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4‥終わりのない風景

2012-08-13 | 諸行無常…let it be
駅前通りの角を曲がるとそこに、かつて、小さな飲み屋がありました。

薄い灯りが覗くだけの安い作りのこの店からは、数え切れないほどの幸せが夜空に輝いたそうです。

飲み屋のこぼれ話ほど、尾鰭をつけ安いものはありません。

話半分腹八分目、あとはあなたが尾鰭をつけてください。


愛を知らない男がいました。

夢を忘れた女がいました。

二人が出会ったのは、午前0時を過ぎたあたりの小さな酒場でした。

最終電車に乗り遅れたことで、二人は互いを始発まで伝えあいました。

夏の終わりのある日のことです。

素直になれない女が静かに微笑を浮かべました。

いつもは、無邪気にヘラヘラ笑うだけの男が、今日は、じっと黙ったままでした。

二人は見つめあっていました。
それは、街の外れの
黄昏時の小さなホテルにて

寂しくないかと男が囁き問えば
愛しているわと女はただ繰り返すばかりでした。

不器用な二人は一生懸命でした。

女は、もう一度だけ夢を見たいと祈りました。
男は、愛しているんだと誓いました。

まだ間に合うかもしれない。

最終電車に