虹色オリハルコン

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命からエネルギーを奪うフォースの力

どちらを選ぶかは自分次第

ありがとう、ブッシュ大統領

2008年10月31日 | パワーかフォースか
実は、この1週間、ネット環境にちょっとした不測の事態が起こり、インターネットから離れておりました。
といっても、日常は、相変わらずでしたので、今までブログに費やしていた時間をたまっていた資料の整理なんかに充てていましたら、とんでもないところから、2003年3月19日の朝日新聞の夕刊の切り抜きが出てきました。
パウロ・コエーリョという作家の、「ありがとう、ブッシュ大統領」というメッセージです。
彼は、世界的なベストセラー小説「アルケミスト」などで知られるブラジルの作家。
3月19日の日付ですから、まさにイラク開戦したその日…あの時、世界中の多くの人々が戦争を止めようとして止められなかった…無力感と悲しみ、思い出しました。
新聞を読んで、思わず切り抜いてしまったのですが、まさに、ブッシュ政権も終末を迎えた直前、また手元に出てきたのも、何かの因縁かもしれません。

ありがとう、私たちを無視してくれて。
あなたの決断に反対する態度を明らかにしたすべての人を除け者にしてくれて。
なぜなら、地球の未来は除外された者たちのものだから。
ありがとう、なぜなら、あなたがいなければ、
私たちは自分たちに人を動かし、
動員する力があることに気づかなかったはずだから。
その力は今すぐには何の役にも立たないかもしれないが、
もっと後になって必ず役立つはずだから。
戦太鼓がもはや後戻り不能なところで鳴り響いているような今、
私はかつて、ひとりのヨーロッパの王が侵略者に対して語ったことばを
自ら口にしておきたい。
「どうかあなたの朝が美しいものでありますように
 太陽があなたの兵隊の鎧の上で輝きますように
 なぜなら、午後には私があなたを打ち負かしますから」


上記のような一節は、まるで、現在の哀れでかわいそうなブッシュ大統領と、たくさんの人々が死に傷つき、結局、破壊と混乱しか作れなかったブッシュ政権およびそれに追随した人々の末路を予言しているようにも思えます。
また、それらを乗り越えて、無視された人々にこそ未来はあるのだという力強いメッセージも伝わってきます。


「ありがとう、ブッシュ大統領」
私たちを無視し、反対者を除け者にし
無力感といかに戦うかと教えてくれて


あくまでもイラク攻撃を行おうとしてきたアメリカの態度に対して、世界各地の文学者や芸術家から反対の声があがっている。世界的なベストセラー小説『アルケミスト』などで知られるブラジルのパウロ・コエーリョ氏が世界の主要メディアにメッセージを寄せた。(原文はポルトガル語。翻訳は旦敬介氏)

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ありがとう、偉大な指導者ジョージ・W・ブッシュ。

サダム・フセインが体現している危険をすべての人に知らせてくれて、ありがとう。私たちの多くは、彼が化学兵器を、自国民に対して、クルド人に対して、イラン人に対して使用したことがあるのを忘れてしまっていただろうから。フセインは血に飢えた独裁者であり、現時点においてもっとも明白に悪を体現している人物のひとりである。

しかし、私があなたにお礼を言いたい理由はほかにもある。2003年の最初の2か月の間に、あなたはいくつも重要なことを世界に示してくれたのであり、それゆえ感謝を捧げたい。そこで、子供のころに覚えた詩を模して、あなたにありがとうと言っておきたい。

ありがとう。トルコの国民と議会とが、たとえ260億ドルを払っても買収できないことを全世界に見せてくれて、ありがとう。
ありがとう、統治者の決定と、国民の願望との間に巨大な断裂があることを世界に示してくれて。ホセ・マリア・アスナールとトニー・ブレアがともに、自分を選出した国民の声にまったく重きを置かず、まったく敬意をもっていない人であることを明確にしてくれて、ありがとう。アスナールはスペイン国民の90%以上が戦争に反対であることを無視しおおせ、ブレアはこの30年間の英国で最も大規模なデモを心にかけない。

ありがとう、あなたの不屈の精神のおかげで、トニー・ブレアは捏造された書類をもって英国議会に臨まざるをえなくなった。ひとりの学生によって10年も前に書かれた文書が、「英国諜報機関の収集した決定的な証拠」として提出されたのである。

ありがとう、コリン・パウエルを物笑いの種にしてくれて。彼が国連安全保障理事会の場で提示した数枚の写真は、1週間後、イラク武装解除の責任者である査察委員長ハンス・ブリクスから公式な反論を受けることになったのである。


イラク戦争に抗議して、サンフランシスコの町を行進する市民たち
(AP通信)


ありがとう、あなたの態度のおかげで、フランスのドミニク・ドビルパン外相は、戦争に反対する演説によって、国連総会の場で万雷の拍手を受けるという名誉に浴することになった──これは私の知るかぎり、国連の歴史上、これまでにたった1回しかなかったことであり、それはネルソン・マンデラが演説した際だった。

ありがとう、あなたの戦争努力のおかげで、いつもばらばらであるのが当たり前のアラブ諸国が、2月の最後の1週間カイロで開かれた会議で、初めて一致団結して侵略を非難することになった。

ありがとう、「国連が現実的な有用性を示す最後のチャンス」と主張するあなたのレトリックのおかげで、もっとも及び腰だった国々でさえ、ついにはイラク攻撃反対の立場をとることになった。

