昨日、ダマスカスで、イスラーム学者の先生の講義を聞きました。
先生は、ダマスカス大学の教授で、定期的に、ご自宅で特別講義をしてくださるので、多いときは毎週、先生が海外に出張されたりすると、しばらくお休みになりますが、今回で10回目くらいでしょうか。
先生は、とてもアッラーのことが大好きで、いいお話をたーーくさんしてくださって、お話を聞いているだけでたくさん涙が出ます。
ただ口から出る言葉ではなくて、心の底から出る言葉は、聞いている人の心の底に響くのだ、と聞きましたが、まさに先生がそういう感じです。
実はお孫さんもいるご年齢ですが、40歳くらいにしか見えません。
昨日は、人が幸せに生きるのに、本当の幸せを得るのに、物やお金が、邪魔をするというお話でした。
人が、お金や物に執着して、それを買うためのお金を得るために、人生すべてを費やしたりしてはとてももったいない、と。
お金や物がなくても、幸せになれる道があるのだと。
先生は、先生のお父さまのご友人で、25年間病の床についていて、寝たきりの老人の声を、みなさんにお聞かせしましょう、と言って、電話をし始めました。
そんなかわいそうなおじいさんの声を聞かせて、何がしたいのかなぁ、と不思議に思っていると、電話がつながりました。
先生:「アッサラームアライクム(挨拶の言葉。あなたに平安がありますように)」
おじいさん:「ワアライクムッサラーム(あなたにも)。元気かね?」
とても張りのある、若々しくて元気な声です。
あれ?違う人にかかっちゃったのかな?と思うくらい。
先生:「調子はどうですか?」
おじいさん:「アルハムドゥリッラー。(アッラーを讃えます。)とってもいいですよ。君はどうかね?」
先生:「アルハムドゥリッラー。元気です。あなたのご容態はどうかと思って、お電話したんです。」
おじいさん:「いやー、本当にアッラーに感謝してもしきれないよ。アルハムドゥリッラー。アッラーを讃えます。私にこんな幸せをお与えくださって、本当に私は幸せ者だよ。どれだけ感謝してもしきれないねぇ。アルハムドゥリッラー。」
先生:「あなたのお声を聞くと、私たちのアッラーへの愛が増します。どうもありがとうございます。」
その、人生のすべてに満足して、心の底から喜んでいる、嬉しそうな、幸せそうな声は、25年間、病に犯されて、一度もベットから起き上がれない、指ひとつ自分で動かせない、寝たきり生活をしている老人の声だとは、とてもとても信じられません。
聞いている私たちの目から、涙があふれました。
これが、イスラームのもたらす幸せ、人間の本当の幸せなのでしょう。
何もなくても、感謝して幸せに生きることができるのは、おじいさんが、アッラーを知っているから。
電話の後、先生は、「彼は、この世にいながら、天国で暮らしています。」と言われました。
人の心は、とても大事なもので、それを、この世の物や、お金などの、消えてなくなる、はかないものに忙しくなって、
大事な心を、それらのものでいっぱいにしてはいけませんよ、と先生は言います。
心は、アッラーのことを考えることで、いっぱいにするためのものです、と。
アッラーを讃えるためのものです、と。
心の洗濯ができたような、すっきりした気分で家を出ました。
とても感動したので、ちょっと書きました。
日本でも、本当のイスラームを知って、アッラーを知った幸せな人がたくさん増えますように。
イスラームはすべての人にとって宝物のようなもの、みんながそれを知って、幸せになりますように。
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