虹色オリハルコン

命にエネルギーを与えるパワーの力

命からエネルギーを奪うフォースの力

どちらを選ぶかは自分次第

ポニョの町、パーク&ライドはいかが

2009年10月02日 | 車社会を考える
瀬戸内海の名勝、鞆の浦(写真:毎日jp)


「鞆の浦」工事差し止め=景観「国民の財産」と初判断-調査、検討不十分・広島地裁(時事通信) - goo ニュース
広島県福山市の景勝地「鞆(とも)の浦」の埋め立て・架橋計画について、住民ら約160人が歴史的景観が損なわれるとして、県を相手取り、埋め立て免許交付の差し止めを求めた訴訟の判決が1日、広島地裁であった。能勢顕男裁判長は鞆の浦の景観は「国民の財産というべき公益」と指摘、事業の必要性に関する調査、検討が不十分だとして、被告側に許可しないよう命じた。

アニメ『崖の上のポニョ』のモデルになった町、広島県福山市鞆(とも)の浦の「開発か、歴史的景観か」という裁判。司法は景観を守るべきという、結論を出しました。
まずは、本当によかったと思います。

しかし、ニュースを見ていて思ったことは、この問題は単なる開発や環境問題というより、車社会の弊害がもたらした、車社会問題なのだということです。

そもそも、この景観をあえて壊してまで海を埋め立て、橋をかけようとしたのは、昔ながらの狭い街並みに、観光客の車があふれかえって慢性的な渋滞が起こり、緊急車両すら入れないという、その問題からだということです。


上から見た、鞆の浦(写真:毎日jp)


上から撮った写真を見ると、海に向かって四方八方から車がやってくれば渋滞が起こらないわけがないという動線だと、素人なりにも思えますから。

ですから、この渋滞問題を解決しない限り、たとえ司法が決着をつけても住民の中に不満がくすぶり続け、住民同士のしこりが消えるわけではありません。

たとえば、ディズニーランドの中では、怒りながら歩いている人を見たことがありません。あれは、商業的な非日常な夢の世界だからと言えば、それまでですが、すべてとは言わなくても、ディズニーランドのやり方はものすごく参考になると思います。

ディズニーランドの中まで車で乗り入れ可で、もし観光客の車であふれかえっていたら、うんざりでしょう。
あそこでは、車のストレスがないから、子供たちがどの道を走り回っても親は、目を吊り上げて「飛び出すな~!」と叫ばなくてもいいのです。


古民家の軒先に掲げられた「崖の上のポニョ」ののれん
ゆったり歩ける街じゃなければ、住み心地も悪い
(写真:広島県福山市で毎日jp)


パーク&ライドとは、途中まで車で来て、その町に入る際は車を降りてバスなり電車なりの公共交通に乗り換えることです。
東京ディズニーリゾートも、この方式に近いですよね。ディズニーランドや、ディズニーシー、ホテルなどを結ぶのは、ミッキーの顔の形の窓の付いているモノレール
また、施設内では、ポップなバスやレトロな船が人々の移動を助けてくれます。

もちろん一般住民が住んでいる町と商業施設を同じにすることはできませんが、発想をちょっと転換すれば、アイデア次第で、もっと車の総量を減らすことができるはず。総量を減らせば、渋滞だけじゃなくて、排気ガスもCO2もストレスも減らせるし。
住民の方たちには、カーシェアリングという手もある。

とりあえず、みんな考えることかもしれませんが、ポニョのお船はかわいいでしょうし、宮崎駿さんつながりで、猫バス仕様のバス(あるいはポニョ仕様)がいつも巡回していたら、観光客は、町の中に入る前に自分の車を降りて、喜んで乗ってくれるんじゃないでしょうか。

でも、まあ、海を埋め立てて、車のための橋をかけるというくらいの巨額な予算があるなら、知恵を絞れば、もっとよいアイデアは出てくるでしょう。

ポニョの作者、宮崎駿さんも、「鞆の浦の問題だけではなく、今後の日本をどのようにしていくかを決める判決だ」と、述べていました。
  ↓
「勝った負けたでなく、双方が話を」=「ポニョ」構想の宮崎監督-鞆の浦訴訟(時事通信) - goo ニュース

私もこの判決が日本のターニングポイントとなり、今後の鞆の浦の町づくりが車社会からの脱却のモデルケースになればいいなと願っています。
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F1撤退というホンダの決断

2008年12月08日 | 車社会を考える
バブル華やかなりしころ、私が住む田舎にも開発の波が押し寄せ、不便な土地柄ながら、次々と森林や農地が、住宅地に変わってゆくのを目の当たりに見てきました。重機や土砂を積んだトラックが次々に出入りし、さながらジブリのアニメ「平成狸合戦ぽんぽこ」の狸の気分でした。
ただ歩いているだけで、道路のあちこちに、カエルや蛇など、車にひかれて死んだ動物たちを見かけるようになりました。あの森に住んでいた、キジやフクロウやイタチは、どこに行ってしまったのか。誰も知らないまま。
新しくできた大きな住宅街は、驚くような値段がつき(何せバブルだったので・・)しかしながら、いつかバブルははじけ、大きな高い家をもてあました人たちが手放し始めたが、買いたたかれる今日この頃。
もう一度バブルのような景気回復を望むのは、無理というものです。
永遠に続く右肩上がりなんてありえない。何かの犠牲の上の繁栄だったことを、忘れてはなりません。

変化は、ようやく訪れたのだと思います。今までの価値観からすれば不幸でも、ある見方からすれば当然で自然のことなのではないかとも思います。

このところ急に減速化している車産業ですが、ついにホンダがF1撤退を発表しました。以下、青字は記事全文、太字は私の判断によります。

F1=ホンダが撤退、経営資源を次世代技術に配分(トムソンロイター) - goo ニュース
 [東京 5日 ロイター] 

