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東電のヒラメ飼育は本当か?9月21日、全国の各紙が一斉にトリチウムは体内蓄積しないと報道!それが本当ならおかしなことが起きている

2023-10-24 21:53:47 | 原子力
●国と東電と共同通信の悪だくみ。 

隠蔽か?洗脳か? あるいは不都合な事実が出たので拡散するまえに打ち消し記事をバラまいたのか?

2023年10月21日、全国の地方紙が一斉に報じた記事。
ヒラメには海中濃度以上のトリチウムは蓄積されない

あまりにも不可思議な記事だ!

TOKYO.Web 2023.10.21)



<不可思議その1>

大手各紙(毎日、朝日、日経、ゴミ売、3K)の報道は無し(筆者が調査した限り)。地方紙の多くが発信元の共同通信からの、この洗脳記事をタレ流したのだ。

北海道新聞、 秋田魁新報.電子版、 千葉日報、 埼玉新聞、 YAHOO!ニュース、 西日本新聞、 山陽新聞、 神戸新聞、 愛媛新聞、 沖縄タイムス.プラス、 等々、他にもあるが手間がかかるから省略する。

何が怪しいのか?上記記事の赤字③をよく見てほしい。
この重水素を使ったヒラメ飼育実験は、2021年12月に環境科学技術研究所(国の認可を受けて六ケ所村で放射線研究等を行う公益財団法人。つまり原子力ムラの1つ)が発表した研究成果である。2年ほど前の話である
記事ではそれが最近発表されたかのように印象づける書き方である。

赤字②にあるように、どうやらトリチウムが、FWT「自由水型トリチウム」だけでなく、OBT「有機結合型トリチウム」という形で生物体内にも蓄積することが世間一般にも知れ渡ってきたので先手を打って、打ち消すために2年前の成果記事を全国発信したのではないか。「有機結合型トリチウム」という文言がようやくマスゴミに登場してきた。

東電のヒラメ飼育PJチームは、2022年3月から140匹を飼育し始めた。5月には産経新聞の記者(?)に「魚類飼育は初めて。基礎からのスタート」と語っていて、その記事のなかで、この重水素飼育研究の話がでてきている。東電は古い知見であることは周知のことである。
産経新聞の記事「長辻象平 ヒラメの応援団 処理水海洋放出「安心」に一役」2022.5.25)

この記事には嘘も含まれている。それは後記参照。


<不可思議その2>

次が最大の不可思議な点だ。上記記事の赤字①をよく見てほしい。

記事のとおり、重水素は「水素の安定同位体」、トリチウムは「水素の放射性同位体
環境科学研は被ばく避けるため重水素で実験。

友達から借りたビデオだが、下図は2023年10月18日、NHK「あさイチ」で放送された「処理水は?廃炉は?みんなのキニナルに答えます」の番組から抜粋。

視聴者から寄せられた疑問・不安のメール内容

・処理水を30年にわたって放出し続けることで、海や海産物に蓄積されないのか知りたい。
・処理水に含まれる成分(放射性物質)は薄めて放出されても、海中の生物に蓄積されることはないのか知りたい。

もっともな疑問・不安である。

だがNHKあさイチは東電のヒラメチームの現場ルポの映像で回答した。

・通常の海水で育てた水槽のヒラメとALPS「汚染水」で育てたヒラメを見て下さい(東電ヒラメ飼育の責任者・山中和夫)
・去年から1年間、ALPS「汚染水」で育てたが問題はない
・ゲストの坂下千里子「(驚いた表情で)全然変わらないですね!」

ALPS汚染水には、トリチウムのほかに取り切れていない他の放射性物質も含まれている。その中には透過力の強いγ線を放射している物質もあるだろう。

つまり冒頭記事の環境科学研の実験に較べて、東電のヒラメ飼育は極めて被ばくリスクの高い環境下の実験である。
ヒラメの親分、山中君は気にならないのか?軽々しくメディアなどの外部の人間を招き入れてもいいのか?

