駅前通りの角を曲がるとそこに、かつて、小さな飲み屋がありました。
薄い灯りが覗くだけの安い作りのこの店からは、数え切れないほどの幸せが夜空に輝いたそうです。
飲み屋のこぼれ話ほど、尾鰭をつけ安いものはありません。
話半分腹八分目、あとはあなたが尾鰭をつけてください。
‥
愛を知らない男がいました。
夢を忘れた女がいました。
二人が出会ったのは、午前0時を過ぎたあたりの小さな酒場でした。
最終電車に乗り遅れたことで、二人は互いを始発まで伝えあいました。
夏の終わりのある日のことです。
素直になれない女が静かに微笑を浮かべました。
いつもは、無邪気にヘラヘラ笑うだけの男が、今日は、じっと黙ったままでした。
二人は見つめあっていました。
それは、街の外れの
黄昏時の小さなホテルにて
寂しくないかと男が囁き問えば
愛しているわと女はただ繰り返すばかりでした。
不器用な二人は一生懸命でした。
女は、もう一度だけ夢を見たいと祈りました。
男は、愛しているんだと誓いました。
まだ間に合うかもしれない。
最終電車に
薄い灯りが覗くだけの安い作りのこの店からは、数え切れないほどの幸せが夜空に輝いたそうです。
飲み屋のこぼれ話ほど、尾鰭をつけ安いものはありません。
話半分腹八分目、あとはあなたが尾鰭をつけてください。
‥
愛を知らない男がいました。
夢を忘れた女がいました。
二人が出会ったのは、午前0時を過ぎたあたりの小さな酒場でした。
最終電車に乗り遅れたことで、二人は互いを始発まで伝えあいました。
夏の終わりのある日のことです。
素直になれない女が静かに微笑を浮かべました。
いつもは、無邪気にヘラヘラ笑うだけの男が、今日は、じっと黙ったままでした。
二人は見つめあっていました。
それは、街の外れの
黄昏時の小さなホテルにて
寂しくないかと男が囁き問えば
愛しているわと女はただ繰り返すばかりでした。
不器用な二人は一生懸命でした。
女は、もう一度だけ夢を見たいと祈りました。
男は、愛しているんだと誓いました。
まだ間に合うかもしれない。
最終電車に