2022/7/5付ブログ「水害から2年、球磨川沿いの国道219号の復旧状況は?」の続きです。
結論からいえば、国道219号の八代市街地から大野大橋の間の一般車両通行止め扱いの解除のめどは全く立っておらず、少なくとも2024年までは続くようです。
上記ブログで紹介した「令和2年7月豪雨復旧・復興本部会議(第10回)の資料」の3ページ目(資料1の2ページ目)を見ると、「8.国道219号をはじめとした道路・橋梁の創造的復興」のうち国道219号については、「国の直轄代行による本格的な復旧工事」の令和5年度末時点での到達イメージは「創造的復興に向けた工事の着手・実施」とあり、矢印もまだ先に続いています。つまり、2024年4月の時点では、本復旧の完遂は困難ということです。確かに、対象区間が20kmにも及び、道路かさ上げなど工事も大規模ですし、河川改修と一体で進めねばなりませんからね。
気になるのは、一般車両通行止め扱いが本復旧工事の完了まで続くのか、それとも工事がある程度進んだ段階で通行止め解除になるのかですが、資料をいくら見ても、ネットで探してみても見通しに関する情報は出てきません。
ということで、上記資料の熊本県公式サイトにおける公開元である球磨川流域復興局に問い合わせてみましたが、道路のことは「土木局道路整備課」に聞いてくださいとのこと。道路整備課のページには国道219号など球磨川沿いの道路の情報は一切出ていませんが、もともと国道219号を管轄している部署です。
そして、道路整備課から聞き出した結果が、冒頭の結論です。
これとは別に、道路と同じく壊滅的被害を受けたJR肥薩線の復旧をどうするかについて、国土交通省・JR九州・熊本県による「JR肥薩線検討会議」が立ち上がっています。
https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk7_000026.html
その第二回検討会で、「JR九州が約235億円と試算する復旧費用について、運休区間と重なる球磨川や国道219号と合わせて復旧工事するなどした場合、最大で210億円圧縮でき、JR九州の負担は約25億円に抑えられるとの試算が示された」そうです。
https://www.asahi.com/articles/ASQ5N65HDQ5NTIPE02M.html
https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001472024.pdf(第二回検討会資料)
八代市街地~大野大橋間の被災区間ではごく一部を除きJR肥薩線と国道219号は球磨川の反対側を通っており(八代市坂本町南部のJR肥薩線球磨川第一橋梁~国道219号鎌瀬橋の間のみ同じ側)、「肥薩線の線路敷を潰して国道219号の仮設道路を敷設している」箇所はなさそうな感じですが、とはいうもののもしJR肥薩線の復旧工事をも国道219号の本復旧と同時に行うことになれば、さらに工期が延びてしまう可能性があります。直接の沿線住民だけではなく球磨地方全体にとっても国道219号の重要性は「被災前の時点で既に時代遅れの存在」だったJR肥薩線とは比べ物にならないわけで、上記検討会議に直接参加していない人吉市や球磨村など沿線自治体がどう考えるかですね・・・
なお、上記資料でJR九州が作成した部分には、肥薩線の時代遅れぶりがこれでもかこれでもかとアピールされています。八代~坂本間および一勝地~人吉間では同社が代行タクシーを走らせていますが、いずれも乗客数はごく僅かで、しかも右肩下がりが続き、2022年1月以降は1か月間で多くて十数人だそうです(1日ではありません!)。