・遮蔽ガラス越しでのエサやりではなく、直接フリカケを与えるようなエサやり
・ALPS汚染水槽の表面から蒸発するトリチウム水蒸気(プルーム)の防護施設はなさそうだ
・トリチウムは皮膚からも吸収されるが、ヒラメの跳ね飛沫に対して皮膚が露出している服装で大丈夫か?

TV画面ではそれほど防護管理が厳重とは思えないが。

ひょっとしてALPS汚染水ではないのかもしれない。ものすごく安全なまでに薄めているのか?それとも山中君は放射能知識に無知なのか?(だから責任者に抜擢された?)

このような飼育実験は、事故を起こした当事国の機関や東電、原子力推進派のIAEAが監視管理するのではなく、グリーンピースや海洋放出反対を唱える中国の研究機関に任せるべきである。実験が厳格に行われ、研究結果の信頼性が高くなる





<不可思議というより誤魔化しのグラフ>

これまでの記事で筆(正しくは「クチ」)がスッパくなるほど書いたが、生物体内の「トリチウム濃度」を説明するときは、体内のFWT「自由水型トリチウム」濃度とOBT「有機結合型トリチウム」濃度の両方を測って発表するのが正しい説明であると。片方だけの数値やグラフでは正しい濃度ではない。

下図のNHKあさイチで紹介されたグラフは、FWTだけの測定濃度である。このような都合の良いデータで「体内蓄積リスクはない」という嘘の結論を印象付けようとする。東電、政府官報放送局のNHKらしい、恥ずかしい魂胆がまる見えだ。



●冒頭記事の嘘を暴く。 

冒頭記事の赤字②を再度ご参照。次のように書かれている。

「海水中のトリチウムは魚に取り込まれると一部がタンパク質などの有機物に結合されて「有機結合型トリチウム」になるが、海の魚への蓄積データはこれまでなかった

真っ赤な嘘です。

筆者の過去記事、「汚染水の海洋放出問題 第4部」、「汚染水の海洋放出問題 第5部」にも掲載しているので、それをご高覧していただければ嘘であることは一目瞭然だが、読者の手間を省くために再度掲載しよう。

<1つ目> JAEAの研究開発論文

(データは2015.11.25〜2018.12.18間に福島県沖で採取したヒラメが試料。当論文は2020年発表のもの?か
注:TFWTは組織内自由水のこと。魚体内の水の状態のトリチウムのこと)


<2つ目> (独)水産総合研究センター 森田貴己2014.2.7

(放射性セシウムとトリチウムの海洋生物への濃縮係数、生物学的半減期)


<3つ目> (放射線医学総合研究所)須山一兵、江藤久美(1980年代?

「水生生物に対するトリチウム水の影響」日本原子力学会誌に掲載。

(アクセス許可制限があるので、詳細な紹介は省くが、論文の「Ⅳ。おわりに」にある著者のキニナル警告を抜粋しておこう
トリチウムが、・・環境中に放出された場合、生物体内に容易に侵入して放射線影響を与えると考えられる。本稿では水生生物におけるトリチウムの代謝および放射線影響に関して概説した」)


他にも京大・名誉教授(当時)でトリチウム研究で著名な齊藤眞弘先生の「トリチウム、水、そして環境(2)」など多数あるが、これ以上は省略。
原発事故前には、トリチウムによる環境への放射線の影響研究は多く発表されていたが、スリーマイル島、チョルノブイリ、福島後、それらは原子力ムラによって社会から隠されるようになった。

いずれにしても、海洋放出は安全、仕方がない、という国、東電、マスゴミTVの洗脳情報を鵜呑みにせず、自ら調査して真偽を確かめる姿勢が大事。

海洋放出は地球環境への大規模汚染という犯罪であり、それを日本が犯している事実に気づくべきだ。
「食べて応援」、それは人助けではなく、岸田と言うバカ男の間違った決断を後押しすることと同じである。


●予言 

筆者は予言者ではないが、科学的勘と推察で予言をしておこう。

・利権と保身と金にしか関心のない自民党と、全く信頼性のない東電では、廃炉は永久にできないだろう。

・東電はいずれ汚染水海洋放出に関してとんでもない改ざんを行うだろう。

・福1では再び取り返しのつかない放射能汚染が起きるだろう。