「女性の社会進出」と「少子化」は関係があるから、社会保障制度を整えて女性が家庭に閉じこもりやすくしたり、女性の権利を脅かして、少子化を押さえ込もうと言う乱暴な意見が出てきたりする。。。。「社会の発展」「女性の高学歴化」は、少子化を引き起こす要因になる。なぜでしょう。

答えを1つ。
少子化の進んでいる社会に共通しているのは、「妊娠の管理の徹底」と「出産の知識化」である。
妊婦/胎児の健康のために、定期的な健康診断を受けるのは間違っていないし、出産時に起こりうる非常事態に備えて対策をとっておくのも分かる。しかし、「妊娠/出産」は病気ではない。健全な出産で問題がない場合にまで、病院が出産に関わって行くのは良くない。少なくとも、それは「出産費用」を押し上げるし、妊婦/家族に無駄な手間を取らせる。 身内と離れた状態での出産への妊婦の精神的苦痛を唱える人もいる。(科学性は知らん) これは、「女性の社会進出」よりも、女性から子供を持つ機会を取り上げる大きな要因になっている。
学校で命の尊さを教えるために出産についての授業をするのも分かるし、育児/マタニティー関連の本が増えてきたのも良いことだ。しかしそれが、人から「出産の経験を共有してもらう機会」を奪っていないだろうか。知は、人から直接聞いたの体験談ほど真実味を持たない。しかし、知識を持っている人はわざわざ人に聞きに行こうとしないモノだ。特に、一人しか子供を持たない家庭が多い地域では、妊婦同士の間でも、知識が体験のように一人歩きしている可能性も考えられる。基本的に「出産」の経験は、母から娘に代々受け継がれていくものだ。 ところが現代、「時代が違う」という言葉が一人歩きしている。科学が発展しただけなのに、それに伴って「人間」まで発展したと誤解している人達が、「過去の教訓」「先人の経験」をないがしろにしていないだろうか。(若い娘が、母親の意見を聞かないことは問題にならない。母親が娘に話しかけなくなることが問題だ。) 『妊娠/出産の知識化」が人々に(子供を持つことへの)誤解を与えているのなら、それは「女性の高学歴化」以上に、少子化に悪影響をもたらしているだろう。
以上、「少子化を考える」(PHP新書)の主眼でした。

~本全体の内容の質は、そんなに高くなかった~