高齢者の暮らし、あれこれ

親の介護が一段落し、介護予備軍の夫との日々

認知症の第一人者が認知症になった

2024-07-22 09:14:00 | 日記
認知症第一人者の長谷川和夫先生。 👨‍⚕️
先輩から言われた言葉があった。
「君自身が認知症になって初めて君の研究は完成する。」

“痴呆” を「認知症」と変え、患者さんの尊厳を守った。
デイサービスを推奨し、介護者の負担を軽減しようとした。
で、
ご自分が認知症になって、認知症者の気持ちを講演して回った。🗣

先生は、『不確かさ』がある、と言う。
が、全てが不確かさではなく、確かで変わらない事も多い。
言葉が出なかったり、聞かれたことに答えられないのは、
言葉が出てこないのではなく、
「こう言っていいものか?」という不確かさに不安になっている、と言う。

そんな先生は、
80を超える奥様の為を思い、デイサービスへ行く。
デイサービスでの先生の表情は、沈んでいた。
で、「行きたくない。」と言い出す。
「介護者のためにとデイサービスを作ったのは、お父さんよ。」
娘さんの言葉に、「・・でも、行きたくない。」

先生は、高齢者施設に体験宿泊をする。
が、すぐに「帰りたい。」
認知症になって初めて分かる患者の気持ちだろう。

その後、奥様と穏やかに過ごす様子が映し出された。
介護者の大変さはあまり出なかった。
先生は車椅子での移動になっても、講演会でお話を続けられているようだった。
奥様や娘さんのご苦労は、分からない。

認知症に素人の私だが、
認知症の夫への対応は、間違っていないと確信した。

夫を不安にさせない。
夫を不機嫌にさせない。
「分からない事があったらなんでも、何回でも聞いて」と言い、決して怒らない。
認知症を悲壮と思わない。「忘れちゃったの?アルツハイマーだからしょうがないね。
周りに、「アルツハイマーだから、よろしく!」と公言する。

『言うは易し、行い難し』
夫の認知症で、この言葉が身にしみて実感した。

  



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする