昨日読売新聞を読んで……
本文はasahi.comとあわせて以下に記載させてもらうので、あとで読んでもらうとして…
何でこんなことになるのか……。
安全な医療、安全なお産なんて存在しないのに、医療過誤ばかり取りざたされているような気がする今日この頃…。医師と患者が歩み寄ることはできないのでしょうか?
どんな小さなミスも訴訟に取り上げられれば医師もやる気をなくしちゃいます。
私も医療人の端くれですが、患者を看取ることなんてできないし、患者さんとの中途半端なかかわりしかできないのがもどかしく感じることが多いです。
なんだかんだ言っても医師はスゴイんです!!
幸い私が出会った先生方は本当にすばらしい方ばかりでありがたいことです。
でも……ここまでこじれてしまえば医師と患者の関係修復は難しい…。
えっ??なんだか違う話に……??
> 茨城県立医療大助教授(助産学)の加納尚美さんは「助産所と病院の個々の契約や、病院側の善意に頼っていては、お産の安全は確保できない。行政が責任を持って、助産所を含めた搬送システムを構築すべきだ」と話す。
ココはきちっと行政が責任を持って医師、助産師の間を取り持ち、この問題だけでなく医療のあり方すべての根本的な解決に向けて早急に考えてもらいたいと切に願うところです。
話全くかわって8県が未整備の総合周産期母子医療センター
都内では、周産期医療センターに指定されている日赤病院と愛育病院は700mぐらいの近さにあります。
都市部と地方……この差はいったい何なんだろう???
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助産所、廃業の危機…産科医不足補うはずが
2007年3月21日 読売新聞 くらし面
緊急時の搬送病院足りず
日本のお産の1%を担う「助産所」が存続の危機に立たされている。4月1日施行の改正医療法で、緊急時の搬送先となる「嘱託医療機関」を定めることが助産所に義務付けられるが、病院に嘱託を断られるケースが相次いでいるからだ。
国は産科医不足を補うため、助産所の活用を掲げているにもかかわらず、廃業に追い込まれる助産所が出てきそうだ。(森谷直子)
横浜市神奈川区の大山愛さん(31)は3年前、同市青葉区の助産所「バースあおば」で、長女を出産した。「安産のための体作りから産後の育児まで、継続してケアしてもらい、満足いくお産ができました」と話す。
ところが今年1月、その「バースあおば」が廃業の危機にあることを知った。
これまでは、助産所開設に必要なのは「嘱託医」だけだったため、近所の開業医に嘱託を頼む助産所が多かった。しかし、開業医だけでは緊急時に対応できないケースがあったため、改正医療法では、嘱託医に加え、産科だけでなく新生児治療を行える病院を1か所、「嘱託医療機関」として届け出ることが、新たに義務付けられた。
この嘱託医療機関を確保できない助産所が相次いでいる。
「バースあおば」も昨夏から、NICU(新生児集中治療室)のあるいくつかの総合病院に打診しているが、「産科医が不足しており、医師に今以上の負担をかけられない」などと言われ、まだ嘱託先が決まらないという。
NPO法人「お産サポートJAPAN」(事務局・東京)が昨年末から今年初めにかけ、全国の助産所104施設を対象に行ったアンケート調査では、3割近い29施設が、嘱託医や嘱託医療機関の確保が「困難である」または「不可能である」と答えた。
「バースあおば」助産師の柳沢初美さんは「嘱託医療機関を1か所決める方式は、その病院にとってプレッシャーになるし、他の病院に搬送受け入れを拒否される理由になりかねない」と心配する。
これに対し厚生労働省は「嘱託医療機関だけが助産所からの搬送に責任を持つ制度ではない。対応出来ない場合は、当然ほかの医療機関に搬送する。地域の病院が協力して対応してほしい」としている。
茨城県立医療大助教授(助産学)の加納尚美さんは「助産所と病院の個々の契約や、病院側の善意に頼っていては、お産の安全は確保できない。行政が責任を持って、助産所を含めた搬送システムを構築すべきだ」と話す。
