80ばあちゃんの戯言(2)

聞いてほしくて(つづき)

遠足の思い出

2016-10-29 06:59:52 | 最近の出来事
もう60年以上も前の話になるのですが、長男が小学校

の一年生になった時のこと。遠足には必ず親がついて来

ることと、言われて、二歳の次男を連れて参加しました。

場所は江ノ島でした。確か5月の初で、本当に良く晴れ

上がった日のことです。砂浜でみんなでお弁当をいただ

いている内に、次男は私の膝ですやすやと寝込んでしま

いました。

少し暑くなったなと思っていると、数人の男の子達が海

の中へ入っていきました。

先生が、海へ入ってはいけませんと叫んでおられたので、

ふと見ると、その先頭に長男が居て一番はしゃいでいた

のです。大慌てで波打ち際に飛んでいきましたが、何せ

すっかり眠りこんで重たい次男を抱えているので、海の

中へは入れなかったのです。長男はもうすっかりずぶ濡

れになっていました。

幸い先生のお知り合いの家が近くにあって、重たい次男

を抱えながら先生に教えられた道を、長男を連れてとぼ

とぼと歩いてパンツをお借りしたのですが、見ず知らず

のお宅にご迷惑をかけ、本当に申し訳ないやら、恥ずかし

いやらでしたが、長男をあまり叱るのはかわいそうだとい

う気になりました。

何故なら、私の母が寝たきりになり、長男が一歳半になっ

た時、父に頼まれて、一家で実家に戻ってから、ずっと、

家族で遊びに出ることが出来なかったのです。

昔は日曜だけが休日で、夫は、連日遅くまで仕事をして

いましたので、日曜日は寝てよう日になっていました。

しかも、その前年の秋、やっと、一家で遊びに出かける

ことが出来ると決まって、お菓子などいろいろと支度を

していたことがありました。。

朝からものすごい晴天で、やっと子供達を動物園に連れ

て行かれると私はわくわくしていたのですが、その時

一通のはがきが届きました。

夫の弟のガールフレンドからというものでした。

見たことも聞いたこともないその人からでしたが、文面

は深刻で、その日にご相談に行くからということでした。

本当にがっかりしましたが、夫の大事な弟の彼女からな

ら、どうしても留守には出来ないと、最所は話の後、出

かければいいかと考えていたのですが、待てど暮らせど

彼女は来ず、時間はどんどん過ぎていきました。

子供達も待ちくたびれてしまって、まだかまだかと言い

ましたが、当時は電話がどの家にもある状態ではありま

せんでしたし、はがきには連絡先の住所も電話も何も

書いてなく、投函した郵便局の消印も薄くて

読取れませんでした。

弟はどこかふらついていて捕まりませんので、どうしよう

もなく、ただ、いらいらしながら待っていましたが、結局

夜になっても、その姿は家に現われませんでした。

その後、妹さんが急病になったということを大分経ってか

ら聞きましたが、お詫びの言葉は全くありませんでした。


そんな楽しい経験を一つもしてなかった我が家の子供だっ

たからこそ、嬉しくて、一番はしゃいでしまったのかとも

思えて、長男が可哀そうでたまりませんでした。


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