【パリ=三井美奈】イタリア政府は28日、中国からの渡航者に対し、入国時に新型コロナウイルスの感染検査を義務付けると発表した。保健省は24日以降、中国から伊北部ミラノの国際空港に到着した渡航者の検査を行っており、「イタリア国民を守るため、監視が必要」と判断したとしている。伊紙スタンパによると、26日に中国からの直行便2機の乗客212人を検査をしたところ、97人が陽性と確認されたという。伊政府は、欧州連合(EU)による共通対策を目指し、加盟各国の保健当局と連絡をとっている。 産経新聞
ウクライナ軍高官は28日、露軍の占領下にある東部ルガンスク州の要衝クレミンナから露軍司令部が南東に位置するルビージュネに撤退し、クレミンナの奪還が近づいているとの認識を示した。ウクライナメディアが伝えた。米シンクタンク「戦争研究所」などもクレミンナ方面でウクライナ軍が優勢だとする見方を示したほか、ロシア側も同方面の戦況が「緊迫している」と認めた。クレミンナはルガンスク州の主要都市セベロドネツクの北西に位置する交通の要衝。同州のガイダイ知事は28日、クレミンナを奪還すれば、ルビージュネやセベロドネツクの奪還が現実味を帯びるほか、最激戦地である東部ドネツク州バフムト方面から露軍を分散できるとの見通しを示した。戦争研究所は27日の戦況分析で、ウクライナ軍は9月に奪還した東部ハリコフ州から増援を得て、クレミンナや北方に位置する要衝スバトボの奪還に向けて攻勢を強めているもようだと分析。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)も同日、「ウクライナ軍によるクレミンナの奪還が近い」と報じた。一方、ルガンスク州の親露派武装勢力幹部は28日、「ウクライナ軍が北西、西、南西の3方向からクレミンナに一斉突入する可能性がある」と警戒感を示した。タス通信が伝えた。ルガンスク州は露軍が7月に全域の制圧を宣言。ロシアは9月末、同州の併合を一方的に宣言した。しかしウクライナ軍は秋以降、同州での反攻を進め、12月までに10カ所以上の拠点を奪還したとしている。一方、ウクライナ空軍高官は28日までに、5日と26日に爆発が起きた露南西部サラトフ州のエンゲリス空軍基地から、同基地に配備されていた露戦略爆撃機の大半が別の基地に退避したと明らかにした。ウクライナメディアが伝えた。同基地はウクライナへのミサイル攻撃を続ける露戦略爆撃機の拠点の一つとなってきた。ウクライナは公式には認めていないものの、爆発はウクライナ軍によるドローン攻撃によるものだとの見方が強い。 産経新聞