木曜日は 『 プレバト 』 の日!
いつき組の云うところの プレバト ナイト
Oh yeah ~
は
「 東京駅と虹 」
‥さて 、早速 ‥
第5位 虹の門根元を探し出づるかな (37点)
いざ旅に出ん虹の根を探す旅
何か格好よくやろうとしたのが行き過ぎちゃったケース
全部読んだ時に、作者が言いたかったことは何か、と言ったら
「虹の根を探す」、これだけのこと
それを十七音に引き伸ばしてみたらこうなった
「虹の門」 「虹」を「門」に見立てている、虹が架かっていて「門」みたいだ、と
「根元」 「虹の根っこ」と比喩している
一句の中に「見立て」「比喩」が重なると くどい感じになる
「探し出づるかな」が あやふや
「旅」という情報を1つ入れるだけで 動き・映像が見えてくる
「旅」から始める、勢いよく出る 「出づるかな いざ旅に出ん」
「虹の門」「根元を探し す旅」 旅をリフレインさせる
「旅」が二重に出てくるから 「さあ虹の根を探しに行こうぜ」という思いが強く出てくる
第4位 夏だから緑の窓口7色に (45点)
夏来る「みどりの窓口」の七色
「~だから~に」は普通の文章、散文的な語り
JRの「みどりの窓口」は平仮名
「みどりの窓口」という表記があったということをハッキリするために「」(かぎかっこ)をつける
「7色」 → 「七色」
「夏だから来る」 夏が来ましたよ、と季語をグーッと押し出す
「『みどりの窓口』」の「七色に」
「夏来る」の部分と「七色」がキレイに調和する
第3位 父母兄も渡ってゆきし虹の橋 (60点)
虹わたりゆきし父母そして兄
「も」は本当に難しい助詞
下手な人が使うと大体失敗する
「も」を使わないで、他の方法がないか考える
亡くなった肉親の思いを虹に重ねる、そこには心根の部分に共感する
語りの上でもったいないところがある
最後に「虹」という夏の季語
「虹」が出てきて「渡ってゆく」とあれば、
「虹」はアーチだから、「の橋」という見立てが少しくどい
「の橋」の3音を 上手に使うと
父母兄を偲ぶ気持ちをもっとゆったりとした調べで表現できる
「虹の橋」 「虹」からスグに「渡ってり」へ
「虹」が漢字なので 「わたり」と平仮名に
「虹わたりゆきし」
誰かが虹を渡って行った、という映像が出てくる
誰が渡れるんだろう、と思った瞬間に 「父母兄」
これは「父母(ふぼ)」と読まないで 「父母(ちちはは)」と ゆっくり読む 「そして兄」
こうすると、父が渡っていった、母が渡っていった、そして兄が渡っていった
「も」と言わなくても、「そして兄」で ちゃんと伝わる
助詞も「も」は容易に使わない
並列の意味を表す「も」を安易に使ってしまうと
父母兄以外の誰かを連想させてしまう‥
「も」ではなく 「そして」を使うことで対象が限定され
さらに調べも美しくなる
第2位 降り立てば煉瓦造りや駅に虹 (65点)
降り立てば煉瓦造りの駅や虹
「煉瓦造りや」 「や」をどこに使うか
「や」の場所を変えて、より思いを表現
「煉瓦造り」と「駅」は同じもの
「や」があることで「煉瓦造り」と「駅」が別物である印象を受けてしまう
「煉瓦造りやの」 と素直にしておいたほうがいい
どこかに「駅に違いない」というのを入れなければいけない
「降り立つや」にするか「煉瓦造りの駅や」にするか
言葉選びが上手になっている、感心
第1位 ベル鳴りて立つ七色の夏帽子 (80点)
久し振りの気持ちのいい句、本当に嬉しい
「ベル鳴りて」 聴覚の情報から入っていくのが上手い
「立」 ホームとかなら「発」を書いてもいい
敢えて「立」として、「立つ七色」と言ったら
虹かな、と読み手が勝手に想像する
ところが、季語は「夏帽子」
最後まで展開が一転二転三転して 読み手を飽きさせない
本当にお見事、 直すところなんか全然無い
そして 、 ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!
特待生4級の Kis-My-Ft2 横尾さんっ!
時間止まる人と駅舎の上に虹
人が写っていなくて 時間を封じ込めた絵画のような写真
その情景をシンプルに切り取っている
凡人以下の人たちは シンプルに切り取ることが出来ない
果たして 査定はっ ‥‥‥ ワンランク昇格ーっ!
描写が的確!
あの写真に写っているのは「駅舎」と「虹」だけ
写真に写っていない「人」という情報をサラッと入れている
時間が止まって音も一緒に止まるような伏線を敷いておいて「人」を出すと
人がざわめく音がジワジワと戻ってくる、聴覚の仕掛けが入っている
小さな技が身に付いた
そして 、もう一方、 ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!
特待生1級の 梅沢富美男さんっ!
トランクの下の水たまりにも虹
「トランクを提げる」とか「トランクを持つ」とか説明したくなるけど
説明しないで「トランクの下の」と 映像を進ませたあたりも なかなかよく考えている
果たして 査定はっ ‥‥‥ ワンランク昇格ーっ! 名人ーっ!
果敢なチャレンジ精神に脱帽!
これまでは知識だけひけらかして何かやっているような態度だったけど
今回は素直に作っているのがいい
「水たまりにも」 失敗しやすい代表的な助詞
「にも」という助詞が マイナスにならない使い方ができている
水たまりに写った虹を撮っておいて 上の虹に上がっていく
普通の人が安易に使うと絶対に失敗する
これが使いこなせているんだから ‥ 今回はしょうがないかな
梅沢負富美男 ついに名人に昇格!
次の目標は「プレバト師範」
次回からは更なる高み 師範を目指して査定に挑戦
プレバト師範 先生と共に解説・添削ができる 芸能人のお手本的存在
先ずは「名人初段」から ‥
「名人初段ってのは何だよ!」 (梅)