幅約70×奥行き26×高さ130mmで約220gというサイズを体感しよう。これはキーボードを閉じたときのサイズであり、キーボードを開くと幅が約11cm(編集部実測)になる。W-ZERO3と同じシャープ(株)が開発した携帯電話機の『SH902i』は幅約50×奥行き22×高さ107mm/約129g、PDAの“ザウルス”『SL-C1000』は幅約87×奥行き25×高さ128mm/約278g。従って、W-ZERO3を大きいと感じるか小さいと感じるかは、“ケータイ”の延長としてみるかPDAの延長としてみるかで評価は異なる。
スライド式のキーボードはW-ZERO3の最大の特徴だろう。数字や文字の入力は、一般的な携帯電話機はテンキーで行なうが、W-ZERO3はタッチパネルに表示されるソフトウェアキーボードやキーボードで入力する。キーボードを試すなら、実機に触れる前に、W-ZERO3のキー配列は両手で持って親指で使うことを想定したものだということを頭に入れておきたい。一見すると「Q」「B」「;」「:」などのキーの配列や、「Esc」キーが独立していない点などが気になるかもしれないが、両手の親指による操作だとしっくりくる。スタイラスは、縦位置に構えて右上背面に収納されている。
通話の基本スタイルは、発話ボタンを押して、画面に表示された数字キー(ソフトウェアキーボード)から電話番号を入力、もう一度発話ボタンを押すというもの。もちろん、発着信の履歴や電話帳から発信することも可能だ。発着信の履歴情報は専用アプリケーションで、アドレス帳/電話帳の情報はOutlookで管理されている。
W-ZERO3はOSとしてWindows Mobile 5.0 for Pocket PCを採用する。前のバージョンであるWindows Mobile 2003搭載のPDAを使ったことがある読者は取っ付きやすいだろうが、そうでなければ、携帯電話機とは操作性がまったく異なるために最初は戸惑うかもしれない。だが、Windowsのスタートメニューを開いてアプリケーションを起動したり、コントロールパネル(スタートメニュー上での名称は“設定”)から各種設定を行なったりと、Windows搭載のパソコンと思って操作すればさほど違和感は感じないだろう。気をつけたいのは、設定変更の画面などで「OK」のボタンが画面右上に表示されることだ。また、スタイラスを長押しすると右クリック相当のアクションを行なえること、アプリケーションのサブメニューの操作ではアプリケーションボタン(携帯電話機では“ソフトキー”とも呼ぶ。押しボタン)も使えることも覚えておきたい。
なお、待受け画面(Today画面)は「スタートメニュー」→「設定」→「Today」から、表示する情報と壁紙を変更できる。またアプリケーションボタンには、好みのアプリケーションを起動するためのショートカット機能を割当てることができるが、これは「設定」→「ボタン」から変更できる。
そのほか“AIR-EDGE”対応のPHS端末として、ライトメール(いわゆる直送メール)への対応も気になるところだろう。ライトメールは専用のアプリケーションが用意されており、標準の設定ではメールキーの長押しで起動できる。ウェブブラウザーとしては、Internet Explorer Mobileを搭載。残念ながら今回のバージョンはスタイルシートには対応していないので、可能であれば、よく使うウェブサイトの再現性を試してみたい。
アプリケーションは、通話用アプリケーションの設定やファイル管理を行なうファイルエクスプローラー、WordやExcelのファイルを閲覧/編集できるWord Pocket/Excel Pocketなど、使用頻度の高そうなものもチェックしたい。文字入力はキーボードだけでなく、ソフトウェアキーボードや手書きも可能だ。これらは縦位置で使いやすい。
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キーボードがあくまでも両手の親指を使った入力しか考えていないとしたら、とても残念なことだ。10本の指を使っての入力には無理がある大きさなのだろうか?
PDAとしての操作性はそんなに心配していないのだが、問題はEメールとライトメールの操作性だ。ちゃんと自動受信できるのか?EメールやライトメールをバックアップするためにH問屋のようなソフトが用意されるのか?それとも直接ミニSDカードに保存するのだろうか?