植物由来で高栄養 米国発スーパーフード、日本でも
2015年11月3日05時00分
「スーパーフード」をご存じですか? ビタミンやミネラル、アミノ酸などの栄養素を多く含む植物由来の食品で、10年ほど前から米国で広がりました。日本でもココナツオイルのブームなどを経て、スーパーやコンビニの棚に並ぶようになってきました。
たとえば「スピルリナ」。藻の一種で大豆よりたんぱく質を多く含み、スムージーやパン生地に混ぜて食べる。スプーン1杯(4グラム)の粉末で、1日に必要な緑黄色野菜120グラムと同等の栄養がとれるという。
ローソンは9月、エゴマ油にも含まれ、健康に役立つ脂質のオメガ3脂肪酸や、食物繊維が豊富な「チアシード」入りのスムージーを全国で発売。イオンは、ポリフェノールが豊富な「アサイー」入りのヨーグルトを売り出した。
スーパーフードはもともと、1980年代に米国やカナダの医師たちが予防医学などの観点から注目した食品だ。2000年代に米国のセレブたちが美容や健康のために取り入れ始め、日本でも女性を中心に知られるようになった。
日本スーパーフード協会の勝山亜唯美(あゆみ)理事は「サプリメントや薬に頼らず、食べ物からきれいに、健康になりたいという日本人が増えている」と分析する。
関心の高まりを受けて新商品の投入が相次ぐ。
アサイーの輸入販売で知られるフルッタフルッタ(東京)は9月、スーパーフードを使ったチョコやアイスを相次いで売り出すと発表。「食生活にとり入れやすい商品を増やす」(長沢誠社長)と意気込む。
ブルボンがココナツを使ったポップコーン、大塚食品がチアシードを使ったビスケットを売り出すなど、食品メーカーによる商品開発も広がってきた。
流通各社は品ぞろえの強化に動く。輸入食材に強いスーパー「成城石井」は今年、全130店舗にスーパーフード専用の棚を設けた。直輸入や自社企画の商品を並べ、関連商品の9月の売上高は1月より4割増えた。各店の従業員が本部に集まって商品知識や料理法を学ぶなど、需要の掘り起こしに躍起だ。イオン傘下のダイエーは、新型店にスーパーフードを多く扱う専門店を構えた。
ただ、こうしたブームには課題もある。国や公的機関によるスーパーフードの定義がないため、消費者がよく分からないまま手に取る可能性がある。4月に始まった、食品の健康への効能を企業の責任で示せる「機能性表示食品制度」を使うこともできるが、このままでは「名乗ったもの勝ち」にもなりかねない。
勝山理事は「スーパーフードの品質に関する第三者的な認証が大切だ。協会としても、優れた商品を推奨するなどしていきたい」と話す。同協会は、代表的なスーパーフードをホームページ(http://www.superfoods.or.jp/)で紹介している
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