春なると市場やスーパーに菜の花が並びます。最近では少なくなった旬のものです。菜の花はうまいです。ほろ苦さがたまりません。人間は本来苦みは嫌いな味のようですが、食べているうちに「うまい」苦みに気がついてきて、やみつきになったりします。特にこの菜の花の和え物は最高です。
啓蟄は英語で Insects Awaken と表現されますが、虫が冬眠から覚めて、動き出す頃ですね。
先日ベランダで虫がでで、妻が植木鉢に水やりをしなくなりました。これも啓蟄ならではですね。
勤務先の近くのとんかつ屋で食べた「ねぎかつ重」は実に感慨深い食べ物でした。
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単にご飯の上に青ネギを散らし、とんかつを載せて、割り下風のタレをかけて、わさびを添えたものです。もちろん美味しく頂きましたが、その料理の成り立ちについて少し考えてしまったのです。
僕は東北の出身なので、かつ重・カツ丼といえば2つの料理が頭に浮かびます。一つ目はもちろん卵でとじたカツ丼で、二つ目はソースカツ丼です。ソースカツ丼とは北関東や東北で食べられている「カツ丼」で、ご飯の上キャベツを散らし、とんかつを載せて、ウスターソースをかけた、いうならばとんかつ定食をどんぶり一つに盛ったものです。関西では馴染みがないかもしれません。
この、ねぎかつ重はどうもソースカツ丼と形態がよく似ていると気がつきました。キャベツを青ネギに、ソースを割り下替えればほぼ同じです。
そしてもう一つ気がつきました。キャベツを青ネギに、ソースを醤油ベースのタレに替える料理がもう一組ありました。お好み焼きとネギ焼きです。ネギ焼きは関東ではあまり馴染みがないかもしれませんが、関西では必ずお好み焼き屋にある定番料理です。
「ねぎかつ重」はもしかするとソースカツ丼を見た関西人の料理人がお好み焼⇒ネギ焼き展開したものなのかもしれません。食は万里を超えるものなのですね。