中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ロッキー山脈紀行(6):第1日目(2):成田からソルトレークシティへ

2010年09月01日 15時08分47秒 | アメリカ;ロッキー山脈
                      <デンバー空港にて>

   ロッキー山脈紀行(6):第1日目(2):成田からソルトレークシティへ
               (アルパインツアー)
         2010年8月19日(木)~28日(土)

第1日目:2010年8月19日(木) (つづき)

<退屈な機内>

■機内食(夕食)
 私たち一行を乗せたデルタ航空DL638便は,定刻16時15分に成田国際空港から飛び立った.
 さて,これからが退屈な長旅である.毎度のことながら,エコノミークラスの座席にしか座ったことのない私は,これから10時間余りの狭苦しい時間をどう過ごそうかと迷う.
 とりあえずは,キャビンアテンダントから受け取ったイヤホーンを両耳に突っ込んで,クラシック音楽を楽しむ・・・が,どうも音質が悪いのが気になって仕方がない.
 私は,大学生の頃,オーディオマニアだった.勿論,真空管時代.なけなしの小遣いから真空管を買い求めて,オーディオアンプを作ったり壊したり,また作ったりを際限なく繰り返していた.そんな若い頃のことを,懐かしく思い出しながら,暫くの間,温和しくクラシックを聴く.
 17時過ぎに,目の前のモニターに北日本の地図が映し出される.“Distance Traveled 804km”と表示されている.まだ,私たちの飛行機は三陸沖まで飛んだに過ぎない.まだまだ先は長い.
 17時27分,ブスッとしたキャビンアテンダントがドリンクサービスを始める.小太りした大柄なキャビンアテンダントが上から目線で,
 “What would you like?”
と聞いてくる.
 とりあえずはスプライトを頂戴する.塩ピーナッツの入った小さな袋と,スプライトを注いだプラスチックのコップを受け取る.
 最近は,セキュリティチェックがやたらにうるさくなり,自分で購入した飲み物を機内に持ち込むことができない.機内でサービスされる飲み物しか口にできなくなっている.もっとも,セキュリティチェックを受けてから購入した飲み物は機内に持ち込めるが,それも面倒だ.いずれにしても,頂戴したスプライトは渇いた喉には,いつも以上に美味しく感じる.
 18時18分,夕食がサービスされる.
 外はとっぷりと日が暮れて真っ暗になっている.ビーフかチキンかの二者択一.小さなトレーに,いろいろなものがゴシャゴシャと乗っている.


■まだまだ先はウンザリするほど長い
 18時37分,夕食が終わる.
 キャビンアテンダントからコーヒーを頂戴する.アメリカンコーヒーだが結構美味. さて,これからが退屈な時間である.大船駅で衝動買いをした単行本を読んでいると,だんだん眠くなる.少し居眠りでもしようかと思って,目を閉じるが,余りよく眠れない.また,本を5~6行読むと眠くなる.そして,また,暫くの間,ウトウトする.こんなことを際限なく繰り返す.
 辺りを見回すと,大半の乗客が眠り込んでいる.話し声もない.ゴ~ゴ~・・とエンジン音が地鳴りのように聞こえてくるだけである.
 20時54分,目の前のモニターには,“目的地まで後5時間”と英語で表示されている.すでに,成田を飛び立ってから4274キロメートルも飛行している.現地時間では,今,朝の5時54分.推定到着時間は10時54分のようである.まだ,まだ,先は長い.ウンザリ.
 20時55分,キャビンアテンダントが,ボデーランゲージで,カステラ1切と水はいかがと差し出す.退屈なので,勿論,頂戴する.水だと思って貰った液体は,もの凄く甘いソーダ水だった.こんなに甘いものばかり飲み食いしたら糖尿病になるんではないかと心配になったが,結局,全部平らげてしまう.
 21時32分,飛行機はアリューシャン列島のアラスカ寄り上空を飛行している.大分アメリカが近くなった.でも,相変わらす眠いけれども眠れない.本をチョロリと読んだり,目を閉じたりしながら,ひたすら時間が過ぎるのを待つ.でも,そんなことを繰り返している内に,何時の間にかウトウトと眠ってしまう.


■やっと米国本土に近付いた
 日本時間で翌朝(8月20日)の0時08分,目が覚める.
 飛行機は,シアトルの上空を飛行中である.周辺の乗客の大半は,まだグッスリと眠っている.私が薄暗い席で目を覚ましていると,キャビンアテンダントがアルミパックに入っているウエットティッシュを私に差し出す.勿論,頂戴する.アルミパックの表には”Refresh yourself”と書いてある.
 中には大判のウエットティッシュが入っている.ウエットティッシュで顔や手を拭くと,ヒンヤリとして気分が良い.
 0時33分,時計とカメラの日付時間を到着地の時間に合わせる.JSTの0時33分は,現地時間で,前日(8月19日)の朝9時33分である.私は時計やカメラを現地時間に合わせるのと同時に,自分自身の気持ちに「今,朝だぞ」と言い聞かせる.

