「おおしたさん」のブログです

2005年6月に始めたこのブログ、鍼灸院をやってた頃のことを含め、今も気ままに書いています。

論点の共有

2023年12月03日 | 考えていることとか思っていることとか
明治神宮外苑いちょう並木、ただいまライトアップが行われています。
夕方前を通りましたが、土曜日ということもありとても賑やかでした。

論点の共有

ベネディクトの「菊と刀」にある恥と罪、読み込めていないのでなんとも言えないのが甚だ恥ずかしいところなのだが、日本語のニュアンスと英語でのニュアンス、そもそも同じ体温で考えてはいけないのは当然だ。ベネディクト自身それを望んでいないと思うので、いわゆる西洋的な罪を、恥より優れていると誰がベネディクトに言わせていたのか、それを理解しつつ読んでいかないと検討違いに終始するかもしれない。

「意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」とは夏目漱石だが、たとえそれが窮屈だとしても、それを通さなければ哄笑される時もある。そしてそれが恥ずべき所作とはこれ如何に。いやそもそも意地という単語が共有されているのかさえ甚だ疑わしい。誰のために意地を張るのか、誰との契約でそれが生まれるものなのか。日本語でさえその絶妙なニュアンスの共有が難しいのに、それが英語で論じられたものとの比較だとすれば、やはり英語で読むべきなのか。単語ひとつ、文脈での語られ方ひとつ、色々考えるに、もはや自らの思いが人に伝わっているのか甚だ疑わしく思ってしまう。

恥と罪ははたして対比されるものなのか、二者択一的な話なのか、言葉の定義が共有されたとしても、他者に同調せざるを得ない聞き方を強要されてしまう日本人に、果たしてその二者択一は許されるのか。

以前どこかに書いた「恥は武士道により洗練され、罪は賎視された民の悲哀」との言葉、多分五木寛之さんの言葉だと思うが、罪という言葉一つをとっても、刑罰としての罪と親鸞の語る罪とは待ったく異なる。どの文脈で語られるか、そのニュアンスをどの論点で紐解くのか、自分なりの解釈をしたいとは思わないので、「ああ言えば上祐」的論点外しで意味の精査がなされないのを由とはしない。

とにかく罪の文化たる西洋的キリスト教をベースとした文化を上位に持っていきたいベネディクトがそこにいるのは明らかなのだが、人の目こそが神の目、八百万の神がそこここに巣食う日本において、恥を際たる罰と考えてきた日本人の思考は、この地に住まなければわからない。もちろんあの対戦の下、アメリカの諜報局がベネディクトに依頼した日本文化の分析との事なので、日本を論じるどころか、アメリカ当局を意識しつつ書いているのは明らかな事なのだろうが、当時におけるリサーチでここまで日本を暴くとは、議論の俎上に乗るだけでも、ベネディクト女史の並外れた論考がわかると思う。


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1 コメント

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Unknown (aki)
2023-12-04 01:53:34
この様な書込大変失礼ながら、日本も当事国となる台湾有事を前に 日本の国防を妨げる国内の反日の危険性が共有される事願います

今や報道は無法国の代弁者となり、日本の国益は悪に印象操作し妨害、反日帰化の多い野党や中韓の悪事は報じない自由で日本人の知る権利を阻む異常な状態です。

世論誘導が生んだ民主党政権、中韓を利す為の超円高誘導で日本企業や経済は衰退する中、技術を韓国に渡さぬJAXAを恫喝し予算削減、3万もの機密漏洩など数知れぬ韓国への利益誘導の為に働きました。

メディアに踊らされあの反日政権を生み、当時の売国法や“身を切る改革”に未だ後遺症を残している事、今も隣国上げや文化破壊等、

日本弱体と利益誘導に励む勢力に二度と国を売らぬ様、各党の方向性を見極め、改憲始め国の成長と強化が重要で、しかし必要なのは、
日本人として誇りを取り戻し、世界一長く続く自国を守る意識だと多くの方に伝わる事を願います。
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