広島・長崎の原爆投下から79回目の8月ですが、アメリカは日本への原爆投下を決定したトルーマン大統領以降、ずっとそれを正当化してきたけれど、開発責任者だったオッペン・ハイマーは、被爆者に涙で謝罪したと話す通訳者の映像が見つかった。
リンク先に通訳の方の証言映像動画がありました。どうか上のリンク記事は、NHKは削除せず、誰でも、ずっと見られる形で置いておいて欲しいです。
記事抜粋
前略
今回見つかった映像資料は、1964年に被爆者などが証言を行うためにアメリカを訪問した際、通訳として同行したタイヒラー曜子さんが2015年に語った内容を記録したもので、広島市のNPOに残されていました。
この中でタイヒラーさんは、訪問団の1人で、広島の被爆者で理論物理学者の庄野直美さんなどが非公表でオッペンハイマーと面会した際の様子について「研究所の部屋に入った段階で、オッペンハイマーは涙、ぼうだたる状態になって、『ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい』と本当に謝るばかりだった」と述べています。
面会については、被爆者の庄野さんも後に旧制高校の同窓会誌などで明らかにしたうえで「博士は私に『広島・長崎のことは話したくないのでかんべんしてほしい』と語りかけた。背負っている重荷をひしひしと感じた」などとつづっています。
中略
タイヒラー通訳が語ったオッペンハイマー
今回見つかった映像資料で、タイヒラーさんは面会に同行した際の自身の受け止めや面会の様子、それにオッペンハイマーの印象などについて次のように話していました。
「私自身がすごくまだ未熟だったので、重要性を個人としては当時認識していなかったと思う。オッペンハイマーというのは、マンハッタン計画の学者の中でも特に核の開発で重要な役割を果たした人で、核開発をしたこと自体、ものすごく後悔していた。被爆者に会った時に私は『同行してください』と言われて行ったわけだが、研究所の部屋に入ったその段階で、オッペンハイマーは涙、ぼうだたる状態になって、そして『ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい』と本当に謝るばかりだった。会合の記録はたぶんないんだと思うし、重要性というのは私自身も分かっていなかった。その前に、トルーマン大統領のライブラリーに行った時に、トルーマンは被害者の人たちを前にして『これはアメリカが取った正当な行為だ』とあくまでも原爆を投下したことを正当化した。それはそれなりの論理があるんだろうと思うが、トルーマン大統領のことばとオッペンハイマーのことばの、この対比。これは私にとって重要な経験だった」
後略
ーーーーーーーーーーーーー
以下、宗教学者・島薗進氏のXより。
倫理学が専門で、核兵器をめぐる議論の歴史などを研究しているアメリカのデュポール大学の宮本ゆき教授は「オッペンハイマーが実際に被爆者に会って謝ったことは驚きで、被爆者がじかに『ごめんなさい』ということばを聞いたというのは大きな意味があると評価したい」とhttps://t.co/JdTb0U5kDu
— 島薗進 (@Shimazono) June 20, 2024
そのうえで宮本教授は「オッペンハイマーが核兵器廃絶に向けて動かなかったのであれば、それは私たちに残された課題だと理解するべきだ。私たちが行動することで、オッペンハイマーの『ごめんなさい』ということばとの間を埋めていかなければいけないと思う」と指摘していました。
— 島薗進 (@Shimazono) June 20, 2024
「ごめんなさい」
オッペンハイマーの涙は、今、朝ドラの「虎に翼」を見ている最中なので星航一の涙とかぶってしまう。
星のモデルとなった三淵乾太郎は、太平洋戦争開戦前に、総力戦研究所で模擬内閣の一員として、アメリカとの戦争をシュミレーションするという任務をうけ、日本はアメリカに完全に負けるという答えを出した。しかし、それは時の政府の方針とあわず、その結論は無視された。その結果、戦争は始まり、シュミレーション通りに日本は負けた。
『虎に翼』岡田将生さん演じる航一が隠してきた<秘密>。そのモデル・三淵乾太郎らは「ソ連参戦で敗戦」とまで予測するも開戦を止められず…そのまさかの理由とは https://t.co/jTOYIV3z0P #婦人公論
— 法匪の放屁⭐️💙(PPPM💉弱小パロディ垢バンアカウント) (@KpFhd7WSalOp7ov) August 9, 2024
ドラマの中の星航一は、戦後、寅子と出会うまで、心を閉ざして生きてきた。
彼も戦争で家族を亡くした人を見るたび責任を感じ、自分のせいで死んでしまったのだと心を痛めて、「ごめんなさい」「ごめんなさい」と何度もつぶやいていた。
オッペンハイマーも同様に、戦争の重荷を一人で背負って、当事者なのだからよけいに心を閉ざさなかったら生きていけなかったかもしれない。
それが、被爆者と会ったとき、心に蓋をしていた思いが一気にあふれて、涙で謝罪したのだろう。
戦争のむごさ。戦争に勝者はいないと改めて思う。