木曜日は 『 プレバト 』 の日!
いつき組の云うところの プレバト ナイト
Oh yeah ~
は
「 教室と桜 」
‥さて 、早速 ‥
第7位 桜みてごまかせるかなあなたの横顔 (35点)
桜みるふりして君の横顔を
誰が何のために何をごまかすのか、分かりにくい
「桜みてる」
「ごまかせるかな」 「ふりして」
「あなた君の」 「君」恋愛対象のイメージが強くなる
「横顔を」
曖昧な表現はしない
「ごまかせるかな」では何を表現しているのか曖昧
具体的に「桜みるふりして」と表現する事で
読み手に伝わる俳句となる
第6位 教え子の行く末願いさくら愛で (50点)
教え子の行く末さくらさくら咲け
「願い」という生な言葉をそのまま使い、底が非常に浅い
全体の発想も平凡、教え子の行く末を願う
願わない教員がいたら むしろその方が面白い
「愛で」 こんなベタな着地あるか
映像を描写することで 読み手に「願い」を伝える
「教え子の行く末」 軽く切る
「行く末」と言うだけで「願っている」と分かる
「さくらさくら」とリフレインさせる
「咲け」願いの気持ちが入ってくる
第5位 居残りの外よ恨めし春日和 (52点)
居残りの窓よ春日の校庭よ
「恨めし」強い感情語が出てくると
主役となるべき季語「春日」の力が削がれてしまう
感情を底に沈めておいて
「寂しいんじゃないかな」と思わせるテクニック
「居残りの」「外窓よ」で映像を切る
居残りの子がいて窓の映像が出てくる
窓から向こうに見えるのは何?
友達、友だちはどこにいる?
校庭 「春日の校庭よ」
本人は居残りの窓にいて
目の下には春日の校庭が広がっていて
みんな遊んでいたり帰っていたりする
「よ」の詠嘆の後に 「恨めしい」「寂しい」気持ちが滲み出てくる
これが俳句のメカニズム
ストレートにやって上手くいく時もあるが
ある程度のテクニックがないと無理
第4位 自己紹介照れた先には桜の木 (53点)
自己紹介つづく教室桜咲く
どこにいるかを明確に書くのはとても大事な事
新入社員かもしれないし 合コンかもしれないし
本人が書こうとした「中学1年生」という状況が
句の中から漏れているので「教室」という言葉を入れる
「照れた」=自分の感情を言わなくても
どういう現場か言うだけで
「照れている子がいるかもしれない」と想像させる
想像させるのがすごく大事
「照れた先には」 「教室」という言葉を入れるだけ
「自己紹介」「つづく教室」「桜の木」
完全に子どもの姿が出てくる
「桜の木」と言うと
「咲いている」のも「咲いていないのも」一年中立っている
「桜の木咲く」 中学1年生の教室が見えてくる
第3位 廃校の満開の桜誰を待つ (55点)
廃校の桜をかこむしづけさよ
凡人はポツンと立っている木を見たら
「誰を待ってるんだろう?」
「誰を待つ」と 自分が思った事を直接的に書かないで
「この桜は誰かをまってるのかもしれないなぁ」と
言葉の外に匂わせる事ができると 才能アリになっていく
真ん中の七音は字余り・字足らずにしない
「廃校の満開の桜」というだけで それは咲いているに違いない
「廃校の桜を」「誰を待つ」「かこむしづけさよ」
子どもたちがいた時代を懐かしく思って
「誰かを待っているのかもしれない」
読み手が感じてくれるのが俳句の仕組み
情景をイメージさせる表現を
桜が誰かを待っているようだと感じた情景を
「誰を待つ」と直接読むのではなく
「桜をかこむしづけさよ」と描写して
読み手にイメージさせるのが表現力のある俳句
第2位 窓際に寂しさ残る桜草 (70点⇒65点)
「桜」「桜草」は全くの別物
桜草=野に咲く花
今回唯一 感情と季語のバランスが取れている句
「寂しさ残る」 ⇒ 「残る寂しさ」
窓際に残っている寂しさがある
それは、教室に飾られた桜草の一鉢
形のない寂しさを桜草の一鉢という質量に換える
「残る寂しさ」 = 「桜草の一鉢」
こういうことをするのは なかなか粋なもの
ところがどっこい 桜かよ
これは減点だよー
桜と桜草の区別もつかない人間は 減点するしかない ▲5点
第1位 桜ある部屋に役者ら来る朝に (66点)
若き役者集まる朝桜の教室
教室のセットである、若い役者たちがそこに来る
若々しいイメージが俳句の中に入ってきていない
「部屋」が誤解を生む、どんな「部屋」か分からない
「部屋教室」 「きょうしつ」だと文字数が多い
これだけの内容を17音に収めるには字余りにするしかない
「若き役者」「来集まる」 複数だと分かる = 「ら」
【朝桜】 朝露をうけて咲いている桜
2カットの映像が確保できる
若き役者が集まってくる映像・朝の桜が咲いている教室のセット
そして 、 今回も 特待生の昇格試験がっ!
ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!
特待生5級の キスマイ横尾さんっ!
卒業の君まなざしの大人びて
卒業の君そのまなざしの深し
色々な技を使っている
卒業の君
句またがり 言葉が五七五の切れ目をまたぐこと
そつぎょうのきみ 7音
まなざしの 5音
おとなびて 5音
全部足して17音という調べ
果たして 査定はっ ‥‥‥ 現状維持ーっ!
描写が甘い!
感想や感情ではなく その場の様子を描写できるように
「まなざしの深し」 大人びていると思える
そつぎょうのきみ 7音
そのまなざしの 7音
ふかし 3音
全体の17音を確保する
もうひとつの新しいテクニック
そして 、 もう御一方 特待生の昇格試験がっ!
ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!
特待生5級の 東国原英夫さんっ!
椅子しづかあの日のごとく窓に花
確かな句、
「椅子しづか」だけで読み手の心に
自分のイメージの椅子がひとつ浮かんで
静かにそこに置かれている
読者の想像力を誘導している
「あの日のごとく」で読者の心の中に
いろいろなあの日が浮かんでくる
「窓の花」 花=桜
最後の五音で映像も出てくる
「あの日のごとく」という感情も
季語の「花」に連れ添っていく
果たして 査定はっ ‥‥‥ ワンランク昇格ーっ!
もうひとつ褒めないといけない点が
「あの日のごとく」
「あの日のごとき」という言い方もできる
が、「ごとき」だと花に直接かかるから
「あの日のような花です」で終わる
「ごとく」だと 「あの日のごとく花は揺れていた」
「花は咲いていた」「花は光っていた」
「花」の描写を示唆する
小技が利いている、特待生になれる
お見事でございます