『球辞苑』という番組が、今は一番好きです。
以前ここでも紹介したのですが、この番組は、野球に関する様々なテクニックを項目ごとに、実際のプロ野球選手やコーチに細かく解説してもらい、つまり、『~とはなにか』、という『~』について言及するというモノ。これがすごく面白い。
今日見たのは『三遊間』でした。野球に興味のない人にはわかりにくいかと思いますが、『三遊間』とは三塁とショートの間の事を表します。三塁、ショートについては後程、時間の許す限りで説明します。
まず野球は9人1チームで戦います。一回を表と裏に分け、それを9回繰り返して勝敗を決します。
『表』とは先に攻撃する方で『先攻』といい。『裏』とは後に攻撃する方で『後攻』といいます。サッカーやアイスホッケーとは違い、野球は初めから攻撃と守備の順番がルールではっきりと分別されているんですね。だから一方のチームが攻撃する時はもう一方のチームは守るのみなのです。
攻撃側の選手は順番に一人ずつ、相手チームの投手、ピッチャー(グランドの真ん中に立ってボールを投げる役割の人)が投げた球を、バットという棒で打ち返すべく『バッターボックス』という、白線で区切られた矩形の枠の中に立ちます。この役割の選手を『バッター』といいます。バッターがバッターボックスをはみ出して打った場合、それがどこに飛ぼうが即、アウトになります。
ピッチャーは、打ちやすい、もしくは打てて当然でしょ、という場所にボールを投げ込みます。当然、バッターはその球を狙って打ち返すわけですが。ピッチャーにとっては打ち返されたくはないわけです。これも後々説明しますが、あまり打たれ過ぎるとルール上、負けてしまうからです。だからピッチャーは、出来るだけ、打てるコースに投げながらも、打たれないようにしなければならないのです。そこがピッチャーのジレンマなのです。
逆にバッターは、このピッチャーがたとえどんな球を投げてこようとも、必ず打ち返すことが必要なのです。あまり打てな過ぎると、アウトになり、これもまたルール上、勝てないからです。だから打てないような球も、場合によっては打たなければならないのです。そこがバッターのジレンマなのです。
そこで、ピッチャーとバッターを同じ条件にするために、打てて当然、もしくはよく工夫すれば打てるはずのコースに投げられた球を『ストライク』、こりゃ、打てないわ、打ったところで大したとこには飛ばないわ、というコースを外れたボールを『ボール』とし、ストライクは3回でピッチャーの勝ち、ボールは4回でバッターの勝ちと、ルールを決めたのです。
打たれるのが怖くてボールを4回も投げてしまったらピッチャーの負け。工夫すれば打てる球なのにヘタクソで打てない、もしくは打てない球なのに無理に打とうとして空振りするのが、合計3回続けばバッターが負けです。打ち損じて外に出てしまったボールも空振りと同じストライクに数えられます。ただし、打ち損じの場合は2ストライク以上はカウントされません。打ってるんだから、それなりに評価してよろしかろう、という事でしょうか。
そうしてバッターが負けたら1アウト。それが三回積もれば、3アウト。これで攻撃守備が交代になります。打っていたチームの選手たちは、今度は守備に就かなければなりません。
ピッチャーがバッターに対して、ストライクにせよ、ボールにせよ、ごく狭いエリアにボールを投げなければならないのに対し、バッターは広い球場のどこにでも好きな場所に打っていいわけです。たとえ観客席にボールが飛び込もうとも何のお咎めもありません。だから当然、ピッチャー一人ではバッターの打ったボールを取りに行く事は出来ません。だから守備には多くの人間が必要なのです。それが、『内野手』『外野手』『捕手』と呼ばれる守備に就く選手たちです。
守備は、投手(ピッチャー)、捕手(キャッチャー)、一塁手(ファースト)、二塁手(セカンド)、三塁手(サード)、遊撃手(ショート)、左翼手(レフト)、中堅手(センター)、右翼手(ライト)の9人で、本塁から左右平等に90度の角度で伸びる線(ファールライン)の内側に来たボールは、必ず急いで取って処理しなければなりません。
バッターはそんな大勢の守備の選手の誰にも取られない場所を狙って、ボールを打ち返さなければなりません。さらにバッターはただ打ち返せばいいのではなくて、打った球が守備の選手に取られて、それが自分が目指す塁まで投げ返される前に、その塁まで走って到達しなければ、せっかくいいところにボールを打ち返しても何の意味もなくなってしまいます。何の意味もないばかりかアウトを一つ、相手チームに献上してしまう事になります。
だから、バッターはボールが……、あ、湯たんぽが湧きました。じゃあ寝ます。
明日が皆様にとって、最高の一日になりますように。おやすみなさい。