ホンダ<7267.T>は5日、自動車レースのF1世界選手権シリーズから撤退すると発表した。ホンダの企業ブランドを形成する重要な活動と位置づけてきたが、事業環境の急激な悪化を受けて決断した。
 活動に携わってきた技術者は次世代製品の開発に振り向け、環境・エネルギー問題の深刻化で転換期を迎えた自動車産業の新たな競争に備える。
 会見した福井威夫社長は「11月に入ってから事業環境が加速度的に悪化した。9月までの状況なら撤退の決断はなかった」と述べた。さらに「単に経済が冷え込んでいるだけでなく、100年間繁栄してきた自動車産業は次の100年に向かう大きな変化を迎えている。F1に注いできた情熱、リソース、人材を新しい時代に振り向けるべきだという強い意志と受け取ってもらいたい」と語った。
 ホンダはF1から撤退することで、年間数百億円と言われる運営費の軽減につなげる。同社は今年度、2度にわたって業績見通しを下方修正。2度目の修正以降も米国を中心に自動車販売の減少に歯止めがかからず、期初の予定からすでに14万台引き下げた生産計画は、「新たな減産が必要かどうか社内で精査している」(近藤広一副社長)状態に陥っている。
 栃木県の研究所でF1活動に携わってきた350─400人の技術者は、今後は新しい技術や製品の開発に従事する。ハイブリッド車の品ぞろえを強化するほか、原材料の使用量が少なくて済む小型車の開発などを急ぐ。福井社長は「新興国の経済発展で資源の需給バランスは大きく変化した。経済が回復すればまた原油や原材料が高くなり、従来とは違った価値観の車づくりが必要だ」と述べた。その上で「F1に携わっていたエンジニアが大きな力を発揮すると思っている」と語った。

 <撤退の評価は3年後に出す商品にかかっている>

 ホンダは1964年、創業者の故・本田宗一郎氏を旗振り役にF1に参戦した。68年に活動を休止したものの、83年から92年までエンジンを供給する形で再び参戦。151戦中69回優勝するなど好成績を収め、「若々しい」、「スポーティー」といったホンダのイメージを形成するのに大きな役割を果たしてきたほか、レースで培った技術が商品に応用されるなど、実利面でも経営に貢献してきた。
 今回の撤退がホンダのブランドイメージを損なう恐れもあるが、福井社長は「ホンダの歴史上どういう意味を持つかというよりは、1年後、2年後、3年後にホンダがどういう商品を出しているかで評価すべき。良い決断だった、と言われるようにしなくてはいけない」と語った。エンジン供給の形で活動を継続する予定はなく、復帰の可能性も「白紙」(福井社長)だという。
 ホンダ主催で2009年に鈴鹿サーキットで予定されているF1日本グランプリは計画通り行う。
 同じくF1に参戦しているトヨタ自動車<7203.T>も、急激な業績悪化を受けてあらゆる事業の見直しを急いでいるが、F1については「これまで通り続ける」(広報部)としている。しかしコスト削減の一環として、来期はシーズン前のイベントを行わず、F1の新車発表はインターネット上で済ませる予定にしている。
 (ロイターニュース 久保 信博記者)


ホンダの看板とも言える、F1撤退は、福井威夫社長にとっても、悔しく残念な決断とも思いますが、リーダーというものは時に思い切った決断をしなくてはならないということです。福井社長が言われるように、未来においては英断であったと言われるように期待しています。

私事ですが、私どもの仕事先の会長さんは、すでに80歳を超えていらっしゃるのですが、現役のエンジニアでもあります。彼は、戦時中は、海軍航空隊の整備兵だったそうです。その技術は確かで、これからも元気で長生きして、いい仕事をしていただきたい方です。
そういえば、先日引退した0系新幹線は、戦時中の戦闘機のエンジニアたちが開発にかかわっていたとか。戦闘機を作れなくても、新幹線を作る時代のほうが、平和なよい時代ですよね。

時代の変化が、新たな社会構造を生み出します。

今モノが売れないのは、景気のせいだけではなく、多くのモノたちがちまたに過剰にあふれているからです。ものつくりの現場は今現在大変、厳しい状況に置かれています。
だけど本当に必要なものなら、必要とされるんですよね。
私たちは今、テロよりも危険な、温暖化や気候変動による環境難民の増加、食糧危機、砂漠化や水不足、生態系の破壊と動植物の絶滅など「環境問題」という深刻な事態に直面しています。
それを踏まえたうえで、福井社長が今この時を「次の100年に向かう大きな変化」ととらえ、F1で世界の最高レベルの技を競っていたエンジニアたちに、新たなチェンジを促したことは、評価できるのではないでしょうか。
・・・・って、私ごときに評価されても、よけいなお世話だとは思いますが(笑)

でも、紙切れ1枚で非正規労働者を解雇する、すぐに出て行け、というのは、あんまりですよね。ここは、温情ある態度でお願いしたいところです。
自分のとこの仕事をしてくれる人たちへの感謝も愛情もない人が、次の時代を作っていけるはずがないですから。
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業界・栄枯盛衰物語

