朝日に輝く、二日目のガルペ。
二日目は右膝のMRI検査でした。今回、機械に入るのは足だけで、上半身は外。これならば閉所恐怖症の人でも耐えられるでしょう。しかし音は相変わらず、ピーピーガッガッガとすさまじいです。あの音のリズムに合わせて自分の体に磁力線が走り、輪切りの映像が撮影されているなんて考えると、磁力線は本当に体に悪くないのか? あと50年ぐらい経って、「あの頃は磁力線なんか浴びてたなんて、信じられない!」なんて事にならないのか? と心配になってきます。秦の始皇帝は、不老長寿の薬だと信じて、水銀を飲み続けていたらしいです。
まあ体の中が丸見えになるぐらいなのだから、相当強力な磁力線なんでしょうね。だったら、ピップエレキバンの超強力バージョンなんだから、ちょっとは膝もよくならないのかね。よく考えたらこれ、高額だけど、治療じゃないんだよね。治療にお金をかけるのは、ある程度納得できるけど、検査にお金がかかるのは、何とも、貧乏人には解せない話です。
検査が終わり、妻とリハビリも兼ねたお散歩がてら、どこかで昼ご飯を食べようという事になりました。お、久々の夫婦での外食だ、と私はちょっとしゃれたイタリアンか、焼き肉ぐらいでどうだろう。と思ってたのですが、我が家の財務大臣は松屋に直行、夫婦で牛丼ランチとしゃれこみました。 痛い脚を押して、わざわざ歩いて、松牛。いいでしょう。それこそが現実。それこそがリアル。 流行りのイタリアンやこじゃれたサラダバールなんかよりも、ずっと瀟洒な味がする。
私は未成年の昔から、麺類と牛丼はゆっくり食えないという、重篤な病を患っておりまして、この日も、大盛り牛丼を一分半ほどで平らげてしまいました。平成世代の諸氏も、牛丼はこれぐらい綺麗に食べてほしいモノです、という意味も込めて、あえて食べ終わった後をアップしました。 ちょこちょこ残っているのは、私のあまりにもアグレッシヴなチョップスティックワークに付いてこられず、テーブルに落ちた飯粒たちで、決して食べ残したわけではありませんよ。
今週のはじめぐらいから、左肩の状態が非常に悪く、パソコンワークもままなりません。今朝は妻と二人、奈良の仏像を紹介する番組を見ていました。夫婦並んで、無言で仏像を観ていたんです。私は関西出身にもかかわらず、奈良をほとんど知りません。京都よりも古い奈良。私は個人的には京都より奈良に魅力を感じます。だから、どうせ暇で、どうせやる事もなく、金もないなら、半ば開き直って家族で奈良に旅行に行って、そこで国宝の薬師如来像さまに、お手持ちの薬瓶から、両膝、両肘、首に、ちょちょん、と薬をつけてもらった方が、早く治るんじゃないか。なんてことを話して笑っていました。自嘲的な笑いです……。
さあ、明日はいよいよ最後の左膝。これで私の両膝の、いったいどこがどう壊れて、何処からこの痛みが発生しているのか、いよいよその謎のベールがはがされる時が来ます。 多分……。