは、太陽の輝きそのものであり人に「心の癒し」と、「幸せ」を与える素晴らしい笑顔の持ち主ですね。そして、僕はそんな友紀さんの、いつも輝いている笑顔が大好きです。

◎プロフィール

勤務先: Dream Agent(代表)
出身校: 関西学院大学文学部フランス文学科
居住地: 枚方市言語: 英語、フランス語、近畿方言、Universal Light Languages、日本語
血液型: O型
出身地: 福井市
誕生日: 9月4日
ウェブサイト
http://www.facebook.com/nakayoshi.club
http://www.dream-agent.com
http://jwtnavi.cart.fc2.com/



ハッピーハウス

ビジネスパートナー・協力者の募集!

『ハッピーハウス』は、この度いよいよ日本を出発点とした国境線や人種、宗教などの壁をすべて取り払い、全世界の人々が同じ「地球民」として貧困の差別がなく平和に暮らせるようにするための先導者としての、慈善事業ビジネス活動団体を立ち上げてその愛と希望の矢を世界に向けて放つことにしました。

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5:世界の国々への男女平等労働・生活権利取得ノウハウの提供
6:その他


※本件の詳細内容のお問い合わせにつきましては、上記の携帯電話かメールにてご連絡ください。

携帯 /  090-1990-3944  担当 下家 猪誠(しもいえ いせい)
メールアドレス / m_ishizaka518@yahoo.co.jp

◇現在、「ハッピーハウス」の考え方は、政治や経済復興、ビジネス業界などにおいて、現次元の問題を高次元で思索分析し解決する新思考法としてとても役に立っています。





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