2008年12月03日 | 車社会を考える
かつて日本では、エリート学生がこぞって就職した業界がありました。
それはね、石炭業界…そう、石炭は日本の基幹産業で、日本の経済を引っ張っていたことがあった。
しかし、石炭は、石油という新たなエネルギー産業にとってかわられ、かつて光り輝いていたエリートたちは、悲しくも廃業の後始末に奔走したのです。
こんなことは、時代が変われば、業種が変わりながら、繰り返されてゆくものです。
戦後の日本の映画産業は、時代の花形だったけど、気づけはお茶の間のテレビが、いつの間にか取って代わっていた。最近また日本映画が復活してきて何よりですが。
製鉄業や造船業も、上がったり下がったり消えていったり合併したり、いろんなことがありました。
月日は百代の過客にして、リーマンもGMもパナソニックもトヨタも、諸行無常の響きあり。
外資系の金融業界も、本当についこないだまで、時代の花形だったのにあのリーマンショック。
あんなに好調好調と言っていた日本の自動車業界も、あれよあれよという間に、車が売れなくなって39年ぶりの低水準だとか…。



11月の新車販売、前年比27%減 39年ぶりの低水準(朝日新聞) - goo ニュース

これから仕事をしようとする若い人たちに言いたいのは、仕事を選ぶとき、目先のお金儲けに惑わされないでほしいということです。今一番であるなら、今が一番いい時で、あとは下がるだけっていうこともあります。
社会にとって、人々にとって、未来の地球にとって、本当に必要とされているものかどうかをよく見極めれば、おのずと進む方向は見えてくるはず。
もしいいと思っていたことが、実は害をもたらすものだと多くの人々が気付きはじめたら、いずれ消えてゆく可能性が高いってことです。フロンガス、アスベスト、タバコは言うに及ばず。
また、物を作って売るって言うからには、今後はその製品の後始末もちゃんとできる、責任のとれる会社じゃないと、もういらないって言われてもしょうがないですよね。
しかも、今後、この業績悪化で非正規雇用者が何万人も解雇される見込みだとか…会社の目先の利益に振り回される労働者には、辛い冬です。

   

ここは余談ですけど、仕事を失う人がいる一方で、介護の仕事や農業は、人手が足りなくて、外国人労働者まで受け入れています。
家がなくて、ネットカフェで寝泊まりするものもあれば、また一方で住人が高齢化して空き室だらけのマンションがあったり、食糧自給率を上げなければならないと言っている一方で、高齢のため手入れができずに荒れ果てた農地があったり。
この無駄な不均衡、まったくおかしな世の中です。
お互い、一声かけ合って、譲り合ったり助け合ったりする心があれば、若者も老人もこんな不安の中で過ごさなくていいと思うのだけど。
政治の役割は、この矛盾や不均衡ををフォローすることだとも思うけど、総理大臣が「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」なんて言うことを、しれっとのたまってるんじゃ、そんな社会を望みたくても情けなくなる、埒が明かない。
2兆円を国民にばらまく気があるなら、そのお金で介護職や農業をやりたい人たちへの研修・雇用支援をしてほしい。介護の仕事や農業が、若者にとって、きちんとした報酬のある、やりがいのある結果を出せる環境なら、わざわざ外国から人を呼ばなくても済むことじゃないですか。(大体、日本人がやりたがらないから外国人にやってもらうなんていう発想自体も、なんだかなぁですし。)
…なんてね。余談おわり。

   

ところで、車社会のアメリカも、ようやく変化の時を迎え始めています。ロスアンゼルスでは、路面電車の復活構想も出てきたそうです。
以下、青字は、Asahi.comより記事一部抜粋

 ロサンゼルスの都心部を貫くブロードウェー通り。かつて最先端のブティックや劇場が並び、夜遅くまで人出が絶えない繁華街だった。それが今、だだっ広い駐車場や空き店舗が目立ち、12軒あった劇場・映画館も2軒に減った。夕方に多くが店じまいし、街は暗く、閑散としてしまう。
 ここに路面電車を復活させ、街の再生を図ろうという市民運動が起きている。市民団体「ブロードウェー再生財団」のジェシカ・マクレーン事務局長は「ガソリン価格の高騰と温暖化対策の必要性から、市民の意識が変わってきた」。14年の敷設を目標に事業化調査を進めている。
 ロスにも昔、サンフランシスコのような路面電車が縦横に走っていた。ところが、1940年代にバス会社に買収された。その大株主はGMや石油会社、タイヤメーカーだった。買収後、電車の路線は次々にバス路線に置き換えられ、60年代に撤廃された。
 主な都市にあった路面電車はモータリゼーションの波に押され、多くは姿を消した。都市と郊外を結ぶ近距離鉄道も少なく、通勤はマイカー頼み。住宅が郊外に虫食い状に広がる「スプロール現象」があちこちに見られる。都心は居住者が減り、治安が悪化しやすい。自動車文明の「負の遺産」とも言える。
 米国の都市でマイカーを持たずに暮らせるのは、20世紀初頭に地下鉄が開通したニューヨーク、ボストンぐらいと言われる。自動車文明が押し寄せる前に地下鉄で都市交通の基盤が築かれたからだ。
 ロスのように路面電車やモノレールなど小型の鉄道を整え、都市交通の改革を図ろうとする動きは少しずつ広がっている。ロスでは今年8月、シアトル、デンバーなど7都市代表が集まり、意見交換会があった。ポートランドからは都心を走る路面電車の一定区間を無料にしたり、自転車利用を促したりして車利用を減らした実績が報告された。
 「よちよち歩きだが、クルマ社会に対するスローな革命を進めたい」。ロスの再生財団のマクレーン事務局長はいう。(編集委員・竹内幸史)


超車社会のアメリカさえ、市民の意識が変わって公共交通復活の動きが出てきたとは、大変喜ばしいことですね。
車業界は、この点を踏まえれば、売れなくなってきたのは当然ととらえるべきです。ならば、次にすべきこととして、今までの技術を生かしながら、自家用車に変わるもの、それも再生可能な素材で、人々に必要なもの。それらを考慮に入れたモノづくりに挑戦してはいかがでしょうか。