■機内食(朝食)
 9時49分,朝食のサービスが始まる.
 ヨーグルト,ナシやミカンの果物,パン,オレンジジュースだけの至って簡素なもの.もっとも私にはこの程度の食事で十分である.
 食事後,イングリッシュティーを所望する.
 モニターによると,成田からここまで8340キロメートル,後,643キロメートルのフライトである.すっかり夜が明けている.
 

■やっとソルトレークシティ国際空港に到着
 10時15分,機内アナウンスが流れる.英語と日本語.
 「・・・皆さん,後,45分ほどでソルトレークシティ国際空港に到着します・・・」
 キャビンアテンダントが,見回りに来る.私の雑記帳を覗き込んだアテンダントが,
 「・・あなた絵を描いているの.上手だよ.画家かい?」
と私に英語で話しかける.
 「いえ,画家じゃないよ.メモを取るのが趣味なんだよ」
とブロークンイングリッシュで答える.
 エンジンの音が少し小さくなる.飛行機は,少しずつディセンディングしているようである.
 11時05分,私たちの飛行機は,無事,ソルトレークシティ国際空港に着陸.
 11時10分,ソルトレークシティ国際空港到着.

<ソルトレークシティで国内線にトランシット>

■イミグレーションが大変
 私たちの座席は飛行機の後ろの方だったので,ディセンバーグが遅くなる.イミグレーションカウンターは長蛇の列.私たちの飛行機だけでなく,沢山の飛行機の乗客が集まっている.ヨーロッパの方々,南アメリカの方々,私たちのようなアジアからの人たちなど,実に雑多である.さすがに人種のるつぼのアメリカである.
 長~い,長~い行列も,少しずつ,少しずつ前進する.もうどうにでもなれとふて腐れながら,順番が来るのを悟ったような気分で待っている.どうせ,ツアー会社が付いているんだから,どんなに長くかかろうと何とかするだろうという安心感がある.
 その内に,漸く私の版になる.担当官は中年で品の良いオバサンである.オバサンから指示されるままに,顔写真,それに指紋を採取される.これでやっと入国審査が終わる.長い行列に並び始めてから,審査が終わるまで,実に1時間20分も掛かった.
 ついで,バゲージダウン.これは,円滑に済ませることができた.

■デンバー行の飛行機が遅れる
 自分の荷物を引きずって,電車のような乗り物に乗る.そして,国内線ターミナルに移動する.
 12時47分,搭乗口C11へ辿り着く.ヤレヤレ草臥れた.
 私たちは,これからデルタ航空13時40発DL3308便で,デンバーへ向かうことになっている.ところが,この飛行機,大分遅れているようで,何時まで経ってもボーディングが始まらない.自分たちだけで企画したツアーだと,こんなときに,随分と気を揉むのだが,今回はアルパインツアーという立派な会社がついている.いくら飛行機が遅れようとも,ツアー会社が何とかするだろうと思うと,随分と気が楽である.
 14時00分,漸く搭乗開始となる.私の席は18B.
 ボーディングブリッジを渡って,飛行機に乗り込む.随分と小さな飛行機である.真ん中に通路がある.その両側に2列の客席がある.私の座席番号に“B”が付いていたので,ひょっとしたら3列の真ん中の席かなと思っていたが,幸いにも通路側の席である.
 機内の雰囲気は,国際線とガラリと変わる.一見したところ,乗客はアメリカ人ばかりのようである.機内から日本語は完全に消えた.100パーセント英語の世界になる.
 14時20分,DL3308便は,ソルトレークシティ空港を出発する.これから一路デンバーに向かう.


                               (つづく)
「ロッキー山脈紀行」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/1290b08598cb20db05784f06644b9a81
「ロッキー山脈紀行」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f55b645a05c58f00d4643a3a9481e390


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6 コメント

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コメント有り難うございました (FH)
2011-07-07 09:59:20
ざいまひでこさん

コメント拝見しました.
やっぱりアルパインツアーでしたか.
夜明けの1~2時間の歩行は極々緩い登り傾斜の山道です.4駆の自動車なら走れるようなところが大半です.ですから,余り心配ないのではないかと思います.
参考までに・・・
つい先日,送られてきたアルパインツアーの紹介記事に私たちの写真が掲載されていました.
現地のガイドも大変親切なので気持ちよかったです.
なお,細かいことでも,私で分かることがありましたらお答え致しますので,直接私のアドレス宛にメールでご連絡下さい.

