今年も残すところ、あと2週間ほど。
あちこち出かけた思い出の写真はいっぱいで、整理しているうちに時が流れた。
師走は暮古月ともいう。
「年の終わり頃で過ぎ去る」を示す言葉通り、写真を見て過ぎ去った日々を思い出す。
暦をさかのぼって振り返ろうと、写真帳にして頁をめくってみよう。
「元日」
初詣は、その名が好印象なので和楽備神社へ。
和やかで楽しさ備わる地か。
もとは、室町期に蕨城をこの地に築いて統治した渋川氏が、守り神として八幡大神を祀ったと伝わっている。
明治44年に、この八幡宮に蕨内方々の社を合祀して改称。
神社名は、蕨の偉人岡田健次郎氏の案をもとに、東宮侍講によって命名されたという。
(参考:和楽備神社御由緒)
蕨の城主であった渋川氏は、足利将軍家の一族で、奥州の斯波氏と同族である。
古の先人を通して、この地と故郷の縁を知る。
お詣りの後は、神社内に並ぶ露店を見回った。
ふと、足を止めて連れ合いが欲しがったのは鮎の塩焼き。
神社の露店は縁起物でお賽銭同様、元日から使って良いお金と思って買う。
当方のふるさと東北も鮎の産地あり。仙台は広瀬川が鮎釣り場。
政宗公も鮎好きで、よく捕ったという。
(参考:仙台市史通信23)
関東では、鮎といえば栃木の那珂川。
何しろ、鮎の漁獲量が日本一で、那珂川あゆ街道と呼ばれ有名だ。
なんと子持ち鮎だ。
「落とさないように食べて」と、親切な店主が言う。
炭火で芳ばしい鮎を美味しく食べ、ちょいと店主と立ち話。
元日から嬉し楽しであった。
さて、神社を出ての帰り道は、宵の口に灯り連なる商店街を通る。
足元には、蕨市の象徴が描かれている。
市の木にケヤキというところは多い。
仙台も同じくケヤキだ。とはいえ、共通点を見つけると親しみがわく。
空には満月一歩手前のまるい月。
円満な一年を願う。