あと、歩行者とぶつかっても、歩行者が絶対に死なない車もできるものなら、作ってほしい。
それができれば、車社会の大革命ですもん。
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おもちゃか凶器か、車社会の限界と可能性

2008年11月12日 | 車社会を考える
中3生、無免許で逮捕=数キロ走行「父の運転見て」-埼玉県警(時事通信) - goo ニュース
父親の乗用車を無免許で数キロ運転したとして、埼玉県警浦和東署は10日、道交法違反(無免許運転)の疑いで、同県川口市の中学3年の男子生徒(14)を逮捕した。「運転に興味があった。父親の運転を見ていた」と容疑を認めている。
調べによると、生徒は10日午前11時5分ごろ、自宅から自動変速機(AT)の乗用車を無免許で運転し、さいたま市緑区で信号待ちのトラックに追突。5分後には、約800メートル離れた所で信号待ちしていた軽自動車に追突した疑い。


今年になって、中学生や小学生まで、無免許運転のニュースが続いていましたが、またまた、こんなニュース。重大な事故にならなかったからよかったものの、ついに車が子どもにとって動くおもちゃのような対象になったのかと言いたくなります。

19歳「誰でもいいから殺す」 車で通行人はね死なす(朝日新聞) - goo ニュース

その上今年になって、秋葉原の事件を持ち出すまでもなく、このような事件が続発しています。
現代社会は、競争社会。数々の人為的・精神的ストレスが、人々を圧迫します。加えて、電磁波無法地帯。人工の電磁波が脳内の精神安定物質セレトニンを阻害してキレやすくなった脳に、車という凶器はあまりに身近にありすぎる、二重の不幸。
ダガーナイフは規制できても、車の規制はできないのですよ。


 車社会で失ったもの

子どもたちは、物心つく前から、どこに行くにも荷物のように車に乗せられてはいませんでしたか。
他者との共有の場である公共交通を使う際の、マナーもルールも教えられず知らされずに、育てられなかったでしょうか。
誰かと手をつないで歩き、道端の草花を眺めながら、季節の移り変わりを肌で感じることはできたでしょうか。
公共交通の完璧に整っていた日本が、政府の国策で車社会に移行させられ、失ってしまったもの…。
それは、日本中の廃線になったしまった電車やバスのローカル線だけではないのでは?



過去の日本においては、車はステータスシンボルであり、車を愛する運転者はそれなりの心構えやプライドを持って運転してたような気がします。
私が子供のころの昭和30年代後半から40年代は、たとえ信号のない道でも、横断歩道に立って手を挙げれば、静かに止まってくれた乗用車。私たちは、運転しているおじさんに頭を下げて、横断歩道を渡ったものです。
今や車は、家電同様の生活必需品として、一家に数台保有の時代でもあります。道端で見ていると、目を吊り上げてハンドルを握っている運転手の顔。彼らも目いっぱいなんだと同情しつつ、次々と通り過ぎる車のすきを狙って、大急ぎで向こうの道まで渡る日々。歩行者にはストレスの連続。

  車社会脱却への道は…

車が売れなくなってきているそうです。若者の車離れも加速しています。
都会に限っていうなら、公共交通が充実しているうえ、駐車場の確保や維持費のコストや渋滞のストレス、交通事故などのリスクを考えれば、病気の人や荷物の運搬以外には、それほど必要性もないということでしょう。


山中に放置された廃車


経済の面からみれば、どうしたものかというのでしょうが、環境面から考えれば次々と作っては売り、捨てさせては、また売って、資源も有限なら、地球環境もSOSを出している今、そんな右肩上がりの成長が行き詰ってきていること、そんな環境を犠牲にした成長は、もはやあり得ないことを、業界はどうして認めようとしないのでしょう。みんな心の中では、もうわかってるのでしょう?

…とはいえ、日本の就労人口の、10人に一人が、車の製造・販売に何らかの形で、かかわっているのだそうです。
であるなら、なおのこと、もう限界を超えた車製造から潔く方向を変えて、その技術を生かしつつ、今、本当に必要とされるものへの転換を図ったほうが、いいのではないかと思うのです。


背もたれが手すりになっているバス


車メーカーには、地域コミュニティと連携して、バスよりさらにフットワークの軽い「手軽で安い小さい規模の公共交通」という方向で、一役、担ってもらえないかとお願いしたいです。カーシェアリングの普及・貢献にも、期待しています。
また、近未来のトヨタや日産が「災害時にも有用な低コストでコンパクトな家」を造っていると、マクモニーグルがリモートビューイングによって、透視していましたが、案外そんなところにも、復活の糸口もあるんじゃないかと思ったりします。
…中国で起きた四川大地震の被災者たちは、この冬を乗り切ることが急務だそうです。断熱効率のよい省エネルギーで、快適な居住空間を提供できる技術は日本にすでにあるのではないかと思うのです。
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車が凶器となるとき

2008年06月03日 | 車社会を考える
指さされ、登校小学生の列に車 男を殺人未遂容疑逮捕(朝日新聞) - goo ニュース
 2日午前7時40分ごろ、千葉県松戸市古ケ崎4丁目の路上で、登校中の小学生6人の列に軽乗用車が突っ込み、近くの市立古ケ崎小学校に通う1年生の男児(6)が頭やひじにすり傷を負った。松戸署は、車を運転していた、近くの水道工事作業員南中剛容疑者(32)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。南中容疑者は「小学生に指さされたことに腹を立てて突っ込んだ」と話しているという。
 調べでは、道路は一方通行で、車はいったん通り過ぎた後、バックして幅約1.5メートルの歩道に乗り上げ、一番後ろを歩いていた男児らをはねたという。


