とりあえず大学って、この時代にあり??
これからの世を生き抜くために、人は人、自分は自分を早く確立してもらいたい。そのために大切なのが、その子の「好き」や「やりたい事」を大人が取り上げない事。例えばゲームや漫画も嫌がる大人はいまだにいるが、その子の「好き」を否定しないでもらいたいし、親がやって欲しい事を決めつけても欲しくはない(子どもの失敗も取り上げない)。
そういえば3年前に患者さんの子どもがある大学の経済学部に入学した。でも本人は文学部志望だったみたいだ。だから何故経済学部を受けたのかよくわからないが、多分親に言われてそうしたのだろう、小さい頃から親の介入を聞いていたので。実際他の大学の文学部も受けていたらしく、3回生にして「あの大学の文学部に行けばよかった」と言い出していると言う。子どもの入学を自慢していたが、親が気に入っていたこの大学のネームバリューに、本人の思いを言い出せなかったのも容易に想像できる。これは特殊なのかもしれないが、子どもの気持ちに寄り添うことができず、挙げ句の果てにティーンの進路にまで口を出すだなんて、なんだかやるせない気持ちにもなってしまう(適性を早く知る)。
それにしても、やりたい事をみつけるための「とりあえず大学」が果たしてありなのか。その選択肢でこれからの時代を生き延びることができるのか。それよりも「好き」を見失なわずそれを武器にする事ができたら、進路は自ずと見つかるし、はるかに生き方を見据えやすいと思うのだが。
遺伝的な事を言われたら、私の父親は高卒の旋盤工だったし、母も特に学歴はない(知能は遺伝する)。でも姉も私も好きな事を楽しみながらこの歳までこぎつけた。実際のところ何をもって「遺伝」というのか、その評価をどうするか難しいところではあるが、少なくとも姉も私も親から好きなことを否定されずに育ったのはありがたかった(心根さえ育てば)。
皆それぞれに自分の役割があると思うのだが、大学を出た人の陥りやすい大学至上主義。学歴がないと犯罪率や飢餓率が上がるといったデータもあるので、その流れに乗せたくないという不安もよくわかる(学歴別「犯罪率」「飢餓率」に見る絶望日本)。だがサラブレッドの子にも足が極端に遅い子がいるはずだ。「鳶が鷹を生む」では無かった時、「鳶が蛙を生んだ」場合への対処、その教育のあり方をその子を見ずにしていたら、本末転倒だと思うことこの上ないのだ。
感じる事より覚える事が賞賛され過ぎている日本だからこそ、外野の意見に惑わされない子育てが大切となる。自己肯定感の希薄な人間が増えているという事実、日本が求める画一主義から離れるためのポピュラリティーの獲得と非社会性からの隔離、それをもって子どものこれからを一緒に探し出す覚悟。50%が大学進学といった、個性の無い子ばかりが生まれるこの時代の子育て、その子の特性を見極め、「とりあえず大学」はやめてみる。茨の道も選択肢の一つとして捉えつつその子の将来を一緒に探る。そこに親の腕の見せどころがあるのではないかと思うのです(ポピュラリティー)(非社会性)。
子どもはどこかのタイミングで自らの羽を広げ、年長者と対等な世界に飛び立つ。自分よりも若くて力強い羽を持ち、おまけに遠くまで飛ぶことのできる存在を守り続ける謂れなんて誰にもない。
学力云々もさることながら、自分の適正を早くに知る事が大切となる。今は私たち親世代が過ごした20代とは社会構造が違う。自分の物差しだけで子どもを見ていたら、子どもの可能性を狭めることになるかもしれない。
人間持って生まれた遺伝的な知能は確かにあると思う。教育云々で向上させる事はできるが、どうしたって遺伝的要素が勝る。背の高い親から背の高い子が生まれるように、競争だけに特化したサラブレッドは血統が全てであるように、知能も遺伝的な要素が深く関わっているのは間違いない。
(心根さえ育てば)
受験や親の思いに翻弄されて自分を見失い、30歳を過ぎても自分探しを続ける若者。片や子ども時分より「好き」を大切にされ、大学に進学しなくても自分を持って幸せに生活をしている人。
現代日本は、高校進学率95%超、大学進学率50%超の高学歴社会です。この社会では、小・中学校のみ修了した人は、就ける仕事が著しく限られる、低収入で働かされるなど、諸々の不利益を被るのが現実。
人は「普通」が好きである。でもこの「普通」の定義はなかなか難しい。なぜなら普通の感覚は生活の中で正されながらゆっくりと身につけていくものなのでだから。頭で覚えるというより、日々感じつつ覚えていくものだから実はやっかいだったりする。
非社会性について具体的な例を挙げるとすれば、食事中にトイレの話はしないとか、葬式に白いネクタイをしていかないとか、余命いくばくかのお嬢さんの誕生日に父親が「役にたつ」という理由で棺をプレゼントするとかだ。
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