世界第2位の携帯電話機メーカー米Motorolaが、魅力的な携帯電話の投入に向け日本のメーカーと手を組むかもしれない。これにより日本でのプレゼンスを高める一助としたい考えだと、CEOが2月2日語った。
Motorolaは米シカゴに本社を置く通信技術会社。昨年は利益が2倍、売り上げは18%伸びて過去最高を更新した。ほかの国では優位を固めているが、世界で最も高度な携帯電話市場である日本、およびアジアのほかの地域に照準を定めつつある。
「当社ブランドでこの市場への進出を加速する方法を模索しており、他社と手を組む可能性もある」。エド・ザンダーCEOは東京でReutersの取材に対しこう語った。
「NEC、松下電器、三洋と交渉を持ち、『製品を投入するための技術協力の可能性』を検討している。当社が模索しているのはこのようなことだ」と同氏。
世界の携帯電話機需要に占める日本の割合は10%に満たないが、2001年にNTTドコモが世界で初めてW-CDMAをベースとする商用3Gサービスを導入して以来、高速モバイルサービスで世界の先端を行っている。
しかし、世界の携帯電話機メーカーは日本でほとんどプレゼンスを確立していない。これは日本の第2世代携帯ネットワークが国産の独自技術を基盤としていたことが主因だ。
これまでに投入された外国製の携帯電話はデザインが日本人の好みに合わず、ユーザーの獲得に失敗していた。こうしたモデルはまた、ユーザーが日本語で簡単にテキストメッセージを入力できるといった重要な機能も欠いており、日本の携帯電話より劣るという印象を持たれるようになった。
日本の携帯電話市場は首位のシャープを筆頭にNEC、松下電器という国内メーカーが独占している。ほかの市場はNokia、Motorola、Samsung Electronicsが独占しているのとは対照的だ。
「(日本で)手を広げたい。これは当社にとって大きな市場になる可能性があり、携帯電話に関するこれまでの当社の実績には満足していない」とザンダー氏。
NTTドコモなど日本の携帯キャリアは、競争力強化と調達経費削減の手段として国外の携帯電話メーカーとの提携に関心を高めており、Motorolaにとってはいいタイミングと言えるかもしれない。
Motorolaとドコモは1日、共同開発した次世代HSDPA携帯の試作機を発表。ドコモがこの夏にサービスを開始する時点で最初のラインアップにMotorolaが含まれる可能性が高まっている。
日本以外では、Motorolaはインドでの事業に力を入れているとザンダー氏。インドはNokiaに独占されており、Motorolaはまだスモールプレイヤーだ。
「第4四半期はかなり好業績を上げ、今年も市場シェアが大きく伸びる見通しだ」(ザンダー氏)
ザンダー氏はMotorolaのシェアを、CEO就任前の2003年の約13%から2005年末で20%近くにまで引き上げた実績を背景に、「かなり早期に市場シェアを2けたに引き上げることは可能だ」との自信を示す。
同氏はSun Microsystemsの元幹部。Motorolaは同氏の就任後、世界シェア2位の座を取り戻し、北米とラテンアメリカ市場では首位に立っている。欧州と北アジアでも2位。
同社は前任のクリス・ガルビン氏の下では2けた台の営業利益率達成に苦戦していたが、2005年は全体の利益率がほぼ12%に達した。ザンダー氏のCEO就任以来、株価は60%以上伸びている。
Motorolaは営業利益率の長期目標である13~15%に急速に近づいているが、今年これに到達できるかどうかについてザンダー氏はコメントを避けた。
「短期的な見方はしない。私がやらなければならないのは、長期的に価値のある地位を築くことだ」と同氏は言い、この目標の達成と、適切な時期に市場と技術に投資するメリットとのバランスを取らなければならないと言い添えた。
「当社は正しい方向に向かっている」とザンダー氏は話している。
Motorola、日本のメーカーと提携を模索
モトローラは「NEC、松下電器、三洋と交渉」しているらしいので、この三社のどこかと提携してモトローラが日本に本格進出してくることになりそうだ。
モトローラはiTunes携帯電話を海外で販売しており、それが日本向けに作り直されて発売される可能性もありそうだ。