車っていうのは、故意でなくても、人を殺す可能性の高い乗り物です。
そこに故意って言う意識が働いたら、どんなに危険なものか、プロレスラーだって勝てません。

幸い体は傷だけですんだものの、子どもたちはこれがトラウマになって、普通に道を歩くのも怖くなってしまうのではと心配です。

今日の新聞には、子どもたちは指差していないと話していると書かれていました。
指差されたからって、轢こうとするのも異常ですが、勝手に妄想してひき殺そうとするなら、完全な精神異常です。
ナントカに刃物の言葉通り、免許を取得、更新する際は、おかしな人間に免許を与えないように、車の免許証取得のハードルをあげて欲しいとせつに願います。
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経済優先のため、公共交通を捨て車社会になった日本

2008年05月03日 | 車社会を考える
私は、常々日本の公共交通は、中曽根さんの国鉄民営化によって破壊されたと思っていたんですが、【ネットワーク地球村】の今月の会報には、政府が経済優先でGNPをあげるために、公共交通から自動車社会へ意図的なきりかえがあったと書かれていました。国鉄民営化もその意図の一手順だったのでしょう。

歴史は繰り返すといいますが、小泉さんの郵政民営化は、国鉄民営化に重なってみえてきます。
市場にはある程度、競争原理というものは必要であると思うけど、国の福祉、人が生きるうえでの基本的なライフラインの安全安心は、政治が守らなければならない役割であり、そのための民主主義であり、税金であると思うんですよね。
国鉄が民営化され、どうなったのか。
何度も書いてるけど、民営化によって効率が優先されるようになり、赤字路線は廃止され、田舎ほど公共交通がなくなってしまった。今になって、病気や高齢で免許を返さなければならない人も、返せない。田舎ほど車がなければ生活できないような状態になってしまったから。
同様に、郵政民営化で、取引額の少ない田舎の郵便局のATMがだんだん撤去されだしている。国民の虎の子、簡保や郵貯は、外資からの投資の対象となり、今後ちゃんと守られるのだろうか。

以下青字は、会報を一部抜粋(太字の部分は私の判断)

日本はヨーロッパと同じように既に公共交通が整っていましたが、アメリカ型の自動車社会を目指しました。経済優先。そのほうがGNPが高くなるからです。
日本は、毎年5~6兆円を投入して自動車道路を延長してきました。
その結果、JRのローカル線や私鉄が赤字になって廃止され、バス路線が赤字で廃止され、マイカーを持たざるを得ない状況を作り、自動車社会に突き進んで行きました。
その結果、面積あたり世界最大の自動車道路を実現、面積あたり世界最大の自動車保有国になり、土建業と自動車産業は驚異的に発展し、GNP世界2位の経済大国を実現しました。国全体が大量消費、経済優先に染まってしまいました。
しかしこの方向は、資源、エネルギー、事故、地球環境の面では間違っていました。


なんにでもいえるけど、便利なものをいったん持ってしまえば、手放すのは容易ではない。広告はリスクを言わないって言うことを忘れてはならない。
国民が熱狂した郵政民営化選挙っていうのも、小泉・竹中改革の誇大広告だったと多くの人々が気がついてきたのが、よかったと思う今日この頃です。
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自民党はもはや国民を守ってくれない

2008年04月30日 | 車社会を考える
暫定税率復活法が再可決、成立 税率引き上げ1日施行(朝日新聞) - goo ニュース

ああ、結局こうなってしまいましたか。
うちでは、車を持たない選択=非くるま三原則(歩く・自転車に乗る・公共交通を利用する)を採択してるから、少しだけ皆さんより気は楽だけど・・・

でも、お仕事で使う人たちは、本当に困るよね。
特に、輸送関係、トラックの運転手さんたちは、小泉さんの規制緩和で競争が激しくなり、コストダウンのために、積載量オーバーのぎりぎりまで目いっぱい荷物を積まざるを得なかったり、休み返上の無理なスケジュールをこなさざるをえなくなったり・・・本当にお気の毒でたまらない。
しかも、この状況は、他者をも巻き込む交通事故にすぐにつながってしまう可能性があり、看過できないものだ。
それで、またガソリンが値上げというなら、輸送コストがかかることによって、さらに物価の上昇へと跳ね返ってくる、値上げスパイラルへの道が待っている。

小泉さん以来こっち、自民党は、もはや国民の生活を守ることなど忘れてしまったかのようです。福田さん、かわいそうなくらいかわいそう。もう、政権交代した方がいい時期に来てしまったということではないでしょうか。

民主党の皆さんにお願いしたいのは、ガソリン値下げ隊もいいけど、ついでに公共交通がなくなって、車がなければどうにもできないという田舎の状況も、改善してほしいということです。
車ばっかり走ってる道路なんか私はいらない。ゆっくり歩いて用が足りる道がいい。そういう道は、お年寄りにも赤ちゃんにも優しい道。そしてそんな道のある町に住みたいものです。

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認知症と車の運転

2007年11月28日 | 車社会を考える
山陽道を逆走、7人重軽傷=認知症74歳男性運転-衝突避けたワゴン車横転・岡山 (時事通信) - goo ニュース

大きな事件の影に隠れて、このようなニュースはすぐに消えてしまうけれど、高齢化社会を迎えた車社会の日本では、今後このような事故が続発してしまうことは容易に想像できる。
  
うちの父の場合は、3年前の予防手術後の検診で通院していることもあり、家族から確認のために申し出て、認知症のかなり早い段階で気づくことができた。おかげで、早めに免許証も返すことができたのだけれど、多くの場合、認知症と認めることは家族にとっても本人にとっても、楽しいことじゃないのでついつい発見が遅れがちになるという。(専門家に聞けば、気づくのが早いほど、初期段階で薬で進行を遅らせることができるので、おかしいと思ったら早めに専門医に見てもらったほうがいいとのことだ。)
  
