

7月13日(土)~15日(月・祝)に
秋田県藤里町で行われた
「白神山地 森林の楽校」の報告です。
12名(内地元7名)の参加がありました。
参加者の声

上野発の寝台特急「あけぼの」が8時5分に到着した奥羽本線二ツ井駅は、
朝霧のせいか世界自然遺産の入口としてあまりに素朴で静かだった。
最近では世界遺産が一種のブランドとなって委員会での認定が
新聞紙上を賑わし、決定すれば大勢の観光客が押し寄せている。
確かに過疎化に苦しむ地方にとってはとても魅力的なタイトルかとは思う。
だが、今回初めて訪れた”白神山地”はブームになる前に遺産になっていたためか、
今でも先の駅のように穏やかさを感じた。
何故、この地が世界自然遺産となりえたのか?
過去から現在に至るこの地と人との繋がりは如何ばかりだったのか?
本当に貴重なブナの巨木たちがなぜ現在に至るまで残っているのか、
人の手が入ってこなかった自然林を開発から身を挺して守った古老たち、
現在も森林ガイドとして、森を守る一方、来訪者たちにこの森の貴重さと
残っている意味を語ってくれた地元ボランティアたちとの交わりのなかで
私たちはいろいろなものを感じた。
以前、尾瀬や富士山で企業やNGOの大規模な植林ボランティアに
参加したことはあったが、今回のような地元の方と共に汗を流しながら
下草刈りをし、美味しいおにぎりを食しながらブナを植林する機会はなかった。
今回で二回目となる「樹恩」のプログラムは、こうしたこの地の特徴を
削ぐことなく我々に紹介し、体験させてくれた。社会人にとってもとても貴重で
楽しい経験となったが、今回はあいにく学生諸子の参加が少なかったことは
非常にもったいない気がした。
内側に空洞を作りつつ、開発を続ける“都市ドーナツ化”が地方にも及ぶなかで、
何百年もの木々が鬱蒼と残る森に素直に感動した。そしてこの地を守り維持してきた
地域の努力に深く感謝した。人も一代では成しえないことあるが、先達から若人へと
タスキを繋げることで、達成できることも多くある。そう感じた今回のツアーだった!