胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

collagenous gastritis (2)

2009-04-07 | 胃炎
 組織学的に、collagenous colitisとの共通点は形質細胞・リンパ球と好酸球の浸潤が強く、被蓋上皮下に炎症性コラーゲンが沈着することです。これも基底膜の肥厚ではありませんよ!!H. pyloriがいると話がややこしくなります。
 胃の場合、collagen bandが最表層~腺頸部あたりに形成されます。腺頸部には増殖細胞帯があるので、こんなところが障害されると上皮細胞の更新ができなくなり、胃粘膜が萎縮していきます。つまり、炎症が生じてcollagen bandが出来たところは萎縮し、そうでないところは萎縮せず残ります。こうして、独特の凸凹した結節状というか、敷石状の内視鏡・レントゲン像を示します。私たちの書いたPINや胃と腸をご参照ください。大腸では、増殖帯が腺管の下の方にあるので、この理屈からはあまり萎縮しないと考えられます。
 写真はコラーゲンタイプ3の免疫染色です。炎症性コラーゲンが沈着していることを示しています。テネイシンというのを染めるともっときれいなのですが、切片が剝がれてしまいました。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

collagenous gastritis (1)

2009-04-07 | 胃炎
 collagenous gastritisが送られてきました。久し振りです。この疾患は独逸のChefであるボルヒャルトが欧州第一例目をDr.Qussieが本邦第一例目を報告しました。collagenous colitisは今や「稀な」大腸疾患ではなくなりつつありますが、胃炎の方はまだまだ超レアです。
 欧米の文献では、やはりスプルーとの関連が述べらているものが多く、その点でcollagenous colitisとの共通点が論じられることがあります。本邦の、collagenous colitisは薬剤性で高年者に多いのですが、胃炎は若い人に多い感じがします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする