<プーチンのウクライナ侵攻に対する欧米諸国の制裁で、ロシア国内のインフレ率は急上昇。
食生活に欠かせない卵を少しでも安く買うために並ぶ人々の姿がSNS上で話題になっている>
ロシアでは、家庭の必需品である卵が手に入らず苦労している。
原因はインフレと輸入コストの上昇だ。
<動画>まるで旧ソ連、卵を買うために長蛇の列を作るロシア人
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ロシア統計局のデータを引用したロイター通信によれば、ロシアの卵の価格は今年に入ってから42.4%上昇した。
ロシア統計局のデータを引用したロイター通信によれば、ロシアの卵の価格は今年に入ってから42.4%上昇した。
専門家によれば、価格の高騰は、ウクライナ戦争以降、西側諸国がロシアに科している経済制裁の間接的な結果といえる。
ウラジーミル・プーチン大統領が始めたウクライナ侵攻に対する国民の支持率も低下している。
ソーシャルメディアには、ロシア人が屋台で卵を買うために長蛇の列を作る動画が投稿されている。
スーパーで売られている卵は高いからだ。
冬用のコートや帽子を身にまとい、うっすらと雪が積もった小さな屋外マーケットで列に並ぶ市民の動画はXで共有され、ロシア語放送局『カレント・タイムTV』でも11日に放送された。
別の動画には、セミトレーラー・トラックの荷台から卵を買おうと長蛇の列を作る人々の姿が映っていた。
ロイター通信によると、ロシアのスーパーマーケットで売られている卵の価格は、小さな市場の2倍以上になることもあるという。
〇悪夢のような物価上昇
南部の都市ベルゴロドでは、スーパーでは10個150ルーブル(1.67ドル÷10=0.67ドル/個=0.67×¥140=/個=¥93/個)で売られている卵を、10個65ルーブル(0.72ドル)で買うために、人々が小さな市場で列を作ったという。
モスクワ在住のエリザベータ・シャラエフスカヤは11日、フランスの通信社AFPの取材に答えて、高騰する物価に「ぞっとする」と語った。「この物価上昇は、悪夢です。卵だけでなく、あらゆるものの値段が上がっている」
21歳の学生、イリヤ・ザルビンはAFPの取材に対し、「以前は70ルーブルあれば卵が買えた。今では130~140ルーブルもする」と語った。
モスクワを拠点とするペトロバ・ファイブ・コンサルティング社の最高経営責任者マリーナ・ペトロバは、カレント・タイムTVの取材に対し、卵の価格上昇は、欧米の経済制裁によるニワトリ向けの飼料と医薬品の価格上昇が原因だと語った。
ロシア経済開発省は13日、生活必需品の在庫不足にあえぐ小売り店を支援するため、2024年明けから半年間、卵の輸入にかかる関税を免除すると発表した。輸入は「友好国」、つまりロシアに制裁を科していない国からしか認められていない。
ロイター通信によると、同省は「この決定は短期的に国内市場における卵の需給バランスを改善し、供給の増加につながるだろう」と述べている。
プーチンは、国民の経済的苦境に「驚いている」と述べ、世界で最も経済制裁を受けているにもかかわらず、ロシアの経済は好調だと主張した。
だが11月のロシアのインフレ率は7.48%に達した。ちなみに同月のアメリカのインフレ率は3.1%だった。