私のアドレスは,次回,コメントでお問い合わせ下さい(頂戴したコメントは非公開扱いにしますので,そちらのアドレスもご連絡下さい).
返信する
早速のご回答有難うございます (在間 子)
2011-07-07 08:37:37
私は中程度の緑内障なので、薄暗い(特に下り)所が苦手です。申し込み時にアルパインに聞いた所では暗い内の行動はないとの事でしたが、telがあり、貴方の言われる様に1・2Hは日の出前の行動になると言って来ましたので少し心配です。
貴方のブログをよく見て勉強させて貰います。又お教え戴く事があるかもしれませんが、よろしくお願い致します。
返信する
お答えします (FH)
2011-07-05 10:53:13
まず,ロッキー山脈紀行は60階ほど連載しております.

1.ブログを開くと,画面左下にCategory(カテゴリー)というランがあります.そこに「アメリカ:ロッキー山脈紀行(59)」という行がありますので,そこをクリックして下さい.

2.すると写真付きの要約記事が降順に並んでいますので,ずっと下までスクロールして下さい.

3.一番最後の最後の左右に,前へ,後へ,という二つの表示がありますので,前へをクリックします.何回も前へを押すと最初のページまでたどり着けます.

この本文の記事の最後を見て下さい.
 「ロッキー山脈紀行」の前回の記事
記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/1290b08598cb20db05784f06644b9a81
 「ロッキー山脈紀行」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f55b645a05c58f00d4643a3a9481e390
という表示があるでしょう.この青い線のある場所をクリックして下さい.この文章の前または後ろの記事にジャンプします.

次の質問ですが,エルバート山,トレースピークなど,すべて早朝3時30分出発登山口へ.日の出まで約1~2時間はヘッドランプ頼りです.
エルバート山は参加者11人中4人が途中で脱落しました.詳しい行動時間表は43回目の記事に記載してあります.

エルバート山の難易度は,キリマンジャロよりずっと楽です.モンブランのような氷河歩きもないし,北アルプス縦走のようなヤセ尾根,岩登りもないので,危ない所は一カ所もありません.

脱落した方々は,平素山歩きをしていないで,いきなり参加したちょっと無謀な方だけでした.
返信する
再度 教えて下さい (ざいまひでこ)
2011-07-05 08:49:23
ブログを見るのが不慣れなので、貴男のロッキー山脈4座登頂の所を読みたいのですが、成田出発か日本へ帰って来た所の記事しか読めませんが・・・
私は、今までにケニア山・キリマン・モンブラン・キナバル・トルーカ・玉山・雪山・カラパタール・ゴーキョピーク・ファンシーパン・アコンカグア(6000mまで)コジオスコ等登っていますが、高度順応は半年しか体が覚えていないと聞きました。
視力や視野が悪いので、山へ登る時に早朝出発等ありましたか?
参加者全員登頂されましたか。難易度はどの位でしょうか。教えて下さい。
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お答えします (FH)
2011-07-02 17:29:07
在間さんのご質問にお答えします.

高度順応;個人差がありますので,一概に言えませんが,私の場合は,標高4000メートルぐらいまでならば,全く問題ありません.ただ,それ以上になると食欲が無くなります.5800メートル以上は経験がありません.ただ,いきなり高所に行くことは避けて,徐々に高度順応しながら高所に行きます.
乗鞍岳は,いきなりバスで山頂付近まで登ってしまうので,高山病になりやすいかもしれません.
アルファー米;ときどき愛用しています.登山専門のツアー客なら,アルファー米使用も不思議でも何でもありません.でも,乗鞍岳は登山未経験の方も気軽に行く所.私はツアーで乗鞍へ行ったことがないので,どうなっているか,分かりません.
パックツアーを利用せずに,仲間達と一緒に旅行する場合は,あまりレストランは使用しません.海外でもコンビニなどで安い食料を調達して,宿泊している部屋や,公園で食べることが多いです.もちろん,登山中はレストランなど無いので,携行している食料だけです.
答えになっているかどうか分かりませんが,以上です.
なお,携行品については,ブログ記事を参照頂ければ幸いです.
返信する
9/1日~同コース出発 (在間 子)
2011-07-01 18:36:20
まだ全部読んでいませんが、教えて下さい。高度順応は問題ありませんか。8/2日に乗鞍岳へ登りに行きます。
昼飯が付いてませんが、安くあげたいので、アルハー米等持って行って3~4回は済まそうと思うのですが、そんな人はツアー客で誰も居なかったでしょうか。何時もレストランで食べるのですか。
荷物で、これを持って行って、とても役立った物等あれば教えて下さい。
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