しかし、認知症とわかったからといって、急に訳わからなくなるほどぼけてしまうわけじゃないし、日常会話なら普通に話したりするし、結晶記憶といって、昔に覚えたことは忘れないというか、体が覚えている運転技術はある程度あるし、免許証をすぐに返すことができない事情もある。
まず本人が断固として、運転したいという気持ちが強い場合と、もうひとつは運転しなければ買い物すら行けないという公共交通の利便性のまったくない地方に住んでいる場合。高齢者の場合、若者に比べて地方に住んでる割合がとても多いから、今の日本では、たとえ認知症であっても、車は必需品になってしまったのだ。

例えば、認知症と診断されたら、免許証は返還しなければならないという交通規約があれば、前者の場合は、しぶしぶでも返すことができる。
しかし、交通の便のないところに住む人々にとっては、車がなくなるということは、死活問題にもなってしまう。妻の通院に、認知症の夫が運転しなければ病院へも行けないという事例も知っている。こういう社会は、本当に生きにくい社会だと思う。

何度も書いているけど、戦後、アメリカにそそのかされて、国策として高速道路網を作り、自家用車を普及させ、ガソリンの消費を促した。国鉄を民営化して効率優先で赤字路線を廃止した結果のつけが、全部今自分たちに返って来ているのだ。
ここのところは、本当に考えて欲しい問題だと思う。誰だっていつまでも若いままではいられないのだから。

なお、免許証を返しても、認知症患者は、家族の車に勝手に乗って出かけてしまうということもあるので、車のキーは、くれぐれもそこらへんに出しておかないようにしなければなりませんね。 


 今日、参加してみました。30人集まるごとに、沖縄の海に1本のサンゴが植えられるというプロジェクトだそうです。
   ↓
 
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大金持ちしか車に乗れなくなる日が来るのかな

2007年11月09日 | 車社会を考える

ガソリン、150円目前 灯油、軽油も最高値更新(共同通信) - goo ニュース

またまたガソリンが値上げ。このまま安くなる気配はないのだろうか?

リモートヴューイングの第一人者ジョー・マクモニーグルについて書かれた本「マクモニーグルが語るリモートヴューイングの世界」(植田睦子・著)という本の中にマクモニーグル自身が語った「ジョーのここだけの話」というコラムがあるのですが、そこに書かれていたことをひとつご紹介します。
私はこの本を今年の6月に読んだのですが、経済のことは詳しくないので、その時点でこの秋、これほどガソリン価格が上がるなんて思ってもいませんでした・・・(以下、青字です)

大金持ちしか車に乗れなくなる
2015年には、今から比べると車の数は40%に減少している。ガソリンの値段が高騰し、保険の値段も上がるからだ。大金持ちしか車を所有することができなくなり、一般の市民は公共交通手段を利用することになる。
トヨタや日産などの自動車メーカーは、車を製造しなくなり、全自動の家など、ハウジング関連製品を作るようになる。今ある電気製品のように、キッチン、風呂場などの水回りや電気、インターネットなど生活に必要な設備が、簡単にプラグを差し込むだけで利用できる「プラグ・イン・ハウス」タイプの家が作られ、輸出される。
安価な上に簡単に建てられるので、地震や洪水など災害時の住宅供給にもこの家は役に立つ。
輸出先は、政府が国民に近代的な住宅を供給することを、政策として約束している中国やインドなどだ。中国はそれが実現できない場合は、政府に不満を持っている国民の暴徒化を、抑えきれない危険性をはらんでいる。


車社会に疑問を持っている私にとっては、車の総量が減るというのは、大変うれしいことなんですが、これはあくまでも乗る人のモラルの問題で、ガソリンの値上げでという理由であれば、流通産業にも負担が強いられ、そのままそれが物価上昇へと跳ね返ってくるということですから、微妙な気分です。
私自身は、予知能力のある人が未来を見たとしても、未来は今の自分の意識によって、常に変わる可能性を秘めていると、常々思っていますから、この通りになるかどうかはなんともいえません。
しかし少なくとも、ガソリンの高騰だけは、現実的なことになっていますね。
また、車というのは、今や単なる移動手段というだけではなくて、もっとも小さな居住空間というような役割も果たしているようですから、それを広げていった形で、車のメーカーが、コンパクトな家を作るというのも、なんとなくわかるような気がします。

なお、「リモートビューイングとは、単に遠隔透視能力だけではなく、時空を超えた知覚できる能力」と本の表紙に書かれています。

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道は誰のもの?

2007年09月21日 | 車社会を考える

集団登校の列に車、2人死傷 山形・南陽、運転男性も重傷(共同通信) - goo ニュース
水田の中の一本道、集団登校はねとばし2児童死傷…山形(読売新聞) - goo ニュース

また、子どもが巻きこまれ犠牲になってしまった事故のニュース。
この事故現場の写真を見て、子どもたちがあまりにかわいそうでした。
学校の登下校、道草を食いながら仲良しと小さな冒険をしていた、そんな風景はもうありません。無機質な1本道、車が走るための道は、美しく舗装されているけれど、人の歩く場所は、幅30センチほど。
ここからはみ出ちゃいけないと、子どもたちは気をつけながら、まっすぐ一列になって歩いていたのでしょう。

田舎のバスはおんぼろ車♪・・・この歌、ご存知ですか。
私も田舎で育ったので覚えていますが、幼い頃は「となりのトトロ」に出てきたようなボンネットバスに乗って、町に出かけたりしました。自家用車なんて持っているうちはほとんどなかったので、公共交通として、バスはおんぼろでもちゃんと走っていました。

