社長A
「バリバリ稼ぐぞー。若手でも、こんなに稼げるぞー」
社長B
「環境に一番良いのは包むモノをなくすこと。ゼロというわけにはいかないが、できるだけ材料を使わないようにしている」
人手不足の時代に、どちらの企業に勤めたいか。
博打打ちの気質でもない限り、社長Bでしょう。
ちなみに、
社長Aは、
投資用新築ワンルームマンションを販売する会社に、書いてあった誘い文句の再現(京大から流出した名簿も使って幾度も電話してくる、あの会社です)。
一方、
社長Bは
段ボールなどの包装資材メーカーのサクラパックス(富山市)は「困っている人を笑顔にしよう」との理念の下、本業を通じて環境への配慮や防災、被災地の復興に協力してきた。最近では新型コロナウイルスと闘う医療現場の支援にも取り組んでいる。
「環境に一番良いのは包むモノをなくすこと。ゼロというわけにはいかないが、できるだけ材料を使わないようにしている」
自社の存在に固執しない謙虚さ、
にほれ込む方は少なくないでしょう。
社長Bが選ばれる理由を、
冷めた言い方で表現するならば、
労働市場では、
カネ勘定以外の要素も
絡んでくるから。
その筆頭が、人間性。
カネ勘定以外のファクターは、
給料面ではやや難は合っても、付いて行こう、
と思わせる……
労働市場に於いて
威力の落ちない吸引力。
赤岡功(元・京大経教授)は、
人に優しい資本主義、
エレガント・カンパニー
を提起した。
1993年、
今から30年前に提起された。
いま成長性・効率性の追求とともに,人間性をも重視した企業への転換が,静かにそして着実にすすんでいる。こうした人間と環境にやさしいエレガント・カンパニーの姿を,豊富な実例をあげながら理論的に描き出す。
「経済的成果も高いが,人間性も高い企業を,かりに『エレガント・カンパニー』と呼べば,日本の企業も一部先進的企業は,この方向に進みつつある。そうした点についてみていくことにしよう。」
講義では、
コピー機トナーを交換する営業担当者が、
例として紹介されていました。
京大で交換して、支社に連絡、
同志社に移動して、支社に連絡、
同志社で……
「これは、(精神的に)しんどいぞ」
と、赤岡教授は切々と。。。
今、思えば……保釈された被疑者・被告人がGPS付き首輪で繋がれているようなもの。
それから時を経て、、、
労働市場で雇用主が生き残るツールとして、
人間性を筆頭とする非金銭的要素
と
それらを編み上げた
人に優しい資本主義
エレガント・カンパニー
が、必須でしょう。
ところが、
『Hiroshi Mukaide(向出博)Time Traveler』
は、三十年以上前から抜け出せてすらいない。
政治は、競争の敗者に対して、もっと手をさしのべるべきだ。この国が、世界との資本主義的競争を勝ち抜くためにも、一人でも多くの敗者を復活させ、再び競争に送り込まなければならないのだから。「再び競争に送り込む」、残酷な言い方かもしれないが、人に優しい資本主義なんて無いから、政治が必要なのだ。
という文面から、
こいつは競争の場たる市場すら理解できていない、
と気付ける。
赤岡教授は、
ニッチを見つける重要性も、
説いていた。
ニッチの語源は、
洞窟や廊下の壁面に出来た凹み。
吹き抜ける風から、灯りの火を守る事ができる凹み。
吹き抜ける風を競争に置き換えると、、、
ニッチを見つける重要性
に合点できるでしょう。
競争法(経済法・独禁法)の市場画定で指摘されている通り、
競争の場たる市場は、
重曹構造やクラスター構造
を伴うこともある。
(だから、ブティック型法律事務所が多々、存在している。)
労働市場Aでは冴えない、
けど、
労働市場Bでは良い感じ、
という例は、あるある。
さて、
赤岡教授は結局、京大の経営に関わることなく、
他大学のトップに就任。
つまり、
「手堅くトップに立てる」ニッチを選んだ。
しかも、複数回。
労働市場の参加者には、
勤め先を選ぶ自由がある。
労働市場の参加者からハブられれば、
企業は立ち行かなくなる。
いうまでもなく、
労働市場以外でも、
カネ勘定以外の要素が多々、
判断に影響を与えています。
たとえば……
今、クラスター爆弾を作る企業に、
真っ当な金融機関・機関投資家は、
新規の融資を出しませんし、投資しません。
- クラスター爆弾製造企業の発行する有価証券の組入れは、アクティブ・ファンドにおいて行わない。現に組入れのあるものについては、すみやかに売却する。
- クラスター爆弾製造企業の発行する株式の議決権行使において、クラスター爆弾の製造からの撤退・縮小を求める株主提案が提示された場合には、当該株主提案に賛成する。
いずれ、カーボンニュートラルでない企業は、
輸出すら危うくなるでしょう。
近年、脱炭素化を考える際、サプライチェーン全体での削減に取り組む動きが、世界的にも主流になっている。すなわち、自社による温室効果ガスの直接排出や間接排出だけでなく、調達、製造、物流、販売、廃棄などの各段階における排出もあわせて「サプライチェーン排出量」と捉えるという考え方だ。世界的なデファクトスタンダートといわれる、GHGプロトコル(注3)が2011年11月に発行した算定基準(Scope3基準)によると、(1) 直接排出(燃料の燃焼や工業プロセスといった企業自体による温室効果ガス)をScope1、(2) 間接排出(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用したことによる排出)をScope2、(3)企業の活動に関連する他社の排出(Scope1およびScope2以外の排出)をScope3、としている。Scope3は15カテゴリーに分類される。その中には、原材料の調達やパッケージの外部委託などの購入した製品・サービス、調達物流や出荷物流などの輸送・配送、販売した製品の加工、使用、廃棄などが含まれる。
人に優しい資本主義なんて無い
宣う輩は、
競争の場たる市場も、
市場に多々あるニッチにも、
それら市場でカギとなる非金銭的ファクターも、
把握できていない。
市場の参加者を辿れば、
必ず人に辿り着く。
『Hiroshi Mukaide(向出博)Time Traveler』
は、コメント欄を閉じている。
当方によるコメントがよほど堪えた模様。
コメント欄の競争すら忌避している輩が
なぜ、競争を語れるのだろうか。
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