北朝鮮は11月21日に軍事偵察衛星「万里鏡1号」の打ち上げに成功した。だが、これほど不可思議に満ちた衛星打ち上げは前代未聞だと言っていいだろう。写真は北朝鮮の「衛星」打ち上げを報じるテレビ画面 北朝鮮は (Photo by JUNG YEON-JE/AFP via Getty Images)
北朝鮮はなぜ、立て続けにロケットを打ち上げられるのか。なぜ、予告した時間よりも前に打ち上げたのか。その背景にあるのは、中露という「悪の枢軸」と米国との熾烈な駆け引きだ。大国間のパワーゲームを理解することで、北朝鮮の核・ミサイル問題の本質を見定めることができる。
- 北朝鮮のロケットはロシア製
北朝鮮は11月21日に軍事偵察衛星「万里鏡1号」の打ち上げに成功した。だが、これほど不可思議に満ちた衛星打ち上げは前代未聞だと言っていいだろう。
そもそも北朝鮮は8月24日に衛星打ち上げに失敗し、即日「次は10月に打ち上げる」と予告した。失敗の原因も究明されていない状態で、次の打ち上げの時期を予告するというのは不可思議極まりない。
しかも、予告した10月に衛星は打ち上げられず、それについて何の説明もない。10月10日の朝鮮労働党創建記念日に打ち上げるのではないかと見られていたが、打ち上げはなく、「偵察衛星をはじめとする宇宙開発事業は不可欠な戦略的選択だ」という論評が発表されただけである。
要するに「10月に打ち上げると予告したが、打ち上げるかどうかは戦略的選択だ」と言い訳しているのだ。だが、この言い訳はかえって不可思議さを助長させる。10月10日の段階で、10月中の打ち上げが戦略的な理由で(つまり技術的理由でなく)中止になったと示唆していることになるからだ。
ではその戦略的な理由とは何か?
- 中露首脳会談の影
- プーチンの策略
- なぜ予告時間前に打ち上げたのか?
【続きはこちら】
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます