CMOSは凄い

2007-04-14 | CMOS
社内製品のCMOS電源では、社長が独自の性能ブースト回路の特許を使用しその製品は一部で重宝されている。この回路は、低消費電力のCMOS電源で実力を発揮する。

一方消費電力に余裕のあるスペックの電源の場合、この回路でなくてもよい。
そんな場合、アンプの選択肢も多くなり、なるべくシンプルな、合理的な、設計マージンのあるものを択べば良い。

ある構造のアンプを選択すると、ブーストもよりシンプルで、負荷の変動に高速に対応する電源を構成できることがわかった。


この構造による回路機能により、無駄なバイアス電流が不要となるので、将来的にクライエントには喜ばれるのではと期待している。バイポーラで作った電源ではバイアス電流が必要らしいが、CMOSでも高速応答可能なまま、しかもより低消費電力化が達成できるのである。

CMOSは凄い・・・

うまく使うと、回路の特性はばらつかず、

同期整流方式のプリアンプに使うと、負荷電流を回生し、バイポーラよりも高効率に大電流負荷システムを駆動できる。

CMOSのホントに凄いところは・・・
酸化膜をシリコンに成長させた界面に、結合していないダングリングボンドが残るはずで、これによるバンドギャップの中間レベルのトラップにキャリアがつかまり、ゲートにチャージしても移動度の大きな反転層ができるのは、量子力学の古典的理論からすると難しいらしい。そのため、かのウィリアム・ショックレーもこの手の研究を止めたものだった。
ところが実際は違った!プロセスに工夫を加えると反転層がしっかりとでき、ゲート制御できているのである。

第一原理による最新の量子力学的計算でも、現実ほど性能良いモデルができないそうな・・・

この辺は依然暗黙知の成果のままだ。

ということで、良くも悪くも、シミュレーションを完全に信じている訳ではないので、当然、善後策を取りやすい工夫や設計知の社内蓄積が、各社のノウハウになるのであり、個人で完成させるよりも、何倍何十倍も早期に完成させることが可能なのは言うまでも無い。

とにかく、CMOSはまだまだ凄い。


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