虹色オリハルコン

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どちらを選ぶかは自分次第

歩こう!歩こう!私は元気!

2024年10月18日 | 絵本が好き

gooブログの編集画面にある、「今日の一言」興味のない質問もあるけど、パッと答えたくなる質問には、すぐに反応してしまいます。
17日の質問は、「名作だと思うアニメはなんですか」
スタジオジブリ作品がお気に入りで、特に好きな3作を答えました。
「となりのトトロ」もマイベスト3の一つ・・というか、一番好きかもしれない。

しかし、このタイミングで・・
そのトトロの主題歌「さんぽ」を作詞した中川李枝子さんの訃報が届いた。
以下は「さんぽ」の動画をあげてくださった方のX。感謝。



同じ日に有名な俳優さんが亡くなり、昨今は昔なじみと言えるくらい耳になじんだアニメの声優さんなど訃報も続く。涙。
いろんなことが変化してゆく、時代のまっただ中で。

変わるものは変わり でも残るものは残る。

絵本「ぐりとぐら」シリーズは、子どもたちの大好きな名作だが、この作品で育った子どもたちも、今は親になり、次の世代に読み聞かせしていることだろう。何があっても残るものは残るんだ。

同じように、小さい人たちにずうっと愛されている作品「となりのトトロ」主題歌の「さんぽ」を作詞された中川李枝子さんの歌詞のフレーズ
「歩こう、歩こう、私は元気」に、いきなり、心をつかまれましたっけ。


  


徳間書店が出していた「となりのトトロ」の本には、中川李枝子さんの解説があって、その解説がとてもすてきたったのを思い出します。
ちょっと昔の本の棚を探したら、ありました。
中川さん、こんなことを書いてらした。

草壁さん一家が住んだ古い家もホントにありました。玄関も廊下も階段も、台所もお風呂もトイレも、あのとおりでした。サツキとメイが最初に見つけた不思議なもの「ススワタリ」もホントです。私の家にもいましたから。台所や土間の薄暗い隅っこにいて、大掃除があるとよそへ移っていきました。
トトロもホントにいました、というより、森にトトロがいるのは当たり前でした。洞や古い木のウロに棲み、のんびり気ままに暮らしていました。ただし、人の目には見えません。それなのに、サツキとメイに見えたのは、お互い通じ合うものがあったからでしょう。



中川さんは、自分もここに生きていた。と言っていたように、当時の私も、うんうんとうなずきながら、だよね、だよねと、おんなじように思ったのでした。
初めてテレビ放映されたのを見たときは、日本はバブルの真っ最中で、社会は前ばかり見ていた。自然も壊して、山も削られて、道路が通り、リゾートホテルに、スキー場だのゴルフ場だのが、次々にできていた。
でも、それが人の幸せに結びつくとは、私には思えなかったから、よけいに「となりのトトロ」は、ガツンときたのです。

確かにメイちゃんと同世代くらいの私の生まれた小さな町にも、有名な巨木があったので、中川さんの書かれた事への共感は、はっきりとわかります。
手ぬぐいを姉さんかぶりにした近所のおばあちゃんもいたし、手ぬぐいをズボンのベルトに挟んで、腰にぶら下げていたお父さんもいた。
お父さんの(研究資料がごちゃごちゃに山積みされた)木の机と椅子もあった。ポンプでくみ上げる井戸水、かまどで炊くご飯、木造のボロの小学校。濃紺の制服を着たバスの車掌さんもいた。畑のそばにはヤギがいて、びっくりしたり。私は、メイちゃんだったかな。
素朴だけど、幸せだったな。

中川さんも書いていた。トトロやネコバスは、ホントにいるのだと。
2024年、時代はどんどん進み、中川さんもついに旅立たれたけど、トトロは今もきっといて、坂道を走っていく子どもたちの側にふわっと浮かんでいるかもしれない。見えないネコバスはビルの間をものすごい勢いで走り抜けている。

私たちが彼らのことを忘れない限り、サンタクロースがいなくならないように、トトロもずっとずっと日本のどこかにいる。
大人になっても、ほうれん草をゆでながらふと、トトロのことを思い出す人がいる限り、トトロはいる。


 


余談ですが、映画館で公開されたときは、
「となりのトトロ」は、「火垂るの墓」と同時上映だったのですね。

「火垂るの墓」は、あまりにも悲しくて、一度見たら、辛くて、かわいそうで二度と見られなかった。
でも、節子ちゃんが亡くなって、平和な時代になって、戦後生まれのサツキちゃんとメイちゃんは両親に甘えて、不思議な生き物にであって、大声で笑って、元気な子ども時代を過ごした。

節子ちゃんと、サツキとメイの子ども時代。あまりにも幸不幸がはっきりしていて、どちらがいいか、答えは言わずもがな。
だからね、「火垂るの墓」と「となりのトトロ」二本立ての上映だったのは、高畑監督と宮崎駿さんが仕込んでいた、二つで一つの反戦映画だったのかもしれないなと今になって思うのだ。


コメント (2)
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