関白「藤原道兼」の末裔とされる「皇円上人」の誕生地に再興された漣華院誕生寺には関白塔と呼ばれる五輪塔があります。
1.漣華院誕生寺
昭和5年(1930年)に初代住職川原是信が「皇円上人」の霊告を受け、
平安時代後期から鎌倉時代初期に創建され、戦国時代に消失した浄光寺漣華院の跡地に建立しました。
「皇円上人」は実在の人物で、平安時代の関白「藤原道兼」の玄孫とされています。
2.漣華院誕生寺の南大門
本堂の南には立派な四天王が守る南大門があります。
3.増長天
「成長する者」と呼ばれ五穀豊穣を司ります。
南方を守護し、右手の宝刀で煩悩を断ち切り、左手の羂索(なわ)で縛り上げて仏法に引きずり込む力強い仏様だそうです。
4.多聞天
「普(あまね)く聞く所の者」の意味で「多聞天」と呼ばれ、人々の苦しむ声を聞き救う仏さまです。
右手の宝棒(如意棒)をもち、意のままに財宝を生み出すと言われているそうです。
右手に宝塔を掲げでおり「戦勝の神」として戦国時代の武将に崇敬を集めたそうです。
5.広目天
「種々の目を持つ者」の意味から「広目天」と呼ばれます。
広く苦しむ人を見つめ、救う仏様です。
右手に筆、左手に経筒を持ち、表情は穏やかですが心のうちに強い慈悲の心を秘めた仏様だそうです。
6.持国天
「国を支える者」の意味から「持国天」と呼ばれ、外敵から国を守ります。
東方を守護し、左手の三叉戟(さんさげき)で外敵を砕き、右手の独鈷杵(どっこしょ)で心の敵を打ち砕くそうです。
7.中興の祖「川原是信大僧正」像
参道に建つ初代住職「川原是信大僧正」の像。
8.漣華院誕生寺山門
本尊は皇円大菩薩、奈良の西大寺が総本山です。
9.九州最大の関白塔
寺の表札によれば平安時代の関白「藤原道兼」の菩提を弔うため造立されたと伝承されています。
浄土宗の開祖である「法然上人」の師が「皇円上人」で、皇円上人の祖先が「藤原道兼」とされています。
「藤原道兼」は「藤原道長」の兄で今年の大河ドラマに登場する重要人物です。
五輪塔は僧の墓塔として造立されており、真言律宗の九州への伝播と発展と定着を示し、中世における仏教受容の歴史的な文化財だそうです。
10.五重塔
本殿の脇には立派な五重塔があります。
これだけ立派な寺院ですが檀家は持たず、全国の信者に支えられているそうです。
宗教とは実に奥が深いものです。
撮影:CANON EOS RP + RF24-105mm F4-7.1 IS STM
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