皆様ごきげんよう。あっという間に連休が終わってしまい、せつない限りの黒猫でございます。でもこの連休は『マッハ!弐』も観に行ったし、セールも行ったし、そこそこ有意義だったかな。
で。
お待たせしました、今日は『マッハ!弐』のレビューを。
公開初日の初回に観て参りました。
東京唯一の公開劇場、新宿シネマスクエアとうきゅう。
アユタヤ王国による侵略が進むタイ。
東の王国の国王の息子・ティン(トニー・ジャー)は、家臣・ラーチャセーナによるクーデターのため父母を惨殺される。家臣の手引きにより追っ手からの逃亡を試みたティンは、「ガルーダの翼峰」という山賊のリーダー、チューナン(ソーラポン・チャートリー)に救われる。ティンは山深いガルーダの翼峰の集落で、村の男たちからあらゆる武術を学びながら成長する。
あらゆる武術の修行に明け暮れて長じたティンは、組織内での最終試験にことごとく勝ち、いずれチューナンに代わって組織をまとめる者として認められる。
ティンはリーダーとして初めての襲撃にも成功するが、王子だった頃の思い出がことあるごとに脳裏をよぎる。父王の命で嫌々行った踊りの稽古先で出会った少女との楽しい日々、そこから帰る途中での家臣の裏切り、そして父母の惨殺。
山賊としての日々を送りながらも、ティンはかつての日々を奪った仇敵への恨みを忘れたことはなかった。
そんなある日、ティンは仇敵・ラーチャセーナが自らを王と称し、新王朝を設立して即位式を行うことを知り、単身即位式に乗り込むが・・・?
というようなお話。
今回のあらすじはかなりパンフ(公式サイトのあらすじと同文)を参考にさせて頂きました。
いやぁあのね、設定は古式ゆかしい復讐譚という感じでとてもいいと思うんだけど、どうにもわかりづらい。日本語字幕ついてたのにわかりづらい(笑)。
その原因のひとつとして、ティンの少年時代と山賊見習い時代のシーンがかなり頻繁に入れ替わるというか、時系列がバラバラな点が挙げられると思います。オープニングは家臣との逃亡シーン(少年時代)、しばらく続いたかと思ったら、唐突に成年のティン(トニー)が象の群れに挑んでたりするからね。
映画に回想シーンはつきものかとは思いますが、これはやりすぎかと。わたし家と映画館で一度ずつ見てようやくわかった感じだもん。全部時系列順にするか、時系列シャッフルをもっと減らしたほうがよかったと思います。
あと、最大のストーリーの難所がラスト。これは多分観た人全員が思うと思います。「これで終わりかよ」と。あんまりな終わり方でした。
字幕つきを観に行く前にタイ語版DVDで予習した時点の日記で、「ラストがイミフ(=意味不明)」ということを書きましたが、字幕あってもイミフでした。
え?え?え?ちょ、何それ。という感じ。
ネタバレになるので具体的には書きませんが、「そんなこと言われてもさぁ」という感じでした。ストーリーの最大の山場、父母を殺した男の正体はともかく、動機もよくわからないまま終わったしなぁ。なんかお金だけじゃないってのを匂わせていただけに、謎が残ります。ヒロインの扱いも雑すぎる。あのあとどうなったのよ。ほったらかしじゃね?あの子がいないとメインキャストに女性がほぼゼロだったから、付け足したっぽい感じがします。
やっぱ制作期間かお金か何か足りなかったんじゃないのかなあ。少なくとも脚本はヤバいと思うよこれ。
トニーが監督を務め、原案とかすべてに関わったそうですが、最初からこういうエンディングだったなら、周囲は問題点はちゃんと指摘すべきだと思うよ。それともタイ的にはこれでよかったのかしら・・・。
まあ、ストーリーは置いといて。
アクションは今回もすごかったです。
今回はムエタイだけではなく、剣あり槍あり三節棍ありとバラエティに富んでいて、見ごたえがありました。今回も変な外人いっぱい出てたけど(笑)。日本人らしき武士っぽい人とか、中国拳法の使い手とか、レスリングっぽい人とか。そもそも山賊村で師となるチューナンからして、タイ人の服装じゃない気がします。ターバン巻いてるし、得物は偃月刀タイプだし、イスラム圏な感じ。でもこの俳優さん
渋くて素敵でした(笑)。パンフによるとタイの大物俳優さんだそうです。次回の渡泰時にはこの人の作品探そうと思います(笑)。
でもトニーはやっぱムエタイが一番光ってるよね!素敵だったわー。
あと今回も台詞はそれほど多くはなかったけど、演技力が上がったと思います。いいよトニー。
今回、時代モノということで、ファンタジー要素なのか、敵役として虎っぽい吼え声の女とか鴉男とかが出てきたのがちょっと謎。しかも鴉男はダン・チューポン(『七人のマッハ!』主演)だったのね。フード被ってるし顔あんまりまともに映らなくてわかりませんでした。
俳優つながりで、『マッハ!!!!!!!』にトニーの相棒として出演していたペットターイ・ウォンカムラオもちょっとだけ出演していました。特別出演的な枠なのかな?ホントちょっとだけ。
全体的には、ええと、トニーファン・アクションファンには激しくおすすめ。ストーリー重視派にはおすすめできないかなぁ、と思います。
ちなみに『マッハ!!!!!!!!』を観ていなくても全く問題ありません。ストーリーはつながってませんので。