ありがとう、あなたの外交政策のおかげで、イギリスのジャック・ストロー外相は、21世紀のただ中で、「戦争が道徳的な正当性をもつ場合もある」と発言した──そして、その発言によって、すべての信用を失うことになった。

ありがとう、統合のために苦闘しているヨーロッパを、分断しようと試みてくれて。それはまたとない警告として、決して忘れられずに生きてくる。


2003年2月13日スペイン、マドリード市の反戦デモ
スペイン外務省前で市民がイラク戦争に抗議
「平和」「戦争に戦争NO」「イラク戦争を止めよう」の看板
( AP Photo / Paul White )


ありがとう、今世紀、ほとんど誰にもなしえなかったことを実現してくれて──世界のすべての大陸で、同じひとつの思いのために闘っている何百万人もの人を結びあわせてくれて。その思いというものは、あなたの思いとは正反対のものであるのだが。

ありがとう、再び私たちに、たとえ私たちのことばが聞き届けられることがなくとも、少なくとも自分は黙ってはいなかったのだ、と感じさせてくれて──それは将来において、私たちにより以上の力をあたえてくれることになる。
ありがとう、私たちを無視してくれて。あなたの決断に反対する態度を明らかにしたすべての人を除け者にしてくれて。なぜなら、地球の未来は除外された者たちのものだから。


首都ワシントンで10万人が反戦デモ(2007.7月)


ありがとう、なぜなら、あなたがいなければ、私たちは自分たちに人を動かし、動員する力があることに気づかなかったはずだから。その力は今すぐには何の役にも立たないかもしれないが、もっと後になって必ず役立つはずだから。

戦太鼓がもはや後戻り不能なところで鳴り響いているような今、私はかつて、ひとりのヨーロッパの王が侵略者に対して語ったことばを自ら口にしておきたい。「どうかあなたの朝が美しいものでありますように、太陽があなたの兵隊の鎧の上で輝きますように──なぜなら、午後には私があなたを打ち負かしますから」
ありがとう、すでに起動してしまっている歯車をなんとか止めようとして街路を練り歩く名もなき軍勢である私たちに、無力感とはどんなものかを味わわせてくれて。その無力感といかにして戦い、いかにしてそれを別のものに変えていけばいいのか、学ぶ機会をあたえてくれて。
それゆえ、どうかあなたの朝を、そしてそれが今のところまだ、もたらしているのであろう栄光を、十分に味わっておいていただきたい。

ありがとう。私たちに耳を貸さず、私たちの言うことを本気にしないでくれて、ありがとう。むろんのこと、私たちはあなたの言うことをしっかり聞いており、あなたのことばを決して忘れない。そのことを、ぜひ知っておいていただきたい。

ありがとう、偉大な指導者ジョージ・W・ブッシュ。
ありがとうございました。



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※ 上記青字は記事全文。写真は、私の編集によるものです。

なお、この切り抜きは、息子の小学校の卒業式の写真と一緒に出てきました。
当時、息子は12歳でした。
息子は今年、18歳になり、身長は当時から30センチも伸びましたが、まだ戦争は終わりません。
だけど、あの時人々の心にまかれた、平和への願い、変化への希望は、枯れることなく成長し続けました。



もうすぐ訪れる平和への変化を、支持しています。
私にも、いろんな経験や感情を教えてくれた、ブッシュ大統領。ありがとう。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
↑ 上のコメント (金木犀)
2008-11-06 21:22:10
もちろん最後の1行は、冗談ですよ。
返信する
集合的成長 (金木犀)
2008-11-06 15:57:36
ヘルメスさん、こちらにもコメントありがとう。

>その個人的成長が集まって今回の選挙で集合的成長となり、アメリカ精神を大きく成長させたと思います。

私もそう思います。
イラク戦争をたくさんの人が反対したと同時に、たくさんの人が、支持もしました。
私の周りでも、女性は反対している人が多かったですが、特に中年以降の男性は「テロとの戦い」という言葉に完全にだまされて、小泉やブッシュを支持してました。
彼らは、後で反省してたけど、パウエルでさえだまされたんですもんね。

ブッシュ政権は、意識レベル150代で「怒り・攻撃・敵対」というフォースの領域に、はまり込んでました。
おかげで、ブッシュ政権(フォース)では問題は解決せず、逆に問題は深くなるばかりだということに、気づくことができたのです。
私自身も、ブッシュのおかげで「パワーかフォースか」の理解も深まったともいえます

でもね、私だって、今でこそ、「ありがとう」なんて言えるようになりましたが、この記事を切り抜いた当時は、「ありがとう」どころか、いかにしたらブッシュを呪い殺せるかなんて思ってましたよ~(汗)…

返信する
Yes We Did! (ヘルメス)
2008-11-06 03:34:45
ご子息も18歳ですからアメリカ市民なら投票できましたね。この選挙に投票できない世界の人々がオバマに託している希望、その分まで私たちは活動してきました。イラク戦争がはじまってからの30センチの成長は個人的ですが、その個人的成長が集まって今回の選挙で集合的成長となり、アメリカ精神を大きく成長させたと思います。

たしかにブッシュがここまで悪くなかったら、オバマが出てくるのは難しかったでしょう。28年間のレーガン共和党哲学の失敗が、オバマの登場を準備したのは否定できません。

さて、変革はこれからです!
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