木曜日は 『 プレバト 』 の日!
いつき組の云うところの プレバト ナイト
Oh yeah
は
「 猿と温泉 」
長野県 地獄谷野猿公苑からー
‥さて 、早速 ‥
第4位 山猿や我が家の風呂で初湯かな (45点)
山猿が我が家の風呂に来て初湯
「風呂」「初湯」が重なっている、というのは普通に思うこと
この句の場合、強く訴えたいのは
「私の風呂に事もあろうに」という思い
あえて「風呂で」と言って、「初湯」という季語
「風呂」は捨て石のような効果は持っている
「や」「かな」 強い切れ字が二つ入っている
↑ すぐ上の言葉を強調する
二つのことを強調すると感動の焦点がブレる
= 嫌われる形
むしろ、どちらもいらない
山猿が我が家の風呂に来る初湯
「何と私の風呂を猿が覗きに来ましたよ」
ところが、「本当に風呂に入っていた」ことを言いたい
ならば、1字変えて
山猿が我が家の風呂に来て初湯
こうすると猿は風呂に入ります
「来る」だと「初湯」に掛かる
「来て」だと「来て○○をする」という意味に繋がる
「来て初湯をする」となる
= 猿は完全に湯に浸かっている状態になる
第3位 湯にほてる猿がかぶるや雪帽子 (50点)
湯にほてる猿や雪帽子のてんてん
帽子はかぶるもの
「かぶる」の3音がいらなくなったらそれをどうやって使うか
「猿や」で1回カットを切る → 「湯にほてる猿や」
湯に浸かった猿の映像はちゃんと確保できる
そして 、この4音で猿の数を言うことができる
「雪帽子の三つ」 → 「猿の親子かもしれない」
「雪帽子のてんてん」 → 「お湯に散らばっている浸かっている」
言葉の無駄遣いをしない
第2位 君想うひとひらの雪頬伝う (55点)
失恋やひとひらの雪つたう頬
少なくとも映像は描けている
もったいない一点
最後に動詞が入ると動きに焦点が行く
「君」「雪」がクローズアップされた方が良い
「伝う頬」とひっくり返した方が印象的な光景になる
「つたう頬」とすると 、さらに優しい感じになる
強調したい時は 体言止め
最下位 お湯と雪負のスパイラル落ちにけり (35点)
浸かる湯と舞う雪の負のスパイラル
「負のスパイラル」なら落ちていくはず
「落ちにけり」はいらない → その字数で映像をつくる
ランキング 1位 は NON STYLE 石田さん
湯の猿の群れの頭に積もる雪 (70点)
湯の猿の群れや頭に積もる雪
夏井いつき先生の解説~
当たり前の光景を当たり前に書いただけ
当たり前に映像を描くことすら出来ない人が凡人以下
丁寧に映像化している
自分がどう思ったかは全然入れないで
見た写真をそのまま見ていない人の脳の中にそのまま写し取る
これがやれるようになるまでに時間がかかる
「湯」があって「猿」がいた
「群れ」を作っていた
頭には積もっている雪がある
2カットの映像にすると空気が変わる
「湯や」 → 「湯の光景」だけがまず写ってカットが切れて「猿」がいる
「湯の猿や」 → 「湯」と「猿」が同時に1カッと目にあって
それが「群れ」だと次に分かる
「湯の猿の群れや」 → 「猿の群れ」の光景まで映してカットを変えて
頭に積もっている雪がクローズアップされる
切り方で効果が変わる
湯の猿の群れや頭に積もる雪
そして 、 今回も 特待生の昇格試験がっ!
ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!
特待生5級の キスマイ 横尾さんっ!
湯に浸かり人も猿も佳き元旦
夏井いつき先生の解説~
猿の写真から 、元旦と言う新年のおめでたい
華やぎも格調もある季語を見つけ出す 、これが特待生
中七・下五のところに 調べの技が入っている
「人も猿も」=6音 「佳き元旦」=6音 、中七・下五で12音
上五は五音 、全部足したら17音になっている
技にチャレンジしている 、 特待生としてちゃんと勉強している
果たして 査定はっ ‥‥‥ 現状維持ーーっ!
言葉の無駄遣いは厳禁!
「湯に」と言ったら 「浸かっている」はず
湯に人も猿もこよなきお元日
いらん言葉入れちゃいかんよ 、特待生!
※ 「こよなき」 この上ない 格段に優れている
もう一方 、ワンランク上の 厳しい査定に挑むのはっ!
特待生4級の 梅沢富美男さんっ!
神が降りてきているそうでございますよっ!
湯気ましろましらましろよ雪見の湯
夏井いつき先生の解説~
「ましら=猿」を知っているだけでもポイントがある
「湯気」「真っ白」 当たり前のことだけど
「ましろ」「ましら」「ましろ」と調べを優雅に作り出している
最後に「雪」が出てきて「湯」があると分かる 、光景が整っていく
「湯気」の「ゆ」、「雪見」の「ゆ」、最後の「湯」
「ゆ」の音の韻も散らしてある
果たして 査定はっ ‥‥‥ ワンランク昇格ーーっ!
何かのカタチでズルズル落ちろと思ってたけど ‥ 落ちない 、富沢さん
上を見る時のヒントとして1か所だけ
「雪見」は雪を愛でる遊び 、 「花見」や「月見」のように
この季語の中に 人間の存在が入ってきてしまう
この句の良い所は 、湯気の白と 猿の真っ白と 湯の透明感
色彩が綺麗で静かな存在が綺麗なのに
ここに人間の存在が入ると もったいない
「雪の出湯」 くらい納めておくと 粋
粋 、という最後のところが
このおっちゃんには 永遠に分からなければ良いな
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