8月5日、 ある日のペルーのジャングルで、4人の科学者が小さなネズミを捕獲器に入れて麻酔をかけ、背中からやさしく毛を抜く作業に取り組んでいた(写真)。5月撮影(2023年 ロイター/Alessandro Cinque)
[ロスアミーゴス生物学ステーション(ペルー) 5日 ロイター] – ある日のペルーのジャングルで、4人の科学者が小さなネズミを捕獲器に入れて麻酔をかけ、背中からやさしく毛を抜く作業に取り組んでいた。採取した毛はロスアミーゴス生物学ステーションの研究所に運ばれ、このネズミが金採掘に伴う水銀汚染の新たな犠牲者かどうか、調査されるのだ。
ロスアミーゴスはペルー南東部マドレ・デ・ディオス地域の熱帯雨林に位置する。小規模な金採掘の中心地で、約4万6000もの業者が操業している。
そこで行われている違法採掘やほとんど規制がない形での採掘による水銀汚染が、アマゾン熱帯雨林で生息するさまざまな哺乳動物に悪影響を及ぼしている実態が今、冒頭で触れたネズミの毛の入手などによる世界初の幅広い研究調査を通じて、解明されつつある。ロイターは、この調査の暫定的な結果内容を入手することができた。
水銀に汚染された水や食物を人間や一部の鳥類が体内に取り込むと、神経系の疾患や免疫不全、生殖機能の喪失といった問題を引き起こすことは既に分かっている。
ただ、アマゾン熱帯雨林の他の動植物に水銀がどのような影響を及ぼすのかは、まだ、全容が知られていない。環境破壊により絶滅の危険性が高いとされるアマゾンの動植物は1万種類以上に上る。
ロイターは今年5月下旬、マドレ・デ・ディオス地域で科学者が実施した3日間の研究調査活動に同行し、幾つかの発見を共有した。そこで判明したのは......
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