ドリームピックのウクレレ日記

ウクレレとヨットの大好きな「お腹の大きなオヤジさま」
dreampicのウクレレ日記。

コアロハの秘密、17号機を観察しての考察

2013年10月06日 00時00分01秒 | ウクレレ関連
先月ハワイで購入した我が17号機、コアロハのテナーについて、弾いてみて
観察してみての感想を少し。
歴史が浅いメーカーながら楽器としての完成度が高く、古くからの老舗の名家
“KAMAKA”“Gストリングス”等に追い付き、それらを凌駕する勢いの
メーカーだ。



トレードマークは“おにぎり型”のサウンドホールと王冠型のヘッド。そして
そのボディから生み出されるサウンドは音量十分。そして音質は、ホノルルの気候
のように晴れやかで爽やか。という程度の評判は知ってたが、それは宣伝の文句
であろうと思っていた。

今回の渡ハの目的の一つはこのコアロハのテナーを通販でなく、実際に現物を見て
購入するということだったので、“ぷあぷあ”で購入出来てラッキーだった。
本当はピックアップ付きのものを購入したかったが、ノーマルで買うしかなかった
ので、日本で“MPS”という画期的なPUを付けたのは、前も書いたとおり。

                    

おにぎりサウンドホールと王冠ヘッドは魅力あるが、楽器としての実力が無ければ
こんなの意味無い装飾。しかし、弾けば弾くほど鳴りがいい。驚くほどいい。
サウンドホールの中を覗いてみて、思ったことがある。サウンドに関係すると
思われているブレイシングは見えないけど、コアロハ独特の構造が見えた。

サウンドホールを覗くと普通このクラスのウクレレには必ず見えるライニング材が
ないのです。良いウクレレの代名詞のように思っていたライニングが無い。
まるで、安かったのが購入理由だった1号機(自作)のように。

その代り、トップとサイドとバックの板を一体にする補強材として「ユニブレース材」
という一枚の板が入っています。船でいうバルクヘッド、隔壁のような構造です。
船舶工学でも学んだ結果なのかもしれませんし、偶然の産物かもしれません。
しかし、これによってトップ、サイド、バック材の振動の邪魔をすることなく
楽器全体を補強することに成功したのでしょう。

           

これは実は画期的なことで、ライニング材が不要になって制作行程が短縮した上に
職人にそれほどの熟練度も不要と思われますので、制作コストを大分下げられたと
思います。素晴らしい箱鳴りの秘密はこれだったのですね。

そして、指板のフレットワイヤーが丁寧に面取りしてあり、その外にライニング
が張ってあって、指板が長年の使用で痩せてきて、フレットワイヤーが飛び出し
奏者の指を傷つけないように配慮する余裕もある。

           

こういう風に指板にライニングを付けているのは、国産で安いイバニェスの樹脂性
ライニングを除けば、私のステージ用の戸塚のタカハシウクレレだけだ。
ここでタカハシウクレレの良さを再認識したが。

しかし、コアロハというメーカー、侮れないということが良く分かりました。
船の隔壁の構造を取り入れて、画期的に強度も音質も音量も上がったウクレレ。
ヨット関係者としては非常に関わりのあるような、縁の深いような素通り出来な
いような話です。
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