胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

Group 2

2010-02-18 | 胃癌全般
 今後、「Indefinite for neoplasia, Group 2」と判定するであろう胃生検です。Deeper sectionsも作製しましたが、よくわかりませんでした。腸上皮化生の間に違和感のある変性腺管があり、壊死物質を貯めています。これだけでpositiveとする勇気は私にはありません。内視鏡的にもぱっとしません。(私の施設でも来年度からGroup分類採用の予定です)
 以下、Group 2の説明です。

Group 2:腫瘍性(腺腫または癌)か非腫瘍性か判断の困難な病変
 このGroupには次のような症例が含まれる。このGroupに含まれる診断をする場合は、臨床医に対しては判断の困難な理由を明らかにし、付記することが望ましい。
(1) 異型細胞は存在するが、組織量が少なく細胞異型からでは腫瘍性病変としての判断が困難な病変(臨床的な再検査を行い確定診断が必要)。
(2) 異型細胞が存在するが、びらんや炎症性変化が強く腫瘍か非腫瘍かの判断が困難な病変(臨床的に消炎後再生検を行なうか十分な経過観察が望まれる)。
(3) 異型細胞が存在するが、病理組織の挫滅や傷害が強く腫瘍か非腫瘍かの判断が困難な病変(臨床的な再検査を行い確定診断が必要)。
また、このGroupの診断をつける場合、病理側としては、まずは深切り切片の作製、細胞増殖能やp53蛋白免疫染色などの追加検討を行なう。さらに同一症例の再生検にて本Group診断が続く場合には、専門家への病理コンサルテーションを行うことをすすめる。
コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Trastuzumab, HER2, 胃癌, To... | トップ | 胃底腺型癌、Dr Curry type »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
難しいですね (横這派)
2010-02-22 22:26:04
確かに難しいです.でも化生腺管とその隣のしょぼくれ腺管の組み合わせは奇妙です.癌に1票投じたいと思います.内視鏡所見とp53過剰発現の結果をお教え頂けると幸いです.
返信する
Unknown (Chie)
2010-02-26 13:20:10
遠隔診断:変成腺管で、深切り標本作製で追跡したいと判断しました。さて....
返信する
Unknown (Dr Qussie)
2010-02-26 20:46:27
横這い派さま、Chieさま
いつもご来室ありがとうございます。本例の答えはまだ出ておりません。
今後、このような癌の可能性を含むものがGroup 2というカテゴリーに入るという点に注意していく必要があり、くれぐれも数字が一人歩きしないようにしたいものです。
返信する

コメントを投稿

胃癌全般」カテゴリの最新記事