事故を起こした会社員は、病気で二日会社を休んだ後の出勤で、まだ熱もあったようです。病気でも何日も休めないサラリーマン社会、病気でも自分で運転しないと会社に行けない車社会という現実の中で、無謀であってもこの選択しかできなかったのかもしれません。

日本は、すでに田舎ほど車がないと生活が成り立ちません。人より車が優先されます。
このきれい過ぎるまっすぐな道が、それを物語っています。
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謙虚さとは電車通勤をすること、秋川雅史さん

2007年09月18日 | 車社会を考える
秋川雅史「千の風-」100万枚達成で表彰も…今でも電車通勤(サンケイスポーツ) - goo ニュース
シングル「千の風になって」で売り上げ100万枚を達成したテノール歌手、秋川雅史(39)が22日、東京・神宮前のテイチクエンタテインメント本社で音楽情報会社のオリコンから表彰された。
 クラシック系歌手としては初の偉業に秋川は「この曲を聴いた人が元気や勇気をもらってくれることはうれしい」と感激の表情。両親に「もっともっと謙虚になれ」とアドバイスされたといい、「今でも電車通勤を続けています。このスタイルを変えたらダメだと思う」と気を引き締めた。コンサートなどで多忙な日々が続くが「限界に挑戦したい」と闘志を燃やしていた。



ちょっと前のニュースですが、この秋川さんの一言が良くて、ぜひ残しておきたいと思ったんですよ。 
よく外車を何台もずらーっと駐車場に並べて、自慢している芸能人、いますよねえ。
なんていうか、有名になっても一人の市民であることを忘れない秋川さんは、偉いです。多分、自分の中身に確固たる自信のある人なんだろうなと思います。
それに東京っていう街は、芸能人を見かけてもそっとしておいてくれるところがいいですね。しかし横目で、しっかりチェックしてるんだけど(笑)
秋川さん、ますますお忙しくなられたようで、「限界に挑戦したい」なんて・・・お体だけは気をつけて、あまり無理しないでね。

そういえばこないだ、今は千の風にもなっているだろう母の夢を見たんだけど、ものすごく若くて肌の色艶もよく、白のスタンドカラーと白の小さなフレンチスリーブの袖のついた赤と白の縦ストライプのブラウスを着ていました。サッカー地で・・・。向こうでは、すごく元気そうで何よりでした。


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ヤンバルクイナと交通事故

2007年07月26日 | 車社会を考える
   

ヤンバルクイナの事故が最多 半年余で14件、10羽死ぬ(共同通信) - goo ニュース
環境省やんばる野生生物保護センターは23日、沖縄本島北部だけに生息する国指定の特別天然記念物、ヤンバルクイナの交通事故が、今年に入って14件(死んだのは10羽)となり、年間の事故件数が過去最悪を更新したと発表。半年余りで、最多だった昨年の13件(同12羽)を上回っており、センターは「いつどこに出てきてもおかしくない鳥。運転中は常に意識してゆっくり走ってほしい」と呼び掛けている。

幸いなことに、公共交通が身近にある場所に住んでいるので、私は車に乗らない選択をしました。
その理由は、いろいろあるけれど、大きな理由のひとつは、知らないうちにひき殺してしまう命のことを考えると、たまらない気持ちになるからです。

誰でも1度や2度は、道路沿いに、わんちゃん猫ちゃんが車に轢かれて死んでいる姿を見たことがありますでしょう。
うちで飼っていた猫も、ある朝早く車に轢かれて死にました。猫といえど家族でしたので、それは悲しく悔しいものでした。
カーナビの普及で信号待ちのない、うちの前が抜け道になり、住宅街の真ん中、朝からスピードを出して走り抜けてゆく車があとをたちません。
シートベルトやエアバック等、乗る者を守る装備は充実しても、無防備な歩行者や動物たちを守ってくれる装備は何もありません。

それにしても、ヤンバルクイナや、イリオモテヤマネコなど、貴重な生き物の交通事故死が数を増しているということは、本当に残念なことです。
ヤンバルクイナは、鳥なのに、空を飛ばず、太い足で地面を歩きます。なんだか不器用さが自分に似ていて、親しみもわいてきますのよ。
報告数は、14件とありますが、実際に現場で知らないうちに処分されてしまった個体もあるのではないかと思います。

運転者のマナーの向上を呼びかけることも必要ですが、このような貴重な自然が残る地域では、パーク&ライドのような車社会のシステム自体の改革もぜひ考えて欲しいところです。


参考サイト ヤンバルクイナ その発見と危機
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摩周湖でマイカーの乗り入れ実験的規制

2007年06月12日 | 車社会を考える
摩周湖畔へのマイカー乗り入れ規制実験のため、
バスに乗り込む人たち=11日午前、北海道弟子屈町〔共同〕

マイカーの乗り入れを規制 北海道・摩周湖で実験開始(共同通信) - goo ニュース
北海道・阿寒国立公園の摩周湖畔へのマイカー乗り入れを規制する1週間の実験が11日から始まった。温泉や商店で使えるクーポン券も配り、環境を保全しつつ観光振興にもつなげようと一石二鳥を狙う。実験するのは弟子屈町や国土交通省でつくる「摩周・屈斜路環境にやさしい観光交通推進協議会」。17日までの午前8時から午後5時まで、マイカー利用者は摩周湖に向かう途中でバスに乗り換え展望台に向かう。

このニュースは、日経エコロミーにさらに詳しく出ていました。こちらの記事を抜粋すると、
協議会は利用者にアンケートをして効果を検証し、常時規制するか検討することにしている。
摩周湖はアイヌ語で「神の湖」と称される神秘的な湖で、透明度はかつて世界一を誇った。しかし年間約20万台が乗り入れる近年は透明度の低下や道路脇の樹木の立ち枯れが目立ち、排ガスとの関連が指摘されている。



