第99回全国高校ラグビー大会が27日、東大阪市の市花園ラグビー場で開幕する。大阪代表の3校はいずれもシードされ、30日の2回戦から登場する。東海大仰星(大阪第3)は熊本工(熊本)と関商工(岐阜)の勝者、常翔学園(大阪第2)は大分東明(大分)と飯田(長野)の勝者、大阪桐蔭(大阪第1)は鹿児島工(鹿児島)と茗渓学園(茨城)の勝者とそれぞれ対戦する。(山田健悟)

 

選手の個性発揮、連覇狙う 大阪桐蔭

 

 昨季、初めて花園を制した大阪桐蔭は8大会連続14回目の出場。チームスローガンは「継続」。優勝を経験したメンバーも残り、連覇を見据える。

 

 チームを引っ張るのは、フランカーで20歳以下日本代表にも選ばれた奥井章仁主将(3年)。昨季もメンバー入りして全国制覇も経験したが、「昨季以上に個性が強いメンバーがそろった」と語る。

 

 フィジカルを生かした接点での強さは健在。その上で、いかに選手の個性を生かせるかが鍵になりそうだ。綾部正史監督(44)は「勝ちに向けて選手の個性が発揮できるようにしてあげたい」と話す。

 

負けから学び、攻めを強化 常翔学園

 

 常翔学園は5大会連続38回目の出場。全国制覇5回の強豪校だが、2012年度以来頂点から遠ざかる。

 

 今年3月の近畿大会で御所実(奈良)に負けたことが、チームに一層の奮起を促した。野上友一監督(61)は「技術や攻め方の部分で未熟さが出た」。攻撃が単調になり、相手に封じられた。

 

 反省を生かし、春以降攻めのバリエーションを増やしてきた。持ち前のFW戦の強さとうまくかみ合えば、7年ぶりの優勝も見えてくる。為房慶次朗主将(3年)は「優勝を狙えるチームになった。最後まで攻め抜いて、絶対に優勝したい」。

 

意識改革、教室で戦術指導 東海大仰星

 

 17年度に全国の頂点に立ちながら、昨季は全国大会に届かなかった東海大仰星は2大会ぶり19回目の花園を勝ち取った。

 

 湯浅大智監督(38)がこの1年で注力したのは、コーチングならぬ「ティーチング」だ。グラウンドでの技術指導のほかに、教室で選手たちに戦術について教えたり自ら語らせたりすることで、戦術理解度や判断力を高めてきた。

 

 選手たちの意識も変わってきた。松井翔主将(3年)は「他の選手ができていないことをきちんと指摘するようになり、チーム全体がレベルアップできた。昨季の悔しさをバネに優勝を目指す」。