例えば、米英やニュージーランド、スウェーデンなどには、助産師が中心になって運営する「バースセンター」などの出産施設がある。日本の助産所に近いものだ。それらの国では、各地域に緊急搬送システムが構築され、バースセンターも組み込まれているという。
日本でも現在、各都道府県が産科の緊急搬送システムの整備を進めているが、助産所が加わっている所と、加わっていない所がある。
大山さんら「バースあおば」でお産をした母親らと、「お産サポートJAPAN」は16日、署名活動のための団体「お産といのちの全国ネット」(http://www7b.biglobe.ne.jp/~osantoinochi/)を発足した。全国の母親らに呼びかけて6月までに署名を集め、出産場所の選択肢を減らさないことなどを求める請願を国会に提出する。
助産師 医師と連携重要に
国は昨年8月にまとめた「新医師確保総合対策」の中で、産科医不足を補うために「助産師や助産所の活用」を掲げている。
また、昨年7月に改定された国の「周産期医療システム整備方針」では、連携すべき出産関連施設の中に、「助産所」が初めて明記された。
厚生労働省は、「病院、診療所、助産所が一体となったネットワーク作りを目指す」としている。
逆子扱い 亡くした例も
一方、「お産の現場で助産所が役割を果たすためには、開業助産師の意識改革も必要だ」とする指摘もある。
助産所で扱えるのは正常なお産だけ。途中で異常が発生した場合は、速やかに医師を呼ぶか、母子を病院に搬送しなければならない。また、逆子や双子などリスクの高いお産は最初から扱えないことが、日本助産師会のガイドラインに明記されている。
ところが、「自分の技術を過信して、ガイドラインを守らなかったり、搬送のタイミングを誤ったりする助産師が一部にいる」と、日本産婦人科医会の神谷直樹・常務理事は指摘する。
関東地方に住むA子さん(36)は4年前、助産所で出産した長女を、出産2時間後に亡くした。逆子だった。
当時既に日本助産師会が「逆子は助産所では扱えない」とする見解を示していたにもかかわらず、助産師は「逆子でも助産所で産める」とA子さんに説明。生まれた赤ちゃんは産声を上げず、ぐったりしていたので、病院への搬送を頼んだが、助産師は最後まで取り合わなかったという。
「開業助産師の中には、自然なお産にこだわるあまり、病院への搬送を否定的にとらえ、妊婦にもそう思わせてしまう人がいる。本来お産は安全が第一。その意識を改善しなければ、行政が立派な緊急搬送システムを整えても、悲しいお産はなくならない」と訴える。
助産師たち自身も、改善に向けて取り組み始めている。
今月中旬、東京都立川市の「ファウンズ産婦人科病院」で、地域の助産所や病院に勤める助産師たちが「症例検討会」を開いていた。
助産所で産む予定だったが、胎児の心音が下がり、病院でのお産に切り替えた症例について、担当助産師が、「突然病院で産むことになった妊婦の動揺に、どう対応すれば良かったか」と問いかけると、他の助産師からは、「妊婦健診の段階から、病院で産むことになる可能性や、助産所で産むことだけが“いいお産”でないことを、よく説明する方がいい」などの意見が出た。
「助産所と病院の連携は、単に緊急時の搬送だけではなく、普段から情報や意見を交換し、地域全体のお産の安全向上を図るべきだ」と、同病院の土屋清志院長は話す。
[data]全出生数の1%
厚生労働省の人口動態調査によると、2005年の出生数106万2530人のうち、98.8%は病院か診療所で生まれている。助産所の出生数は1万676人で、全体の1%。助産所の助産師が出張して介助する場合が多い「自宅・その他」の出生数は、全体の0.2%に当たる2509人だった。
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開業助産所、3割ピンチ 嘱託医義務化に確保厳しく
2007年02月10日01時29分
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