朝の摩周湖(クリックすると霧の摩周湖)
写真提供 / 北の大地の贈り物 Photo by (C) RARURU


世界一を誇った摩周湖の透明度が、低下しているなんて悲しいことです。もしこの規制が通年実施され、今まで無配慮に大気中に放出されていた20万台の車の排ガスがなくなれば、木の立ち枯れも防げることでしょう。もはや一刻も早く、乗り入れ規制を実施して欲しいと願っています。

マイカーとしての車は便利ですが、どこか人間のエゴを助長させる乗り物だとも私には思えます。もし、人が自然の中に踏み入るときの作法というものがあるなら、自分たちばかり楽して楽しむのではなく、そこにある樹木や野生動物への配慮がなければならないでしょう。
今回の規制が、実験だけで終わらないことを願っています。
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気温の不都合な真実

2007年05月10日 | 車社会を考える
長野、京都、名古屋などで真夏日 都心は28.8度(朝日新聞) - goo ニュース
日本列島は9日、高気圧に覆われ、各地で今年一番の暑さとなった。
 気象庁によると、長野市で31.8度、京都市で31.7度、名古屋市で31.5度、宮崎市で31.6度を観測し、今年初めての真夏日となった。浜松市佐久間では33.6度で真夏並み、東京都心では28.8度で7月中旬の暑さだった。
 10日は寒気を伴った低気圧が近づくため、暑さは一段落し、荒れた天気になるという。


今日9日は、全国的な暑さでした。自分の短くはない人生の中で、5月に半そでを着ても、真夏日を体験した記憶は、はじめてなんですけど・・・。

もう、みんな、いいかげん、気がつこう。自分で自分の首を絞めてることに。
車依存社会を見直そう。公共交通を利用しよう。
バイオエタノールだの、ハイブリッドだの言う前に、とにかく歩けるところは歩こう。元気なら歩こう。暑いときは自転車で風を切ろう。(ただし、これからは、熱中症に気をつけて・・・帽子と水筒、忘れずに!)

歩けば、ひざの痛いのも治るし、わざわざジムに通わなくても、やせられるざんす。
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東京のマイカー制限を提案するダニエル・カールさん

2007年03月31日 | 車社会を考える
3月28日の朝日新聞の夕刊から・・・
以下、枠線内です。

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選挙権ないけど提案 マイカー制限しようよ

            タレント ダニエル・カールさん

 3年間過ごした山形から東京に来たときは、本当にたまげたよね。平屋がない。車がびゅんびゅん走ってる。人が多い。山形では電車に乗って立つことがなかったのに、東京では座ったことがない。すげー都会だなっ、て思ったよ。
でも、いいところもいっぱいある。張りめぐらされた交通網。美術館や博物館。仕事をするにも最高の町ですよ。
 治安もいい。20年ぐらい住んでるけど、犯罪にあったことは一度もない。真夜中にも女性が歩いている。私の育った町に近い米国・ロサンゼルスに比べると、奇跡的だな。
 その東京をもっと住みやすくするために、私、提案があるんです。
 今、人も企業も東京に集中している。でも本当は、企業がこんなに集まる必要はないんだよね。「本社を東京に置けば一人前」なんて古い考え方。メールもファクスもあるんだから、もっと分散させようよ。例えば東京の税金をほかの10倍ぐらい高くしたら、みんなあっという間に引っ越していくよ。
 二つ目は、車の制限。都内では、私、いつも電車で移動します。道路の渋滞がひどいからね。東京には、要らない車が多すぎる。配達のトラックやハンディキャップのある人の車を除いて、マイカーを禁止にしましょうよ。
五輪をやるなら金をかけないことが条件。そもそも、東京でやっていい効果があるのか、知事が判断しちゃだめ。政治家はビジネスマンのセンスがゼロだから。ビジネスマンに任せるべきだね。
 でも、いろいろいっても残念ながら、オラ、選挙権がないんだよね。税金はがっぽり払ってるんだけど。


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税金だけは取られるのに、選挙権がないって、なんだかお気の毒ですね。
ダニエルさんの意見の中で、マイカー制限って、いいなって思いました。
渋滞の車から出されるクーラーの排気は、これから暑くなる季節、ヒートアイランドの原因にもなってるし。
もちろん、いろんな事情で車に乗らなきゃならない人もいるけど、東京は交通網がびしっと張りめぐらされてるんだから、ダニエルさんが言われるように、仕事や病気やハンディキャップのある人以外は、車に乗るのは必然性はなく、「趣味」「自己満足」「プライド」「惰性」みたいなものによるところが大きいわけで、禁止とまでいかなくても、そういう人たちには、何らかの形で規制をかけられたらいいと思います。
ダニエルさんのような、有名人だって電車に乗ってるんだから・・・。
そういえば、昔々、東京に住んでいたとき、電車の中で、多々良純さんをお見かけしました。すごくすいてる山手線の車両連結部近くの席で、一生懸命台本を読まれてました。
東横線では,クールファイブの宮本さんを見かけ、代々木の駅で山本コータローさんを見かけ、あと、お昼前の千代田線で、デビューしたての長渕剛さんを見かけました。当時はおかっぱ頭でギターを抱えて、かわいらしかったですよ。
そんなわけで、東京では皆さん、電車を利用しましょうよね。

ついでに、オリンピックで環境はどうなんだろう
築地の移転先はかなり心配

★ダニエル・カール 
米国出身。30年前に初来日。大卒後、山形県で3年間英語を教えた。山形弁を操る。46歳。
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