オレンジ色の家庭

こころ温まる日々の出来事を発信したい。

木槿

2006-09-04 13:33:31 | Weblog

          

                       木槿が今年も咲いた   
            朝に咲き夕にはしぼんでしまう一日花 
         儚い花の命を日本の茶人は好んだ   
           特に宗丹の好んだ宗丹木槿は   
          中心が紅い離弁花で茶人に特に好まれた 
         大きく成長した槿垣の家を通るときは 
         家人の心意気が感じられてうれしくなる 
        同じ葵科の葵も夏の空に似合っている 
        立葵の元気な風情も捨てがたいが   
          木槿の持つ奥ゆかしさには太刀打ちできない 
 
         底紅と言われ 内に秘めた美として好まれた   
          木槿の街路樹の下を通るとき幸せな気分になる 
       同じ花がお隣りの国韓国では 
       まるで違った解釈をされていることを最近知った  
   
          木槿は韓国の国花である    
          戦争が始まろうとしたころ    
        日本兵がメインストリートに咲いていた槿の木を    
         片っ端から切りとり日本の国花の桜を植えたという   
        韓国の人びとは宗丹木槿は   
       日本の国旗のように映るらしい    
         木槿の中心の紅色は血の色という    
         昔 日本人がおこなった行為に対する憎しみの花が 
      木槿であるという   
       韓国で長い間仕事をしていたTさんが 教えてくれた  
    
     私たちは何も知らされないで育ってきた     
        戦後六十一年たった今でも    
       何かのおりにふと溢れ出る   
       日本への根深い感情がなぜか   
       少しわかった   

                             18. 8.15 記    

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