皆様ごきげんよう。今日は地元のお祭りで、11時頃、山車が鳴物入りで近くの道路を練り歩く音で起こされました黒猫でございます。何曜だと思ってるの?(まだ寝てるほうがおかしいという発想がない)
そのあと母校の中学校のブラスバンド部のパレードがあった(※わたしOGです)んですが、いやぁ、淋しいもんでした。人数減ったってレベルじゃねえぞ。「パレード」と形容していいものか躊躇われる列の短さ。あの人数でマーチングバンドの活動はできているんでしょうか。それ以前に合奏できる人数いるのか。
わたしがいた頃は全国大会に行くレベルで、それなりに有名だったんだけどねぇ。100人くらい居たし。その分文化部なのに異様にスパルタでしたが。少子化のせいなのか、あの厳しいノリについていける中学生がいないのか、あるいはその両方なのか。
懐かしいね。懐かしいけど戻りたくはないね(笑)。夏休みとかマジでキツい思い出しかないです。この時期はパレードの練習もしたなぁ。道を曲がる時、外側の位置だと大股で歩いて横の列と合わせなきゃいけないから辛いんだぜ。わたしのやってた楽器重かったしなぁ。
わたしの青春、ブラバンで終了してたな・・・。(遠い目)
それはさておき、今日は本の感想を。こないだ「面白かった」とちらっと書いたやつです。
『夢の彼方への旅』(エヴァ・イボットソン著、三辺律子訳 偕成社)
舞台は20世紀初め。イギリス人の少女マイアは、ロンドンの寄宿学校で暮らしていたが、両親を事故で喪い、ブラジルに住む遠い親戚のカーター家に引き取られることになる。新たに雇われた家庭教師・ミントン先生と共に、マイアはブラジルへと向かう船に乗る。学者だった両親ゆずりの好奇心と前向きな心を持つマイアは、不安を感じながらもブラジルでの新生活に期待を寄せる。
船の中で旅芸人の少年・クロヴィスと仲良くなり、いつもしかつめらしいミントン先生とも少しだけ打ち解けるが、ブラジルに着いたマイアを待ち受けていたのは予想とは全然違う親族だった。
カーター家の人々は明らかにマイアを歓迎しておらず、年の近いふたごにはいじめられ、挙句に外に出るのを禁じられたマイアは鬱屈を募らせる。
そんなある日、クロヴィスが出演する舞台を見に行くのを禁じられたマイアは、独力で劇場のある街へ向かおうとして道に迷い、インディオの少年に助けられるが・・・?
というようなお話。
久々の当たりを引いた感じでした。面白かった☆
ジャンルとしてはYAですが、大人も十分読めます。YAでもどちらかというと中学生~くらい向きかな。
女の子が主人公でこういう冒険要素の強い話というのは珍しいと思います。舞台がブラジルというのも目新しい。
主人公マイアのキャラクターが魅力的です。両親を亡くし、よく知らない先生と見たこともない親族と付き合わなくてはいけないのに、常に前向き。苦難にあってもめそめそ泣いたりはしないで行動するところも勇ましくて好印象です。
マイアはブラジル行きの船の中でクロヴィスという少年と知り合うんですが、むしろこの子がめそめそキャラで、言動に若干イラっとします(笑)。でもこの子も物語後半では成長していい感じになりますが。
もう一人重要なキャラクターとして、マイアがブラジルに渡ってから知り合うフィンという少年がいるんですが、この子もいい。実年齢よりずっと大人びていますが時に迷ったりするところとか、やきもちをやいたりするところとか、とても人間的で魅力的。
でも魅力的といえばやはり何よりミントン先生でしょう。もう大好き。この作品の登場人物の中で一番好きです。一見そっけないタイプの人なんですが、ツボを抑えてやるときはやる。ちょっと皮肉屋なところもニヤリとさせられていい。物語後半では可愛らしさすら感じてしまいます。家庭教師はこうでなくちゃね。
とにかくいろんなことが起きて、最後の最後までぐいぐい読ませます。
そして幸せな読後感。流石ガーディアン賞受賞作だけあります。
かなりおすすめです。