日本人はいつから道義より利益を優先するようになってしまったのだろうか?
一昨日のことだが、家族とテレビ番組を見ていて考えさせられてしまった。番組とは、TBSの中居正広の金曜日のスマたちへ(www.tbs.co.jp/kinsma/)で、「森進一」特集である。件の川内康範氏との一件の「真相」を森進一側*から放送するのである。(*森進一側とは森進一氏個人ではなく、取り巻きや森氏の仕事によって食べている人間や組織・会社等全体を指す。以下 森側 とする。)
第一にこのような番組が必要なのか?
この番組はだめ押しである。死者に鞭を打っているといえる。
川内氏は作詞家として「お袋さん」の改変に抗議して歌唱をを禁止した。初志貫徹であると述べたまま亡くなった。川内氏は森側に道義を問うているといえる。これが死者の意志である。
その後、弁護士の息子が出てきて、父は許していたに違いないと述べて森側に歌唱許可を与え、紅白歌合戦にこぎ着けた。常識的に考えて、許されるのはここまでである。歌唱禁止が森側のビジネスに深刻な影響を与えていたのは間違いないので、何とかしたいというのも人情だろう。しかし追加の番組を作る必要がどこにあるのだろうか?番組が視聴率を稼ぐだろう事は想像できるが、全く理解できない。死者に鞭を打つなど、伝統的な日本人のメンタリティではない。
第二に惨憺たる我が親世代の反応である。
もともと番組を見るつもりではなかったが、親の希望で視ることになった。内容が期待通りだったので、番組中に森側がいかに川内さんに非礼なことをしてきたか話していたら、怒り出した。やはり知らなかっただけなのかと思いきや、森進一が「お袋さん」を歌えるようになってよかったと思っていたのに何を無粋なことをいうのかという怒りだった。気分を害したのかチャンネルを変えてしまった。(TBSさん営業妨害でした、申し訳ない)
もしかすると日本の平均的なこの件のとらえ方は似たり寄ったりなのだろう。川内さんはただの頑固ジジイとでも思われているのだろうか。それはあまりに悲しい。
芸能・放送業界が拝金主義なのはわかっているが、視聴者の方もこの有様である。日本人はもうだめなのかもしれないと、考えてしまったのである。
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