「おおしたさん」のブログです

2005年6月に始めたこのブログ、鍼灸院をやってた頃のことを含め、今も気ままに書いています。

60兆個の細胞と無常観

2023年01月17日 | 考えていることとか思っていることとか
近所の方に粗相をしてしまい大変失礼しちゃいました。

お詫びにこれを持って伺う予定です。

なかなか色々ありますね(^◇^;)


60兆個の細胞と無常観

身体を構成する細胞の数は60兆個と言われている。1つの細胞が2つに分かれ、2つの細胞が4つに分かれ、4つの細胞が8つに分かれと何回分裂すれば60兆個になるかを数えてみると、46回で60兆を超える。46回もなのか、46回しかなのかは各人に委ねるとして、それで思い出したのが前期の民放でヒットしたドラマ「サイレント」。その中に出てきた紙を42回折ると月に到着するという話。この手の話は色々なところでなされるのであろう、意外と身近な話なのかもしれない。いずれにせよ、今パソコンに向かっている間にも細胞は増殖と死滅を繰り返しつつ60兆個を維持していると思うと何気に感慨深いものである。

ところで細胞が入れ替わる期間はどれくらいなのだろうか。多分骨のそれが一番時間がかかると思うので調べてみた。なんでも10年ほどで骨は完全に入れ替わるらしい。これを骨代謝と呼ぶそうだが、そうなると10年前の私の体を構成している成分は実は私ではないということになってしまう。

10年前の自分が自分ではないとしたら、学生の頃やってしまった粗相、例えば泥酔してアパートの2階から転落し背中の骨を折ったあの時の自分も、知らない人の家の庭先で寝てしまい下鴨警察署にお世話になったあの時の自分も赤の他人の仕業だったのかも。そういうことにしておけば、あの頃を思い出しては赤面してしまう自分と袂を分つことができる。おお、これは色々と都合よい。うん、そういうことにしておこう。

そう、今の自分は物質の観点から見れば自分ではない。となると、全てのものは移り変わるという、あの瞑想で教えてもらった「無常」にも結びつくはずだ。その苦しみも喜びも、全てのものは生まれては消えていくこの「anicca」という考え。細胞レベルでこの無常を常に体現しているのだから、細胞の集まりであるこの自分が無常感を体得できないわけがない。

ということで、60兆個の細胞も今は昔、過ぎ去りし自分は自分では無いということにしよう。そうすれば、今この瞬間にだけ目を向ける練習も、これらに思いを馳せつつ行えば、よりのめり込むことができそうである。それができたら、死から生の際を眺めるのではなく、生から生の際を眺めることができたら、死ぬ間際まで死を意識しない生き方を実践できるかもしれない。なかなか難しいと思うが、生き方への意識はもう少し試行錯誤を続けてみようと思う。


→ 骨は絶えず吸収(破骨細胞が骨を溶かす)と形成(骨芽細胞が新しい骨を作る)を繰り返し、約10年をかけてすべて入れ替わるといわれています。
→ aniccaは諸行無常のこと。全てのものは生まれては必ず消えていく、という意味です。

→ 起こったことは全て良し!どんなことだって肥やしになる。


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