メガネの材料に使われる色にも種類があるんです
写真は顔料(色粉)
市販で売られているCANONやEPSONなどのプリンターにも使われるインクにもある染料と顔料。その違いについて調べてみました。
実はメガネ材料セルロースアセテートにも使われています
分かりやすい写真があったので紹介します。
紙に染み込んでいる方が染料
絵の具のように乗っているのが顔料
顔料
- 色彩がはっきりしている
- 水分に、にじまない
染料
- クリア系の発色が良い
- 光の見え方で変化する
- 水分でにじむ
用途によって使い分けます。
しっかりした色を出したい時は顔料
鮮やかな色彩や透明感を出したいときは染料
1849年から創業のイタリアにある老舗のプラスチック製造工場マツケリー。
そのマツケリーが得意な製造方法であるブロック製法には顔料が使われています。
筆記用具の染料と顔料の違いはどうだろう
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溶剤に溶ける着色剤を染料、溶けないものを顔料といいます。筆記具以外では、染料は繊維を染めるために、顔料は塗料や化粧品などで用いられています。
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染料は溶剤に溶け、複数の色を混ぜ合わせることで比較的容易に新たな色を作ることができます。反面、光に長い時間当たると褪せてしまう色が多くあります。
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顔料は溶剤に溶けない物質で、溶剤の中で均一に混ざった状態で筆記できるインクとなります。染料に比べて耐光性や耐水性に優れています。
顔料、染料の歴史
紀元前二万年以上前、古代の人類によって描かれたといわれる、洞窟の壁画。
この時に使われた絵具こそ、顔料の始まりです。
有色の土や木、貝殻などを燃やし、その灰を水や動物の油と混ぜ合わせることで、顔料インクの原形が生まれました。
彼らは、顔料を顔や身体に塗り、占いや呪術にも利用。
このことから「顔に塗る粉=顔料」と呼ばれるようになったという説もあります。
顔料の利用が広まるにつれ、原料となる有色の石や土は、王族や貴族などの権力者が所有する貴重品になっていきました。
その後、17世紀頃になると、顔料を人工的に作り出せるまでに技術が発展します。
一方染料の誕生は、洞窟の壁画よりずっと後の時代。
紀元前1500年頃だと言われています。
地中海沿岸のエジプトやギリシアなどで、貝の身から採れる液体を使い、貝紫という染物を作る技術が発達します。
この液体こそ染料なのですが、約1gの染料を集めるために数千個の貝を要することから、貝紫は帝王紫と呼ばれ非常に貴重なものでした。
またインドで発見されたインディゴ(藍)など、植物染料を使った染色技術も生まれます。
しかし、これら天然染料は産地が限られていたため、国によっては入手が困難。
そこで科学者たちは、人工的に染料を作りだすため研究を続け、その生成に成功します。
コールタールを原料とした、合成染料は1856年のモーブ(紫)、1868年のアリザリン(赤)を始めとし、現在までに1万種以上作り出されています。
鯖江メガネの材料に使われるセルロースアセテートでは
ブロック製法と言われる材料にはいろんな色を織り交ぜる事が多いので他色を干渉しない顔料がほとんどです。べっ甲風やデミと言われるにじませた色彩を表現したいときは染料と使い分けしています。ただし染料を使った材料は接触している材料に色移りするので注意が必要です。
鯖江のメガネに使われるプラスチック材料
プラスチックのことを鯖江の業界用語で生地(きじ)といいます。
イタリアに1849年創業の老舗のプラスチック工場があります。
その工場の名前はマツケリーと言います。
マツケリーで作られる生地サイズは3つあります。
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まとめ
印刷業界に顔料や染料の使い分けは分かるのですが、プラスチックにも違いがあるのは知られていません。
メガネは体に接する部分が多いので顔料が使われることが多いのですね。