岡山県に本拠を置き、交通を祖業として情報処理・流通・街づくり事業を手広く手掛ける「両備グループ」ですが、ご多分に漏れず路線バス事業を巡る環境が厳しいため、コロナ禍以前から不採算路線の縮小を進めており、この3月31日限りで新たに以下の2路線を廃止しました。
1.虫明愛生園線(JR赤穂線邑久駅~虫明~邑久長島大橋~光明園~愛生園)
https://ryobi.gr.jp/tobi/pdf2/2022/info-mushiakesen20220301.pdf
2.宝伝・久々井線(JR赤穂線西大寺駅~久々井・東宝伝)
https://ryobi.gr.jp/tobi/pdf2/2022/info-close_20220214.pdf
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1.は、ハンセン病の療養所「邑久光明園」「長島愛生園」のある長島に乗り入れる唯一の公共交通機関でした。
4月からは、両備バスに代わり、地元瀬戸内市の市営バスが運行しています。平日は1日10往復(うち約3分の2は虫明折返し)、土日祝は1日3往復と両備バス時代と遜色ない便数が確保されており、運賃は200円で1日乗り放題と格安になりました。
https://www.city.setouchi.lg.jp/uploaded/attachment/111759.pdf
2.は、100年前に造られた精錬所を改装してつくられた美術館のほか、地域性を生かしたアートが制作・展示されている犬島(瀬戸内国際芸術祭の会場の1つでもあります)への船が発着する宝伝港へのアクセスとなるバス路線でしたが、瀬戸芸の2022年春会期を前にあえなく廃止となりました。代替となる公共の交通手段はありません。
なお、これとは別に毎年期間限定で岡山駅と宝伝港を直結するバスが運行されており、2022年は4月2日~11月27日の間の土日祝のほか、瀬戸芸の会期中は毎日運行されます。
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220331_03_okayama.pdf
両備バスが、専用の瀬戸芸ラッピングバスを用いて運行します。