ゴルフに行きたい夫と山歩きをしたい私
綱引きの末の妥協案は
≪ 初日にゴルフ、翌日は山歩き ≫
に落ち着きました。
八ヶ岳山麓に泊まった翌朝
「もう二度と走りたくない・・・」 と 言われてしまうほどの悪路(そうかな・・?)を
美濃戸へ向かいました。
駐車場では、隣に止めたオジサマが
目ざとくゴルフクラブを見つけ
「赤岳の頂上から ドライバーで打ったら
気持ちいいだろうなぁ」
ですって ・・・
南沢沿いの樹林帯には、この時期さしたるお花もなく、ただ黙々と登っていきます。
お天気はというと、いまのところ 青空が広がっていますが
台風が近づいてきていて、予断を許さない状況です。
少しなだらかな河原を歩くようになると、横岳が見えてきました。
行者小屋に着くと
聳え立つ 横岳の荒々しい 岩稜が見えました。
今日は ここから 阿弥陀岳へ、その後、中岳を越えて 赤岳へ登っていく予定です。
明るい樹林帯を登っていくと、所々で開けて 硫黄岳から横岳へ続く稜線が見えました。
硫黄岳/横岳
赤岳、中岳も望めます。
赤岳/中岳
1時間程で 中岳のコルに着くと
正面に権現岳
左にエレガントな富士山が見えました。
右手に見上げる阿弥陀岳は ハシゴも見えていて、かなりの急登です。
あたりに ザックがたくさん置かれているのを見て
私たちも、サブザックに水だけ入れて 登ることにしました。
この登りは、ちょっと大変
急登で高度感があるうえに 岩肌がぼろぼろと崩れやすいので
いつものようなわき見はあまりできません。(写真は撮りましたが )
集中しながら 休み休み登っているうちに、だんだんとガスが上がってきました。
山頂に着くまで 来ないで~~!!
そんな願いもむなしく、登り着いた山頂は すっかりガスに覆われてしまっていて
諏訪方面には 少しだけ青空が覗いているものの
すぐそこにあるはずの
赤岳も権現岳も 見えません。
しばらく待ってみましたが 状況は変わらず
食料は置いてきてしまったので
ランチするわけにもいきません。
「しょうがない、記念撮影だけして下りようか」
不満そうな顔 で写真に納まり
それでもあきらめ悪く うろうろしていると
みるみるうちに 赤岳方面のガスがとれてきて
おお!! すっかり見えるようになりました。
もちろん、あわてて写真を撮りなおします。
でも、帽子のような雲はあやしい天気の前ぶれかも・・・
こんどこそ、下りることにします。
下りは赤岳を正面に見ながらの いい眺め でも、足元には充分注意して
下ってきた 中岳のコルで 軽く食事をとっていると
こんどは冷たい風が吹き始め、あっという間にガスに覆われ、暗くなってきました。
これは大変・・・ すぐさま撤収して、先を急ぎます。
「ここが中岳?」
足元しか見えない状況では、登山道をはずさないように歩くのが精一杯
風は強さを増し 雨も降り出して、だんだん心細くなります。
文三郎尾根との合流で 若者のグループが休憩しているのを見て、本当にホッとしました。
彼等と相前後して 風に飛ばされないように 一歩一歩進むと
キレット小屋への分岐があり、クサリのついた 岩場になりました。
この日は こちら側には風がなく、あわてずゆっくり進めたのは 幸いでした。
そして、ようやく 赤岳山頂に着くと
あたりは 当然真っ白でした。
今度は待っていても悪くなる一方なので、頂上小屋へ急ぎます。
ほんの数メートル先すら見えず、吹き飛ばされないよう体勢を低くして進むと、小屋がありました。
小屋の中はストーブが焚かれていて暖かく、ようやくゆったりと落ち着きました。
横岳方面から登って来た人たちに話を聞くと、稜線は 吹き飛ばされそうな強風だったとか。
天望荘にすら 行けそうにないと、予約を取り消した人もいて
皆 午後は何をすることもできず、山の話などをして過ごしました。
* * * * 二日目 * * * *
一夜明けて、昨日の強風はおさまったものの、予報は 一日雨
横岳、硫黄岳とまわるつもりの予定を変更し、まっすぐに下りることにしました。
様子のわかっている昨日の岩場を通り、文三郎尾根の 階段の多い道を下ります。
展望もなく お花もない道を、下だけを見て歩くつらさ、でも これも山歩きなんですよね。
行者小屋で 雨宿りしながら ティータイム
美濃戸に着いても 雨はやまず、また悪路に悩まされながら美濃戸口へ戻りました。
夏の名残り
チシマギキョウ/トウヤクリンドウ/ウラシマツツジ
1日目 美濃戸ー行者小屋ー中岳コルー阿弥陀岳ー中岳コルー中岳ー赤岳ー頂上小屋
2日目 頂上小屋ー(文三郎尾根)ー行者小屋ー美濃戸
標準CTは、それぞれ 4時間55分、3時間00分です。