立て続けに読んだのですが、たまたまテーマがどちらも「少年」。
最近まで読んでたのがコレだったので
とってもナイーブで清らかで、でも人間の業のようなものをしっかり感じるような
奥行きの深い本だったので、次はノンストップで何も考えず読めるヤツを
って思って、うっかり本の帯につられて(新潮文庫のミステリー大賞がどうとか
って書いてあって)向日葵の咲かない夏を買いまして。
確かに1日で読めちゃうくらいなのです、が!
いや、それはないだろう!?ってツッコミどころが満載でした。
主人公の少年が同級生の家に行って見たものはその同級生の死体で
ある日、転生した亡くなったはずの同級生が「自分は殺された」と言ってきて
一緒に犯人をつきとめるっていう話です。簡単に言うと。
転生っていう土台があるのでファンタジーぽく読めなくもない(序盤)んだけど
段々エグくなっていき、近頃の小学生は…で済ましたくない内容へと
突入していくのですわ。たまたま主人公の男子小学生がもち子と同学年なので
つい移入しがちなのだけど、さすがに「それはない!」って思って。
いろんな意味でリアリティがなかったです(汗)
主人公の妹っていうのも3歳っていう設定なんだけど、そんな3歳いないだろ!
っていうくらい言う事が達観してて。
それについては後でなるほどなーと思うんだけどね。
でも序盤にいきなり犯人はコイツだって出てくるんだけど、最後まで読ませる
話の組立てがよくって。「え?ほんとに?」って眉をしかめながら読むであろう
ことを想定してるかのような感じ。
ラストもそれはきっとそういうことなのよね~って断言でなくニュアンスで
ぼかしてあるのが、こういう言い方が正しいのか分からないけど「きれい」
な終わり方だなぁって。中盤、終盤がエグいから余計そう感じたのよ。
単なるミステリーじゃなく、ホラーに近いです。
で、次に1号の部屋に転がってたスピン。
内容知らずに読んでたら複数のネットで繋がった少年がそれぞれバスジャック
を企て実行する話でした。
社会や親、学校、友人への不満が溢れ出ている多感な少年達が世間をあっと
言わせてやりたいがための犯行なのですが、深い深い思いがあるわけでなく
たいしてプランがあるわけでなく、そういう無気力で依存心の強い現代の
少年達っていうのをリアルに捉えてるなあと思いました。
読んでてイライラするほどに。
少年側の話メインなので、それにまつわる親とかの視点が一切ないのが
逆に想像を膨らますのですが「親は何してるんだろう?」ってね。
終盤のどんでん返し的なものがらしいなぁ、そこまで考えなかったわーって
思いました。そこでも「向日葵の~」に同様、「それはないだろ!?」
そうであって欲しくないって思いましたけども。
後々まで深い思いを刻むような感じではないのだけど、
リアルにその世代を抱える親としては「うーん」って唸ってしまいました。
みんな頑張ってるんだよ、みんな我慢してるんだよって言ってもそれを
体感するわけじゃないし、子供って「見たまま」をそのまま受け入れるし
とても受動的だから結果「なんで自分ばかり」って思ってしまって
そういうのがストレスになってしまう…ってのは分かるんだけどね。
狭い視野をどう広げていってあげれるか…。
平凡でもいいから心も体も健やかに育ってくれるよう考えなくっちゃ
いけないなって思わせてくれる2作品でした。
スピン山田 悠介角川書店このアイテムの詳細を見る |
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)道尾 秀介新潮社このアイテムの詳細を見る |
最近まで読んでたのがコレだったので
からくりからくさ (新潮文庫)梨木 香歩新潮社このアイテムの詳細を見る |
とってもナイーブで清らかで、でも人間の業のようなものをしっかり感じるような
奥行きの深い本だったので、次はノンストップで何も考えず読めるヤツを
って思って、うっかり本の帯につられて(新潮文庫のミステリー大賞がどうとか
って書いてあって)向日葵の咲かない夏を買いまして。
確かに1日で読めちゃうくらいなのです、が!
いや、それはないだろう!?ってツッコミどころが満載でした。
主人公の少年が同級生の家に行って見たものはその同級生の死体で
ある日、転生した亡くなったはずの同級生が「自分は殺された」と言ってきて
一緒に犯人をつきとめるっていう話です。簡単に言うと。
転生っていう土台があるのでファンタジーぽく読めなくもない(序盤)んだけど
段々エグくなっていき、近頃の小学生は…で済ましたくない内容へと
突入していくのですわ。たまたま主人公の男子小学生がもち子と同学年なので
つい移入しがちなのだけど、さすがに「それはない!」って思って。
いろんな意味でリアリティがなかったです(汗)
主人公の妹っていうのも3歳っていう設定なんだけど、そんな3歳いないだろ!
っていうくらい言う事が達観してて。
それについては後でなるほどなーと思うんだけどね。
でも序盤にいきなり犯人はコイツだって出てくるんだけど、最後まで読ませる
話の組立てがよくって。「え?ほんとに?」って眉をしかめながら読むであろう
ことを想定してるかのような感じ。
ラストもそれはきっとそういうことなのよね~って断言でなくニュアンスで
ぼかしてあるのが、こういう言い方が正しいのか分からないけど「きれい」
な終わり方だなぁって。中盤、終盤がエグいから余計そう感じたのよ。
単なるミステリーじゃなく、ホラーに近いです。
で、次に1号の部屋に転がってたスピン。
内容知らずに読んでたら複数のネットで繋がった少年がそれぞれバスジャック
を企て実行する話でした。
社会や親、学校、友人への不満が溢れ出ている多感な少年達が世間をあっと
言わせてやりたいがための犯行なのですが、深い深い思いがあるわけでなく
たいしてプランがあるわけでなく、そういう無気力で依存心の強い現代の
少年達っていうのをリアルに捉えてるなあと思いました。
読んでてイライラするほどに。
少年側の話メインなので、それにまつわる親とかの視点が一切ないのが
逆に想像を膨らますのですが「親は何してるんだろう?」ってね。
終盤のどんでん返し的なものがらしいなぁ、そこまで考えなかったわーって
思いました。そこでも「向日葵の~」に同様、「それはないだろ!?」
そうであって欲しくないって思いましたけども。
後々まで深い思いを刻むような感じではないのだけど、
リアルにその世代を抱える親としては「うーん」って唸ってしまいました。
みんな頑張ってるんだよ、みんな我慢してるんだよって言ってもそれを
体感するわけじゃないし、子供って「見たまま」をそのまま受け入れるし
とても受動的だから結果「なんで自分ばかり」って思ってしまって
そういうのがストレスになってしまう…ってのは分かるんだけどね。
狭い視野をどう広げていってあげれるか…。
平凡でもいいから心も体も健やかに育ってくれるよう考えなくっちゃ
いけないなって思わせてくれる2作品でした。